伊志田高校は小田急線愛甲石田駅徒歩7分ほどのところにある。取材当日はあいにくの曇り空で、いつもなら間近に見えるであろう丹沢の山並みは雲に隠れている。
今回は、夏休みに入り、静まり返った校庭に蝉の鳴き声が響く、山岳部を訪問した。
「部員は現在33名です。中学までは水泳部でしたが、高校見学の部活動体験のときに、校舎壁面の奇妙な壁(クライミングウォール)に興味を抱き入部しました」と、2年の北野敦也さん(伊勢原市立伊勢原中学校出身)が入部の動機について話してくれた。
「部活動はクライミングと、山登りの実学と座学が基本です。現在はコロナ禍で、毎年行う3泊4日の夏山合宿は出来ませんが、今年の5月に丹沢を登った際には、暑さでバテ気味の時でも仲間と励ましあいながら登ったことや、下山の際に立ち寄った温泉で先輩や仲間たちと分け隔てなく話すことができ、絆を深めることが出来ました」、と山岳部の魅力について北野さんは語ってくれた。
続けて、クライミングの3つの競技について教えてくれた。壁をよじ登るボルダリング、登る速さを競うスピード、様々な制約があるなかで、時間内に到達した高さなどを競うリードに取組んでいると言う。
現在は、校内に設置されていたクライミングウォールは校舎改装中で撤去されてしまったため、ボルダリングジムなどの施設を利用して練習を行っているそうだ。
山岳部顧問の久保村知彦先生は、「コロナ禍で実際に山に行く機会が減っていますが、GPS機能や天気予報アプリに頼らなくても良いように、気象や地図とコンパスの使い方など、登山に必要な基礎的な知識、また応急手当、テント泊時の料理なども学びます」と話してくれた。
北野さんは、卒業後は大学進学を目指し、将来は鉄道関係の仕事に就くことが目標だそうだ。新型コロナの影響で、クラブ活動が制限されている中でも高校生たちは日々の活動に精一杯汗を流している。
ボルダリングの練習風景
高松山山頂にて(今年5月の日帰り山行にて)