よみうり進学メディア

勉強
2025.3.24

女子美術大学付属高校(東京都杉並区) 「実技試験」ポイント解説-2025年度入試

2025年 女子美術大学付属高校 美術/実技試験(一般入試)

 

■〈水彩〉制作のポイント

・安定した構図
・形や明暗を捉える
・筆触を活かし、絵具をたっぷりと塗る
・仕上げは細い筆で、細部の描写を心がける
・塗り残しなく、画面の端や四隅まで気を配って仕上げる

■優秀作品(例)
全体的にバランスよく描けた完成度の高い作品です。画面右側が大きく空いてしまう構図ですが、大きめの筆を使いたっぷりの絵具で表情を出し、うまく見どころとしています。
それぞれのモチーフの形と大きさの比率や、テーブルやマットなどのパースが正確にとらえられていて、デッサン力の高さが伝わります。
絵具を素早く重ねて複雑な色の重なりを作っているところから、水彩絵の具を使いこなしていることもわかります。

 


■平均的作品(例)

やわらかい色使いと筆のタッチが魅力的で、絵画性の高い作品です。特に電話やガラス、レモンの明暗の描写が丁寧にできています。光や影のとらえ方は美しく、細かい筆の動きとよく合っていて、作者の視点と向き合い方が目に浮かんできます。
構図をとらえるときに、全体的にもう少しだけ左に寄せることができたらよかったです。また、箱やラベルを描写する時間が残っていたら、もっと完成度が上がったでしょう。

 


 

■〈鉛筆デッサン〉制作のポイント

・安定した構図
・観察を丁寧に行い、形を正確に描く
・モチーフ同士の大きさの比率を正確にとらえる
・明暗や質感を追求する
・細部の描写、空間表現を意識し仕上げる

■優秀作品(例)
硬軟多種類の鉛筆を使い分けて明暗の描写をしていることがよくわかります。レモンの黄色とポットの赤など、実物の色が伝わる作品です。アルバムやテーブル面の影や映り込みも丁寧に表現できています。特に明るい影の部分に、鉛筆の線を活かしているところから、確かなデッサン力を感じます。
また、接地面の表現には安定感があります。レモンのへた、アルバムの内部、ポットの蓋部分など、細部まで落ち着いて仕上げているのがわかります。

 

■平均的作品(例)
全体的に力強いタッチが印象的な作品です。的確に対象をとらえ、鉛筆の線を活かして表現しているのが好印象です。レモンなどは必要最小限の手数で描き終えていますがシルエットやポイントとなる個所をしっかりとらえています。
アルバムは難しい位置から描くことになりましたが、微妙なパースもとらえていて、安定感があります。色の薄い部分、特にアルバムの表面の微妙なグレーをかき分けられるともっと完成度が上がるでしょう。

 

(女子美術大学附属高校 美術科  浜田涼先生)
女子美術大学附属高校のホームページはこちらから

 

(よみうり進学メディア編集部)

 

☆よみうり進学メディアではX(旧Twitter)で記事更新をお知らせしています☆
X(旧Twitter)のフォローをすると、随時掲載情報が受け取れます。受験情報をお見逃しなく!
■よみうり進学メディアX(旧Twitter)はこちらをクリック
x.com@yag_ysmedia

関連記事