悔いのない学校選択に、体験入学は必須
公立高校の募集人員が発表され、間もなく入試要項と各校の選抜基準が発表される。
令和2年度では、大きな入試変更はないと見られる。
夏休みには、各高校で体験入学や学校説明会が予定される。
部活の仕上げに、勉強に、志望校の選択に、計画を立て。悔いのない夏を過ごそう。
7月の読売新聞社さいたま支局主催の「彩の国進学フェア」など、各地で公・私立高校の進学フェアにも参加しておきたい。
高校を知るには、行って、見ることから
夏休みを境に、受験に必要な学力を付け、志望校の選択時期が到来する。
5月には県内私学、6月には、公立高校の学校説明会・体験入学等の日程が発表されている。
また、7月には、「彩の国進学フェア」と埼玉私学フェア・熊谷が、8月には、都内私学の私学展が竹橋の科学技術館で実施され、埼玉私学フェア大宮・川越が実施される(注1)。
話を聞いてみたい学校を絞り、聞くポイントをまとめてから参加してみよう。きっと有意義な一日が過ごせるはずだ。
形式は様々だが、説明会や相談会、施設見学会、体験入学、部活体験など、秋の文化祭とあわせて、受験生に学校を知る機会を提供する学校は多い。 そんな機会に、高校での生活に触れ、志望高校を見つけていって欲しい。
注1・各種フェアへの参加者は、1・2年生も年々増えている。
来春の公立・全日制の募集人員は760人減に
公立高校の募集人員が発表された。
現在の中学3年生は、前年より約1,080人減少する(30年度学校基本調査)。このため、発表された公立高校全日制の募集人員は19学級760人の減少になっていた。
大宮光陵が1クラス40人増の募集になるが、杉戸・深谷など県立高校20校で1学級40人の募集減となった。また、熊谷商業の商業科・情報処理科が総合ビジネス科に学科転換される。
全体で定員の増減は21校に及ぶ。定員の変化は、該当する学校の倍率だけでなく、近隣の競合校の倍率にも影響するようだ。
今後の受験生の動向に注意が必要だ。
令和2年度の全日制課程の定員の増減
募集減 上尾橘、岩槻商業・商業、岩槻北陵、浦和工業・電気、桶川西、北本、栗橋北彩、鴻巣女子、児玉、狭山工業・電気、白岡、杉戸、誠和福祉・総合、鶴ヶ島清風、飯能南、深谷、富士見、ふじみ野、三郷、和光
募集増 大宮光陵
公立の、入試要項と入試選抜基準を理解して
7月上旬には、公立高校の令和2年度入試の入試要項と各校の選抜基準が発表される。
また、私立高校でも夏休み前までに、学科・コースや類型の変更や、単願、併願などの入試制度、制度の基準が決定される。
関心がある高校の教育内容や、部活、選抜基準などを研究し、具体的な学力や評定などの目標値を持って夏休みに備えてほしい。
私立高校の内容は、進学フェアや学校説明会で話を聞いておきたい。
入試問題の研究は、夏休みから
公立高校の入試問題の出題の基本方針と出題範囲などが発表されたが、前年と変更はない。
選択問題採用校は、前年と同じ21校となった
入試問題は、まだ習っていないと勘違いして、入試直前に解く人がいる。
しかし、一般問題も学校選択問題も1・2年生の学習内容から多く出題される。今の時点で、全問解く必要はないが、作図や証明、作文など早い時期に、見て、研究しておくことは重要だ。
調査書は、重要な選抜の資料
公立高校の入試では、各学校が定める基準によって、項目ごとに点数化される。学力検査と一定の比率で加算され、選抜に使用されることになる。
調査書には、中学校での3年間の成績(各教科の評定)、総合的な学習の記録や、選択教科の評定、生徒会や学級活動、部活動の実績、出欠の記録、その他‐英検や漢検の取得級位‐など中学校での活動が記載される。
特に、選抜で重視されるのが各教科の評定だ。学期ごとに学校から渡される通知表(注2)は、学期ごとの成績であることと、評定の基になる観点別評価が記載されているが、調査書は、3年間の総合成績が記載される。調査書の3年次は、4月から12月中旬までの成績ということになる。
注2・学校によって名称が異なる場合がある。
調査書の評定については、12月中旬以降に、希望者は、担任の先生から口頭で、教えてもらえる。また、1月には、調査書と同一内容の「通知書」が発行され、志望校を決める際の参考にできるようになっている。
調査書対策、ここがポイント
各教科の評定は、観点別評価を基にして決定される。観点別評価の、1番目の「興味・関心」に注目しておきたい。日々の授業に臨む態度、宿題の提出などは、重要な評価の対象となるのだ。最後の「知識・理解」については定期テストが大きなウェイトを占める。
それ以外の項目は、授業に集中して参加できたかなどが評価される。
各観点のA評価の多いほうが高い評定になるようだが、C評価は厳しい。
通知表の観点別評価に注目して、各教科の評定との関係をチェックしておきたい。C評価がある場合には、必ず原因を追及しておこう。
各教科の評定をあげるためには、これから受験まで、中間テストや期末テストだけでなく、日々の授業も真面目に、積極的に取り組む必要があるということだ。