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ごく大ざっぱな話になりますが、偏差値を10上げるには5教科500点満点の模試で、200点を300点に、300点を400点にという具合に今よりも100点ぐらい多く得点する必要があります。ですから、残り8か月から9か月でこれを実現するのはかなり難しく、もし実現すれば「奇跡」と言ってもいいくらいです。
ただ、先生がまったく実現の見込みがないアドバイスをするはずはありません。先生は、あなたにはそれが出来るはずと考えているのでしょう。励ましの言葉と受け止めましょう。
「奇跡の偏差値アップ」を目指すなら前半が勝負です。前半とは具体的には夏休み終了時点までです。
偏差値を前半に5、後半に5上げるというような目標の立て方は勧められません。前半に7、後半に3というように、前半重視型でいきましょう。前半は、まだのんびり構えている人が多いと思われますが、後半になるとみんな頑張り始めるので、やるなら今です。
得意な教科や好きな教科があれば、そこから手を付けるのがいいでしょう。その方が結果は出やすいからです。いずれ苦手教科や嫌いな教科にも取り組まなければなりませんが、目に見える結果が出れば弾みがつきます。何とかやれそうだという自信も生まれてくると思います。
入試問題は各学年の内容から出題されるので、1年2年の内容に不安がある場合は、1日も早く復習に取り組みましょう。その成果は必ず次の模試で結果となって現れるはずです。
■「偏差値」について詳しく知りたい場合は:よみうり進学メディア
「偏差値ってなに?」志望校選びに生かす偏差値 その1
「偏差値ってなに?」志望校選びに生かす偏差値 その2
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保護者の皆さんが高校生だった時代に比べると、学費に関する公私の差はかなり縮まっています。国の支援金や地方自治体による助成金などが充実してきたからです。ただし、そうは言っても、やはり私立の方が何かと出費が多いと思われるので、費用負担という点から公立を第一とするのはひとつの考え方ではあると思います。
施設設備に関しては、一般的に私立の方が整備されていると考えられています。しかし、最新設備を整えた公立がある一方、老朽化が進んだ私立もあると思われるので、学校見学などでご自身の目で確かめることをお勧めします。
大学進学についてですが「私立高校なら現役、公立高校だと浪人(が多い)」という前提でお考えのようですが、いったんこの考え方は脇に置いてください。
かつてはそのような傾向があったかもしれませんが、近年の生徒や保護者の皆さんの現役志向の高まりを受けて、公立高校も現役合格指導を強化しています。私立高校との対抗上、そうした変化が求められているとも言えます。一方私立高校の方も、あくまでも一般論でありますが、難関大学挑戦者が増えれば増えるほど一定割合の浪人が出てしまうのは避けられません。
結果数字(合格件数)を見るだけではなく、それぞれの学校がどのような方針に基づき、どのような進学指導をしているかをしっかり聞くことが重要です。その中で、ご家庭のお考えやお子さんの性格にいちばん適した学校を選んで下さい。
■「国の支援金や地方自治体による助成金など」について:よみうり進学メディア
【特別版】高校入試・受験情報 「読んでおきたい『リンク集』」- 受験生の疑問や不安にこたえます!
⇒ページ内の「10:私立高校などの授業料支援制度について(保護者の方へ)」をご一読ください。
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疲れて勉強できないなんて弱音を吐いているようでは試合にも勝てないと思います。
中高一貫校なら別ですが、中学3年生で部活を頑張っている人は、みんな最後の大会に向けて必死でしょう。そして、その一方で受験に向けての勉強を頑張らなければならないのもみんな一緒です。
そのうえでアドバイスしますが、さしあたり学校から帰って来てから翌朝学校に出かけるまで12時間あると仮定してみましょう。個人差はあると思いますが、夜7時に帰って来て朝7時に出かける計算です。
まず睡眠8時間をキープします。成長期にある皆さんは10時間でもいいくらいなので、これは最低限必要な時間です。すると残り4時間です。そして、このうち2時間を勉強時間として確保します。
あとの2時間は食事、睡眠、入浴などの生活時間です。そんなに要らないかもしれませんが、ここにはテレビを見たり、スマホをいじくり回したりする時間も入っています。
夜遅くまで練習したからといってそれだけで強くなれるとは思いませんが、特に遅くなった日は、即寝るでもいいです。その分は土日や練習休みの日で埋め合わせてください。
部活現役続行中は、毎日最低2時間勉強。決して多くはありませんが、これが後々生きてきます。部活を引退すれば時間に余裕が生まれますから、そうなったら勉強時間を4時間、5時間と増やせばいいでしょう。
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調査書点を上げる方法はあると思います。質問の中にもあるように、そのためには定期テストを頑張ることです。ただし、それだけではだめで、日々の授業や宿題・課題などにしっかり取り組む必要があります。教科の評定は総合的なものなので、テストで点数さえ取ればいいというものではありません。
英検を受け、級をどんどん上げていくのは、それ自体は良いことだと思います。
が、入試での効果については限定的と考えておいたほうがいいでしょう。有利かどうかと言えば、有利には違いありませんが、級を持っていてもそれは絶対的なプラスにはならず、逆に級がなくてもそれは致命的なマイナスにはならないという意味で、効果は限定的です。
定期考査の話に戻りますが、中3になったのを機に考査に対する考え方を改めた方がいいでしょう。考査の結果は調査書点(内申点)につながり、本番での合否判定に影響しますから、ある意味で入試の一部です。同じ問題が本番で出ることも十分考えられます。早めに準備に入り、緊張感を持って臨んでください。
なお、考査が終わったら、問題用紙と解答用紙は整理して保存しておきましょう。きちんとファイルできれば理想ですが、まとめて大きめの封筒などに入れておいても構いません。入試問題と定期考査問題とでは形式などは異なるかもしれませんが、問われている知識内容は同じです。入試本番直前の実力チェックに役立ちます。
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お母さんはその学校ではだめだと言っているわけではないと思います。選び方、決め方に問題があると言っているのでしょう。
今のあなたにとって、高校選びはこの先3年間の選択という感覚かもしれませんが、どこの学校を出たかは、卒業後何度も尋ねられることになります。就職する時は履歴書にも書かなければなりません。言い方は適切ではないかもしれませんが、出身校は一生付いて回るのです。
制服がかわいいとありますが、制服を着るのは通っている3年間だけです。家から近いとありますが、これも3年間だけの話です。近ければそれに越したことはありませんが、ちょっと離れたところに、もっと自分に合う学校があるかもしれません。
それともうひとつ、パンフレットの見方です。限りあるページ数の中で、学校のすべてを紹介することはできません。
ですから、学校側としても、これを見て直ちに学校を決めて欲しいとは考えていないでしょう。そうではなく、興味を持ったら一度学校に足を運んで欲しいと考えているはずです。
パンフレットを見て盛り上がるのは構いませんが、それだけで決めてはいけないというお母さんの言い分は正しいと思います。
5月中旬あたりから学校説明会や体験入学、授業公開が始まります。それらに参加し、パンフレットから得た印象と実際とが一致しているかどうかを確かめましょう。決めるのはそれからでも遅くありません。
(回答者:教育ジャーナリスト 梅野弘之)
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