西武台高校の部活といえば、真っ先に思い浮かぶのがサッカー部。今回紹介するのはハンドボール部です。失礼ながら「無名」です。某高校ハンドボール部顧問に、たまたま今回の取材について話をしたところ、「えっ、ハンド部まだあったんですか?」と言われました。そういう存在だったのです。それもそのはず、実は昨年まで男子部員ゼロ、女子部員が数人という消滅寸前の状態に陥っていました。
しかし、そんなハンドボール部に救世主が現れました。同部OBの齋藤航介先生(24)によって大転換を迎えたのです。
大量32人の新入部員も経験者ゼロ
齋藤先生は昨年4月、大学卒業後、母校に英語教師として戻ってきました。当然ながら、部の再建は卒業生でありOBである齋藤先生に託されることになりました。
すると、1年間の準備期間を経た今年4月、なんと32人もの1年生が入部。これで再建への足がかりができました。ただし全員がハンドボール経験なしの初心者です。
しかし「初心者といってもみんな運動経験者で、半数はサッカー経験者です」と齋藤先生。
なるほど。たしかにハンドボールはもともとサッカー(フットボール)から派生した競技なので、ルールは別として、要求される身体能力やスキルに関しては共通点が多いのかもしれません。ハンドボールは「空中の格闘技」と言われるほど接触プレーが多い競技なので、フィジカル面の強さは武器になりそうです。
先生と先輩、一人二役でチーム作り
上級生がいないぶん、多くの試合経験が積めるのがオール1年生チームの利点です。おそらく上達も早いでしょう。
その一方で技術面や、部活への取り組み方などの面でお手本になる先輩がいないことは、チームや選手の成長を妨げることもありえます。部活では先輩に学ぶことも多いものです。そこで齋藤先生は「当分の間、時には先生、時には先輩という一人二役でチーム作りを進めて行くつもりです」と、自身の決意を語ってくれました。
発展途上、2年後が楽しみなチーム
埼玉県の高校男子ハンドボール界では浦和学院が圧倒的な強さを誇り、強豪校は県の東部・南部に集中しています。西武台が属する西部はその点やや手薄なので、まずこの地域での常勝チームを目指します。来年の夏も、再来年の夏も、今のメンバーが残ることを考えると、期待が広がります。
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