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2024.3.15

女子美術大学付属高校(東京都杉並区) 「実技試験」ポイント解説-2024年度入試

2024年 女子美術大学付属高校 美術/実技試験(一般入試)

■〈水彩〉制作のポイント

・安定した構図・形や明暗を捉える・筆触を活かし、絵具をたっぷりと塗る
・仕上げは細い筆で描写を心がける
・塗り残しなく、画面の端や四隅まで気を配って仕上げる

 

■優秀作品(濃淡を使い分けした絵画性の高い作品)

安定した構図をとり、形態もしっかりと捉えています。たっぷりの絵具を使い、筆跡を意図的に残しているところや、水彩絵具の濃淡を上手に使い分けているところに高い絵画性を感じる作品です。鮮やかな色やそれぞれの質感など、モチーフの持つ様々な特徴を理解し描写できています。互いに影響し合う反射の色が空間表現に繋がり、文字や模様などの細部の描き込みも効果的です。

 

■平均的作品(モチーフが小さい作品)

絵具もしっかりとのり、正確な色相表現が魅力的な作品ですが、もう一回り大きく構図を捉えられると、更に完成度が上がったでしょう。モチーフ同士の関係は、例えば白い箱に映り込む色や影を探してみると、距離感の表現に繋がりやすいです。また、最初に構図を決めるときには、実物大を目標に、すべてのモチーフを一つの塊として見るとおおよその入れ方を見つけやすいです。


■〈鉛筆デッサン〉制作のポイント

・安定した構図・観察を丁寧に行い、形を正確に描く
・明暗やモチーフの質感を追求する
・細部の描写、空間表現を意識し仕上げる

■優秀作品(例)

モチーフ全体を一つの塊と捉えた構図が、説得力のある作品です。個々の形だけでなく、互いに関わり合う微妙な角度も正確で、安定した状態で質感表現に移行できていることが伝わります。固有色の明度の描き分けも丁寧です。上の箱やリボンの持つ独特な透明感も、素材をしっかり見極め鉛筆の種類を使い分けて描写しているのがわかります。細部まで気を配り完成させています。

 

■平均的作品(例)

鉛筆の濃淡で微妙なグレーを描き分けた、空間表現が美しい作品です。上の箱の折り目の捉え方が丁寧で、箱の特徴がよく出ています。下の箱は形が正確で、面の向きに沿って鉛筆の線を残し、質感表現を効果的にしていることが伝わってきます。モチーフが全体的に小さくなってしまったところが惜しいです。リボンの描き込みも、もう少し細かくできたらより完成度が上がるでしょう。

 

(女子美術大学附属高校 美術科  浜田涼先生)
女子美術大学附属高校のホームページはこちらから

(よみうり進学メディア編集部)

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