今年4月、創立100周年を迎えた立川女子高校。記念すべき年を祝う装飾がキャンパスを彩り、校内は祝賀ムードに包まれている。今年からは新しい制服も導入され、生徒たちは自分らしいスタイルでの学校生活を楽しんでいる。
落ち着いた環境の中、生徒たちは学業や部活動に真剣に取り組みながら、将来への一歩を踏み出している。なかでも演劇部は、都大会、関東大会、そして全国大会へと進出する実力派。都内でも高い評価を受けるこの演劇部の魅力について、副部長のKさん(3年・北区立滝野川紅葉中学校出身)に話を聞いた。
活動は週3日。春の新人フェスティバル、9月の文化祭、10月の全国総合文化祭に向けた地区予選などに向けて稽古に励んでいる。
今年は8月末の100周年記念式典のステージも控えており、その準備も進めているという。
「筋トレや発声練習、部オリジナルのエクササイズなど、見た目は運動部と変わらないくらいきついです」とKさんは笑う。文化祭で上演する台本は、生徒が自作し、顧問の先生のアドバイスを受けながら完成させる。現在は即興劇を取り入れ、部員たちとアイデアを出し合っている最中だ。
一方、全国総合文化祭に向けた脚本は顧問の先生によるオリジナル。女性問題をテーマにした作品が多く、女子高生が演じることで、観客の心に届く表現を目指す。演出や舞台美術なども、すべて部員たちが協力して作り上げている。
Kさんは「演劇部での経験が、授業中の発表や進学のための面接練習でも自信を持って臨めるようになった」と語る。演技について、最初は恥ずかしさもあったが、真剣に取り組むことで自然と消えていったという。
無遅刻・無欠席を貫き、「自分を育てたい」という思いで活動を続けてきたKさん。部員全員が同じ思いで動くのは難しいが、「良い舞台をつくりたい」という気持ちは共通している。先輩後輩の垣根を越えたアットホームな雰囲気が、率直な意見交換や良い作品づくりにつながっている。
2025年9月21日の文化祭「撫子祭」では、演劇部のステージも上演予定だ。彼女たちの真剣な舞台に、ぜひ足を運んでみてほしい。
(よみうり進学メディア編集部)