春日部共栄高校男子バスケットボール部を訪ねました。
運動部では水泳部、野球部、陸上部、男女バレーボール部、文化部では吹奏楽部と全国レベルの強豪部活が多い学校ですが、その中で男子バスケはこれからの部活と言えそうです。
取材当日はフィジカルトレーニングの日に当たっていました。ボールはまったく使わず、約3時間の練習はすべて体づくりに費やされました。週1でこのような日があるとのことです。
見るからに辛そうな練習ですが、総勢40人を超える部員たちから笑顔が消えることはありません。そう言えば、体育館の一角には「明るく、楽しく、かっこよく」という標語が掲げられていました。苦しい練習も、皆で声をかけ合い励まし合いながら乗り切ろうという姿勢が全員に浸透しているようです。
顧問の師岡浩紀先生(地歴公民科)は、この日校務の関係もあり体育館にいる時間の方が少ない状態でした。しかし、キャプテンはじめ上級生がリードし、監督不在をまったく感じさせない練習が展開されていました。師岡先生は「監督・コーチがいなくても練習ができ、勝てるチームを目指してきた」とのことですが、選手たちはその理想を見事に実現していました。
師岡先生は小学校時代のミニバスから始まって高校・大学、さらには社会人(実業団)チームと華麗な経歴をお持ちですが、部の運営にはご自身の選手経験よりも、大学院で研究した人事管理等を応用しているようです。
当初、監督が細かく指示を出すトップダウン型だった時期もあったと言いますが、これでは本当に強い組織はできないというのが自身の研究から得た結論でもありました。そこで時間をかけて指示待ちからの脱却をはかりました。上級生全員に係を割り当てるなどして全ての部員が主体的に部と関わるような仕組みを作って行きました。当初は部員からの反発もあったようですが、今ではこうした方針を理解して入部してくる生徒がほとんどになりました。
強豪ぞろいの東部地区において確固たる地位を確立し、関東、そして全国を目指します。
(よみうり進学メディア編集部)