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東京 高校レポ
2020.9.16
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東京成徳大学高等学校(東京都北区) 学力支える人間的成長 主体的で深い学び原点は「ビッグロック」

学力支える人間的成長 主体的で深い学び原点は「ビッグロック」

東京成徳大学高校(木内秀樹校長、普通科・共学)はまもなく創立百周年を迎える伝統校です(1926年創立)。
同校は「ビッグロック」(後述)を合言葉とする独創的な生き方指導が注目され、年々その評価が高まっています。
結果として大学合格実績も堅調に推移し、その点でも注目を集めています。
今回は、変化の激しい時代の教育はどうあるべきか。その答えを求めてチャレンジを続ける同校の現在(いま)を報告します。

強い意志はどのように育まれるか

皆さんは同校パンフレットやホームページで、しばしば「ビッグロック」という単語に出会うでしょう。直訳すれば「大きな岩」ですが、この場合「岩」とは、あなたにとって一番大切なことという意味になります。
一番大切なことを最初に手に入れなさい。そしてそれを心の中心に置きなさい。「ビッグロック」はそのような教えです。
では、最初に手に入れるべき一番大切なこととは何でしょう。それはたとえば、「志(こころざし)」、あるいは、「学ぶ目的の明確化」、「自分とは何かの発見」などです。
「ビッグロック」は、目標とか計画よりも、もっと手前にあるものです。
「どこの大学に入りたいですか」。そうした目標は大事です。しかし同校では、「なぜですか、何を学ぶためですか」と問います。いや、それ以前に「そもそもなぜ学ばなければいけないのですか?」「なぜ人は生きるのですか?」と問いかけます。
少し遠回りのような気がしますが、そこから入ることによって、目標や計画がはっきりし、実現の可能性が高まります。
同校では目標をあきらめたり途中で投げ出したりする生徒がいないといいます。それは心のど真ん中に「ビッグロック」が詰まっているからでしょう。

時代を先取りした「深い学び」

「主体的・対話的で深い学び」。これは新しく改訂された学習指導要領に見られる言葉で、これからの学習のあるべき姿を示したものです。
しかし、ここに示された「主体的」あるいは「深い学び」は、同校にとって決して目新しいものではありません。
同校が独自に開発した学習プログラム「自分を深める学習」がスタートしたのは、かれこれ17年前ですが、ここで目指したのが正に新指導要領が言う「主体的・対話的な深い学び」だったのです。
同校の先進的な取り組みに時代が追いついてきた感があります。

オリジナリティあふれる取り組み

同校の特色ある教育プログラムの中から、2つほど紹介しておきます。

■戸隠高原での校外合宿
今年は新型コロナの影響で中止となりましたが、例年、1年生の夏に「自分を深める学習」の一環として合宿を行っています。
よくある勉強合宿ではありません。豊かな自然に囲まれ、友達と徹底的に語り合います。「友情とは」、「愛とは」、「生きるとは」、「自分とは」…
中学時代はあまり考えなかったことかもしれません。考えたとしても、人前で話すことはなかったでしょう。でも、教室を離れ、両親からも離れたこの環境ならそれができるのです。
一見進路指導とは何の関係もないような気がしますが、この合宿で生徒たちは学ぶ目的をしっかりと心に刻み込みます。

■DDR(Discussion & Discovery Room)
ネイティブの英語の先生が常駐する部屋を同校ではこう呼びます。
英語4技能の伸長を支援するために設置されたものです。
DDRには多くの生徒たちが訪れ、外国人の先生方と気軽に会話したり議論したりします。こうした日常的なコミュニケーション活動を通じて英語力が向上し、異文化への理解も深まります。
最近では留学相談に訪れる生徒も多いようです。

オンライン授業に新たな可能性

以前から先生たちの授業力向上には積極的に取り組んできましたが、新型コロナ感染症による臨時休校が長期化する中で、いわゆるⅠCT教育が一気に加速しました。
休校期間中のオンライン授業では、動画視聴型ではなく、コミュニケーション重視の双方向型にこだわりました。毎朝SHRもあり、面談なども行われました。
6月中旬から通常登校・通常授業に徐々に復帰しましたが、この数か月で先生も生徒も新しい学習スタイルに習熟すると共に、新たな可能性も発見できました。今後は教室での授業や、生徒個人の家庭学習でも継続的に活用して行く予定です。

文「部」両道で難関大学突破めざす

文「部」両道。
いわゆる文武両道のことですが、同校では、部活動の意義をより強調する意味で「武」の代わりに部活動の「部」の字を当てています。
部活動への加入は強制ではありませんが積極的に勧めており、約85%の生徒が運動系(22部)・文化系(20部)のいずれかに参加しています。
人によっては生徒会活動や学校行事に力を注ぎますが、同校の目指す文部両道にはこれらの活動も含まれます。
文と部は相乗効果を生みます。
文で得た主体的で深い学びは、部での技術追求に生かされます。部で得た体力と精神力は、文での最後の頑張りで生かされます。
生徒たちは両方のバランスをうまく取りながら、楽しく充実した日々を送っています。
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