令和新時代にふさわしい新しいタイプの共学校に
創立77年の男子校・横浜が、来春から女子を迎え入れ共学校となる。
2016年に共学化が発表されて以来、「一体、どんな学校に生まれ変わるのだろう」と市内・県内はもとより、全国から注目を集めてきた。
今回は、来春入試に向け、共学化の全体像が明らかになってきたので、新しいタイプの共学校づくりに意欲的に取り組む「横高の現在(いま)」を紹介しよう。
新ミッションは「グローバル人財の育成」
横高は生まれ変わる。
しかし、これはただ女子を受け入れるというだけではない。将来を見通した壮大な教育改革であり学校改革なのだ。
共学化に関心が集まるのはやむを得ないところだが、共学化それ自体は、大きな改革を構成する一つのパーツに過ぎない。重要ではあるがそれが全てではなく、一部である。そういう視点を持たないと、横高が目指すものが正確には見えてこない。
新たなミッションとして掲げたのは、「社会で活躍できるグローバル人財の育成」だ。
「人財」は「人材」でもいいが、人を「財産(たからもの)」として見ようということから「財」の字を当てた。
これからの時代、否応なく世界と向き合わなければならない。地球規模でものごとを考えられる人に育ってほしい。世界で活躍できる人に育ってほしい。そんな願いを込めた新ミッションだ。
進学視野に米国大学と高大連携
新ミッションを実現するために3つの柱を立てた。
「グローバル」、「深い学び」、「ライフデザイン」だ。
順に説明して行こう。
まず「グローバル」。
特に注目したいのは米国大学との高大接続提携だ。
海外大学に留学する時代から、進学する時代へ。これからは海外の大学に直接進学することも選択肢に加わるだろう。そうした観点から海外校との連携を積極的に進めている。
現在、米国4大学と提携を結んでいるが、これを利用すれば留学だけでなく進学も可能になる。
海外校との連携は今後もさらに他国へ拡大する予定だが、横高では、現地調査から交渉まですべてを先生方が独力で行っている。
先生方が率先して「グローバル」を実践しているところが実に頼もしく、そこに学校としての「誠意」と「本気」が感じられる。
「深い学び」を支援する学習環境
次に「深い学び」だ。
コースは「プレミア(特進)」、「アドバンス(文理)」、「アクティブ(特性)」の3つが用意されている。
授業時数などはそれぞれ異なるが、共通するのは「深い学び」で、それを可能にするための施設(自習室など)や、設備(Wi-Fi環境など)は万全だ。
「アドバンス(文理)」には1年次からの「グローバル・セレクト」、2年次からの「グローバル・パスポート」という選抜授業(希望制)が設定され、ネイティブによる高度な英語授業が週4時間受けられる。
最後に「ライフデザイン」。大学進学など希望進路を実現するためのシステムだ。放課後は夜9時まで学校に残って勉強できる。京急本線「能見台」駅から徒歩2分という抜群の立地だからこそ、このようなことが可能になる。
リノベーションで快適性・機能性向上
横高では、共学化に備えて数年前から校舎や施設・設備のリノベーションを進めてきた。
リノベーションとは大規模な改修工事のことだが、これによって横高は、ほぼ新築と言ってもいいほどに生まれ変わった。古い卒業生が訪れたら、「これがわが母校か」とさぞ驚くことだろう。
至るところに女子生徒を意識した配慮や工夫が見られるが、それは当然のことだ。
むしろ注目すべきなのは、学習の場としての快適性や機能性をとことん追求した大改修である点だ。
説明会等で学校を訪れた際は、設計の思想にも思いをめぐらせてほしい。思想が分かりにくければここでは「思いやり」と置き換えてもらっていい。天井・床にも、照明にも、先生方の生徒を思いやる気持ちがあふれている。そのことを感じ取ってほしい。
共学一期生への期待 一緒に学校づくりを
共学一期生の女子は、行事や部活で女子の先輩がいない3年間を過ごすことになる。教えてくれたり助けてくれたりする先輩がいないのは少し不安だ。
だがその一方で、一期生には、先生方や友達と一緒になって、学校を作って行くという楽しみもある。
たとえば部活にしても、ダンスやチアリーディングなどの新設は決まっているが、条件さえ合えば、その他の新しい部活を作ってもいいようだ。
また、食堂のメニューなども、女子向けはただいま考案中というから、女子一期生のリクエストが取り入れられる可能性がある。
校則も女子受け入れを機に全面的に見直すそうだ。
ちなみに、Wi-Fiのある横高では個人のスマホや携帯の校内持ち込みや使用が認められている。ルールとマナーを守って、学習に積極的に活用すべき時代だというのがこの学校の考え方だ。
(PR)