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埼玉 高校レポ
2020.12.3

東京農業大学第三高校(埼玉県東松山市) 特集注目校の進路指導・進学実績 脱附属 幅広い進路実現めざす

他大学進学が主流

同校は関東に3校ある東京農業大学附属高校のうちの一つです。

附属高校なので東京農業大学に優先的に入学でき、今春も94人が同大学に入学しました。

ただ、同大学はバイオ研究や環境、食糧等の分野でわが国最先端を行く大学ではありますが、基本的には理系(特に生物系)の大学であり、文系学部はありません。また理系でも理学・工学系の学部はありません。

したがって、同校の進学指導では、他大学進学の実現が大きなテーマとなっています。そして、生徒の進路希望の多様化が進んだ現在、むしろ他大学進学がメインというのが実情です。

国公立倍増を目標に

今春大学入試では、国公立合格者は15人でしたが、神山達人校長は、「30人以上は出したい」と目標を掲げています。

合格者を増やすためには受験者を増やさなければなりません。東武東上線などで都心に直結しているため、通学に便利な都内私立に目が向きがちなので、この傾向をどう変えて行くかが課題となりそうです。

私大では早慶上智理科大、GMARCHすべてに合格者を出しているので、今後は合格件数を2倍、3倍と増やすことが目標となります。

学内完結型学習体制を確立

同校では現在、改革の3本柱として「大胆なグローバル化」、「実学で真の力を育てる」、「学内完結型学習体制」を掲げています。

このうち、大学進学に深く関わるのは3本目の「学内完結型学習体制」で、大学合格に必要な学力を、授業を中心とした校内学習のみで身につけさせようという考え方に基づくものです。

授業の充実はもとより、放課後の課外講座、長期休業中の講座や合宿でやる気と学力を高めます。

3年生・福島さんは、「塾や予備校に通うのに比べ、費用だけでなく,移動などの時間がかからないため、気持ちに余裕が生まれ自分のペースで勉強できるので助かっています」(同校パンフレットより)と述べています。

創立者から続く実学の伝統

東京農業大学及び附属校には、創立者・榎本武揚以来の実学の伝統があります。実学とは実際に世の中のためになる知識や技術のことです。日々の学習や行事の中に、こうした伝統が生きているのも大きな魅力です。

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