桐光学園高校は進学校であると同時にスポーツでも強豪校という、トップレベルの文武両道校だ。
2023年は、国公立大学101名、早慶上智177名、MARCH理科571名、医学部医学科に23名が合格した。
同校の進路指導は「第一志望の大学に合格」を目標にし、生徒一人ひとりへのきめ細かな対応を重視。
年2回の面談週間では、二者面談・三者面談を行い、生徒の満足度を高めると同時に、保護者の信頼を醸成している。
また、600を超える講習講座では、教科毎に大学別受験対策から、趣味を極めるユニーク講習や、「TOKO SGDs」など、多彩な学びが用意されている。
その中でも「大学訪問授業」は他校に見られない画期的な取り組みだ。さまざまな学問分野で活躍する国公立、有名私立大学の教授を招き、授業を展開する。
土曜日の4時間目を使って行われ、年間20回程開催されている。同校で長く進路指導部長を務め、「大学訪問授業」の仕掛け人でもある中野浩学校長は、「勉強は苦しくて大変というイメージを払拭し、勉強が楽しいと感じるにはどうしたらいいかを考えました。そして各ジャンルで顕著な活躍をしている一流の人物の話を聞いて、知的好奇心を喚起させて欲しいと実現させたのがこの企画です」と話す。
さらに「単に学力が高ければいいのではなく、この先の生徒たちの人生を豊かにするためには、知的好奇心が重要なのです」と続ける。
実際、中野学校長自身が意中の講師に講演依頼をし、粘り強く交渉を重ねて講義当日を迎える。これまで羽生善治、池上彰、坂本龍一、上野千鶴子各氏など、そうそうたる顔ぶれが登壇している。講演後は質疑応答が行われる。過去には質疑応答だけで90分に至った講師もいた。
若い生徒たちの思いに応えようという講師がいて、それを受け止めようとする生徒がいる。それは理想的な学びの場でもある。質問する高校生の姿を中学生が見て、感心していることもしばしばだ。
大学訪問授業への参加は生徒の自由だが、蓋を開けてみて驚いたのは高校3年生の参加率が高いことだったそうだ。「これはうれしい誤算でした。受験を控えてはいるものの、講義の重要性が一番わかっているのも3年生だったのです」と微笑む。
大学訪問授業の内容はテーマ別に構成され、書籍として刊行。生徒たちの進路選択に向けた貴重な資料となっている。
最後に中野学校長は高校受験に臨む中学生に「高校の3年間で、一生続けられる好きなことを探してほしい」とエールをくれた。
(よみうり進学メディア編集部)
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