受験生の夏、計画を立てて一歩ずつ進め
説明会に参加して志望校と巡り合おう
いよいよ1学期も後半、受験生の夏が到来した。
都立・私立高校のホームページなどで、学校説明会・体験入学等の日程が発表され始めている。
コロナ感染症予防のため、申し込み制や定員制になったり、ネットでの参加になるなど制約は多いが、ぜひ参加しておきたい。
3年生は部活の大会、定期テストや各種検定試験など落ち着かない日々が続くが、いろいろな機会を生かして情報を集め、高校生活を体験して、自分を伸ばしてくれる学校と巡り合ってほしい。
入試問題の研究を始めることも入試対策
6月末に都立高校の一般入試の学力検査結果が発表された。
国語は33,919人、数学は33,918人、英語は33,704人、社会と理科は37,950人の平均となっている。(学校独自問題での実施を除く)
国語68・8点(72・5)
数学59・0点(53・3)
英語61・1点(54・1)
社会49・2点(54・6)
理科61・4点(47・8)
※( )は前年度の平均
5教科合計では前年度より17・2点上昇し、299・5点となっていた。
理科が13・6点、英語が7点、数学が5・7点上昇し、社会が5・4点、国語が3・7点下降していた。
3年度入試では、コロナ禍での長期の臨時休校があり、入試範囲では3年生後半の分野が除外されたことや、新たに「考え、気づくこと」が求められる問題が増えていることなど、入試問題の変化があったと考えられる。
学力検査問題の平均点は、これまで国語は65〜70点、他教科は55〜60点になることが多く、作問の目標点のようだ。
前年からの新分野に注目、英単語の量は増加に
前年に教科書改訂があり、数学では中1の単元で「累積度数・累積相対度数」、中2で「箱ひげ算」「四分位数・四分位範囲」「反例」などが加わった。英語では、単語数が増加するとともに「感嘆文」「仮定法」「原形不定詞」「現在完了進行形」が、理科では、「ダニエル電池の実験」が加わるなどの変化があった。
5年度入試で新たに加わる分野はないが、英単語は増加する。
新たに加わった分野を見直しておくとともに、私立高校の入試で、SDGs(エスディジーズ—国連で決められた持続可能な17の開発目標)に関連した問題が出題され始めていることにも注意が必要だ。
今から夏休み期間中に、入試を意識した1・2年生の復習に取り掛かっておきたい。計画を立てて家庭学習を進める時期にさしかかっている。
入試制度の理解が高校入試の第一歩
都立全日制の第一次・分割前期(以下一般入試)の学力検査では、共通問題で実施する学校はマークシート方式となる。
また、学力検査と調査書の比率は7対3(分割後期、二次募集は6対4)となり、実技系教科の調査書点は2倍にされる。
進学指導重点校グループと進学重視型単位制高校グループでは、国語・数学・英語の3教科の入試問題は自校作成の形(一部共通テスト問題も可)となっている。5年度では、併設型中高一貫校の白鴎高校が高校募集を停止する。
6月に発表された都立高校の入試日程はほぼ前年を踏襲しているが、推薦、一般入試の出願については、インターネット出願が検討されている。
(第一次の都立国際・IBコースの出願は持参)
【推薦】
出願 1月12日〜18日
受験 1月26・27日
合格発表 2月2日
【一般】
出願2月1日〜7日
受験 2月21日
合格発表 3月1日
私立高校でも学校ごとに異なる、推薦や併願優遇などの制度の具体的な内容や、その基準が決定し、説明会などで告知が開始されている。
都立高校の選抜基準や私立高校の入試制度を研究すること。各教科の評定や学力は、「自分なりの目標」を定めること。
さらに、それを達成するための努力をすることなどが、今後の皆さんの夏の課題となるだろう。
■都立高校入試日程について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2023年度入試〉東京都 都立高「入学者選抜の日程」‐令和5年度
工業高校が校名変更、今後の技術革新に備える
これまでの工業高校15校を「技術革新やICTを活用して起こす変革」を視野に、全日制・定時制ともに工科高校と名称変更することが発表されている。
蔵前工業→蔵前工科
隅田工業→隅田工科
中野工業→中野工科
杉並工業→杉並工科
荒川工業→荒川工科
北豊島工業→北豊島工科
練馬工業→練馬工科
足立工業→足立工科
葛西工業→葛西工科
府中工業→府中工科
町田工業→町田工科
多摩工業→多摩工科
田無工業→田無工科
本所工業→本所工科
小金井工業→小金井工科
校名変更は、5年4月からとなるが、今後の技術革新に備え、企業との連携を深めたり、IT系の新しい学びを推進していくとしている。
■工業高校の名称変更について詳しくは:よみうり進学メディア
東京都 「都立工業高等学校の名称変更について」発表-令和5年度
私立学校展に参加して情報収集も
7月10日に東京経済大学で私立中学・高等学校74校が参加する西地区の進学相談会が実施される。また、8月20・21日に東京国際フォーラムで全校が参加する進学相談会が予定されている。(共に東京都私立中学高等学校協会主催)
それぞれ予約制ではあるが出来るだけ参加して、私学の情報をゲットしておきたい。
あらかじめ気になる学校をリストアップして、知りたいことをまとめておくことを勧めたい。 有意義な一日が過ごせるはずだ。
受験生の夏といわれるが、受験生のもうひとつの課題は、自分に合った、伸ばしてくれると確信を持てる志望高校と巡り合うことだ。
計画を立てて、夏に伸びよう
夏休みを境に、受験で最も重要な時期に突入していく。9月になれば、私立高校の推薦入試が開始される1月22日まで140日余りしかない。
また、実力養成をしながら定期テストや会場テスト、校内実力テスト、各種検定などを受け、さらに各高校の体験入学や説明会に参加し、志望校を見つけるなどの重要な事項が控えている。
3年生の夏は忙しい。
新型コロナ感染症がまだ治まっていないが、普段からの生活や健康に留意し、学力の向上と志望高校の選定を意識して、これからの日々を過ごしていってほしい。
(岩佐教育研究所 岩佐桂一)
☆よみうり進学メディアではTwitterで記事更新をお知らせしています☆
Twitterのフォローをすると、随時掲載情報が受け取れます。受験情報をお見逃しなく!
■よみうり進学メディアTwitterはこちらをクリック
Twitter.com@yag_ysmedia