A:
文面からすると英語についての質問のようにも思えますが、最近は各教科とも会話文を読ませたうえで答えさせる問題や、資料やレポートを読ませたうえで答えさせる問題が増えています。
いずれにしても、お答えとしては両方ということになると思います。
会話やレポートを読ませる問題は、ふだんの中学校の定期考査などではあまり出題されず、入試問題特有のものだと言えるでしょう。いわゆる知識の丸暗記では対応できない問題を出そうという意図が感じられます。慣れも必要ですから、できるだけ多く解くようにしてください。
問題が解けない理由は、会話やレポートを読解する力がないこともありますが、基礎基本的な知識が身についていないからでしょう。その意味では、教科書を何度も読み返し、理解を確実なものにする必要があります。ですから両方なのです。
過去問を解く際には、教科書を手元に置き、必要に応じて何度も読み返す方法をお勧めします。解答・解説や教科書を見て解いたのでは力が付かないと思われているようですが、何度も行ったり来たりしているうちに、自分のものになっていきます。最初は解答・解説や教科書の力を借りないと解けなかったものが、最後には何の助けがなくても解けるようになる。力が付くというのはそういうことです。
A:
昨年とは違うというものの、イベントの人数制限は相変わらずです。
学校説明会や各種進学イベントにおける事前予約制は、コロナ対策として広まりましたが、誰もがスマホなどでネットにアクセスできる時代になったので、アフターコロナでもこれが標準となるでしょう。受付け開始や締切りの時期を早めにチェックしましょう。
ご質問は、いわゆる合同説明会、進学フェアなどの件かと思いますので、それについてお答えします。各校が独自に開催する学校説明会については、別の質問でお答えしています。
質問内容については、これは良い、これはダメというものは特にありません。面接試験ではありませんから、疑問に思っていることや、不安に思っていることを率直に聞いてください。そのための相談の場です。
出来れば事前に学校ホームページなどを見ておくといいでしょう。それを見れば分かることを相談の場で聞くのは、お互い時間の無駄です。パンフレットやホームページに書かれていないことや、それを読んでもよく分からないことを聞くのが相談会の有効な使い方です。
A:
夏休みは多くの学校が説明会など入試イベントを開催します。この機会を利用して学校を見ておくのはたいへん良いことです。
ただし、開催日はどうしても集中しがちです。保護者の方の来校に配慮して、土曜日に開催する学校が多いようです。またコロナ以後、対面型(来校型)の場合、参加人数に制限を設け、事前予約制とするのが一般的になりました。
ですから公私合わせて4校見学するなら、早い段階で計画を立てておく必要があります。
すでに多くの学校で夏休み中の受付けが始まっていると思われるので、急いでください。
見学の際の見どころですが、まずは駅周辺や学校周辺の環境にも目を配りましょう。主として安全面に注目したらいいと思います。
施設や設備に関しては、ホール、体育館、パソコン室、自習室など学習活動に関わる部分も見なければなりませんが、学校生活に関わる部分にも注目しましょう。食堂、トイレ、個人ロッカー、下足箱などは毎日使うものですから、安全性、利便性などに着目してチェックしておくといいでしょう。
夏休み中でも部活や補講で登校している生徒が多いと思われます。部活であれば、先輩と後輩の関係や先生の指導の仕方などもそれとなく見ておくといいでしょう。
見るべきポイントが多過ぎてもいけないので、行く前にここだけは見ておきたいと思う点をメモして行くといいでしょう。
A:
安全圏と言っても、まだ夏休み前ですからね。部活も引退して、これから追い上げてくる子が大勢いますから、このまま何もしなければ、あっという間に努力圏に陥落です。まあ、そのあたりは本人も分かっているはずですから、あまり煩く言わないほうがいいのかもしれません。
ひとつ言えることは、ネガティな(否定的な)言い方よりも、ポジティブな(肯定的な)言い方の方が、効き目がありそうだということです。「勉強しないと、こんな人になってしまう」というのはネガティブ、「勉強すると、こんな人になれる」というのはポジティブです。できるだけ明るい、前向きな話をされたらいいのではないでしょうか。
社会が苦手ということですが、これについては学習法よりも、苦手な我が子に親として何がしてやれるかという視点でお答えしようと思います。
社会科は世の中のことについて学ぶ学問です。
「ウクライナ、どうなるんだろう」「参議院選挙、どんな結果になるだろう」「ガソリン、相変わらず高いね」「夏休み、どこかに旅行行きたいね」。これらは皆、社会の勉強です。教科書にはこれらの答えやヒントが詰まっています。ですから折に触れてこんな話題を振ってみると、勉強のきっかけになるかもしれません。
A:
私立の方が公立よりも大学進学指導に熱心であり、結果も出ていると見られているようですが、公立が大学進学指導に無関心であるはずはありません。ですから公立はどう、私立はどう、と単純に決めつけるのはどうかと思います。自分の性格や学力や希望に合った指導を受けられそうかという視点から学校を選ぶのが良いと思います。
指定校推薦は古くからある制度です。大学側が優秀な生徒を早期に確保するために作ったものです。真面目で学力があるのに一発勝負に弱いという生徒もいますから、高校側、あるいは受験生としても、ありがたい制度ではあります。
ただ、大学側が求める成績基準などはかなり高めになっています。したがって指定校推薦だと、一般入試や他の制度を利用した場合に比べ、ランクの低い大学に入る結果にもなりかねず、その点は注意が必要かと思います。
ある高校が、ある大学の指定校になるかどうかは、基本的には過去のその大学への合格実績や進学実績に左右されます。公立か私立か、伝統校か新進校かはあまり関係ないと思います。
近年、大学入試制度は大きく変化を見せており、「総合型選抜」「高校推薦型選抜」といった制度も導入されています。指定校推薦だけにこだわらず、これらも含めて検討した方が、選択肢が増えるのではないかと思います。
A:
併願優遇は東京都の私立高校で行われているものです。すべての私立高校が行っているわけではないので注意が必要です。
都立高校受験者が私立を併願する場合、多くは一般入試の併願優遇制度を利用します。
「優遇」という言葉からも分かるように合格の確率は非常に高いですが、試験ですから100%ということはありません。試験はしっかり準備し真面目に受けてください。
出願に当たっては条件があります。特に重要なのが学力基準で、いわゆる内申点が主に用いられます。「5教科の評定合計が〇以上」、「9教科の評定合計が〇以上」といったものです。同じ高校でも学科やコースごとに異なることがあります。「9教科に1がないこと」などの条件が加わる場合もあります。その他、出欠状況などが条件である場合もあります。
学校や学科・コースにもよりますが検定などの取得状況により、内申点に加点される場合もあります。
検定などについて有利か不利かという話をするなら、不利になることはありませんから取得を目指すのは悪いことではありません。ただ、加点されるとしても「英検〇級以上で加点1」という程度が一般的なので、受験作戦としては、学校の勉強を頑張って教科の評定を1点上げるのがいいか、検定に合格して1点加点を目指すのがいいかという比較になると思います。
(回答者:教育ジャーナリスト 梅野弘之)
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