新型コロナウイルスによる緊急事態宣言によって加速された、家庭での学習支援。中でもICTを活用した施策が進化し続けています。
ICTとは‟Information and Communication Technology‟の略です。
ICT教育とは、学校教育において「電子機器や通信機器を使って情報・知識の交流をする」こと、または「ICT機器を使った教育」という意味になります。
昨年より実施されている「新学習指導要領」では、情報活用能力の育成と学校におけるICT環境整備、ICTを活用した学習活動が大きな柱となっています。
小学校・中学校でも「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミング」が今年度から開始されています。
高校では共通必履修科目「情報Ⅰ」が新設されており、皆さん全員がプログラミングなど基礎的なICTの概念を習うことになります。
そのための学習環境整備計画が、1人に1台のPC、高速大容量の通信ネットワークの構築など、学校ICT環境の整備を進める「GIGAスクール構想」です。計画はコロナ禍に対応するため大幅に前倒しされ、全国で着々と進行しました。
文部科学省が今年2月に発表した「GIGAスクール構想の実現に向けた ICT環境整備の進捗状況について」での速報値によると、この3月末までに全国の98.5%の自治体で整備が完了する見込みと発表されています。きっと皆さんの中学校でも1人1台、情報端末が使える環境となったのではないでしょうか。
しかしながら、導入した学校でも活用度合いや運用にはまだまだ違いがあるようで、生徒たちの学びに格差が生まれることが懸念されています。
埼玉県教育員会は、全ての児童生徒がその状況に応じて効果的に教育を受けることができる環境の整備を図るため、2021年12月に「埼玉県学校教育情報化の方向性」を策定しました。また4月にはICT教育推進課を新設。従来はICT関連の施策は学校ごとに担当が分かれていましたが、新設部署に一括することでICT活用に弾みをつけたい考えです。
一昨年の臨時休業期間をうけて、県内の公立・私立各校は、オンラインを活用した授業をはじめ、学校行事、説明会などもオンラインの利用を前提として、次々にリモートで実施しました。
環境が整った昨年は、さらに各校ごとに様々な形でICT活用が進みました。
生徒たちが授業毎に端末を使用するのは当然として、テストをコンピューター上で行うCBT(Computer Based Testing)の試用、またレポート作成などの際の万能文房具(撮る、書く、発表する)としての活用、部活動でのフォーム確認などでの活用、県外の姉妹校や海外の学校とのリモート交流などの活用も見られました。
さらに先生方も、学校を超えて優れた教材を共有するなど、教育の質を上げるための取り組みに利用したり、会議をオンラインにしたりことで校務負担の軽減を目指すなど、さまざまな努力を続けています。
いまやICTは学校教育の基盤的なツールとなりつつあります。来るべきSociety5.0時代に備え、公立私立問わず、各校ごとに工夫を凝らして運用されています。各校での工夫を、志望校選びの際に注目してみてください。
2022年5月、東京ビッグサイトで「第13回 教育総合展(EDIX)東京」(主催:リード エグジビション ジャパン)が開催されました。
これは大学、小・中・高校、教育委員会、塾・予備校、専門学校などの教職員が来場する、教育分野日本最大級のICT総合展です。教育ITソリューション、学校施設・サービス、STEAM教育、保育・幼稚園ICT化、人材育成・研修の5部門で構成されています。
会場ではICT機器をはじめ、デジタル教材、業務支援システム、eラーニングなどを扱う各社が出展し、展示やデモンストレーション、商談会などが行われました。
今年度の開催では、学校からのニーズに応える実用的な出展が目を引きました。
例えばプログラムの授業に対応するためのロボットプログラム教材、高速3Dプリンター。対面とオンラインで同時に授業を実施するハイフレックス型授業で、先生の姿を自動で追う、AI自動追尾リモートカメラなどです。
これら最新の機器を活用した、教育の更なる深化に期待します。
(よみうり進学メディア編集部)
☆よみうり進学メディアではTwitterで記事更新をお知らせしています☆
Twitterのフォローをすると、随時掲載情報が受け取れます。受験情報をお見逃しなく!
■よみうり進学メディアTwitterはこちらをクリック
Twitter.com@yag_ysmedia