A1
逆にあなたに質問したいです。あなたにとって「いいこと」とは何ですか。
何が「いいこと」で、何が「よくないこと」なのかは、たぶん人によって違うでしょう。
塾に行ったために成績が下がったという人は滅多にいなくて、だいたいは上がります。これは「いいこと」だと思われますが、それは塾に行かなくても実現できるかもしれません。最近は自習室を完備した塾が多いので、好きな時に誰にも邪魔されることなく勉強できるのも「いいこと」だと思われますが、家にそれ以上の環境があれば、それほど「いいこと」とは言えませんね。何が「いいこと」かは、人それぞれなのです。
分からないことをすぐに質問できる。効果のある勉強法を教えてくれる。ライバルや仲間と競いあえる。考査問題を予想してくれる。高校について教えてくれる。
さあ、あなたにとっての「いいこと」はこの中にありますか。それとも、あなたにとっての「いいこと」は他にあるのですか。
みんなが行っているから、自分も行ってみるか。これ最悪です。
自分の望みはなんなのか。少し時間がかかってもいいので考えてみましょう。その望みがあなたにとっての「いいこと」なのです。それが分かれば、あとはかなえてくれそうな塾を探すだけです。
A2
そこまで現状分析(自己分析)が出来ているなら、今すぐ始めましょう。
間に合うかどうかはやってみなければ分かりません。間に合うと信じてやるしかありません。ただ、2年の終わり頃から頑張っているとのことなので、可能性としては高いと思います。
1・2年の欠けている部分の学習は、遅くとも夏休みいっぱいまでに仕上げてください。特に夏休みは、学校の授業が先に進まないので、1・2年の復習をするチャンスです。学校が始まると今やっている3年生の勉強と並行してやらなければならないので時間的に厳しくなります。
やり方についてアドバイスするなら「アウトプットを多めに」ということになります。知識を頭の中に入れるのがインプット、それを外に出すのがアウトプット。このふたつをセットでやるのがいいと思います。アウトプットの代表的なものは問題練習です。誰かに説明するのもアウトプットですが、それは一人ではできません。ですから、教科書やノートを読み返す、読み終わったら問題集を解いてみるということを繰り返します。本当に頭に入っていれば、また、理解できていれば問題は解けるはずです。解けないとすれば、本当には頭に入っていないか十分に理解できていないかのどちらかです。その時はもう一度教科書に戻ります。
それと、自分で考えるのはいいことですが、ある程度考えて分からなかったら、先生に質問に行きましょう。「説明しただろう」とか「聞いてなかったのか」と怒られるかもしれませんが事実なのだから、そこは耐えるしかありません。
(編集部補足)
受験勉強のおおまかなスケジュールに関して、こちらのページの「12 得点力アップを目指す学習計画」にもまとめていますのでご参照ください
・よみうり進学メディア
〈2025年度入試〉高校受験ってなんだろう?-入試の基本まとめ「目指せ合格!」-令和7年度
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迷うことはありません。判断の物差しは偏差値だけではないので、それでいいと思います。むしろ、偏差値が自分と合っているからという決め方の方が変です。だって、偏差値は所詮(しょせん)ただの数字ですよね。過去のデータからはじき出された無機質な数字。
ただし、偏差値は受験勉強を進めて行く上でナビゲーション的な役割は果たしてくれます。また、最終的な受験校を決める際に、一定の役割は果たしてくれるので、その点では大事な資料です。
周りに「偏差値の高い高校を目指している人が多い」ならば、その人たちに、なぜその高校を目指しているのかを聞いてみたらどうですか。おそらく「偏差値が高いから」という人は少なく、それ以外の理由があると思います。
今のところ、あなたは通学の便と雰囲気を選択理由にしています。それ自体はまったく問題ないです。でも、偏差値が高い学校を目指している人の考えの中に、なるほどそういう選び方もあったのかという発見(気づき)があるかもしれません。人は人、自分は自分ですから、無理に真似をする必要はありませんが、参考になるものは取り入れてもいいでしょう。
あと、これは元高校教員としての余計な心配ですが、偏差値的に10も低い学校に入ると、あなたはその学校でトップレベルの優等生になれるでしょう。それはいいのですが、競い合うライバルが少ないので楽をしてしまい、結果学力低下を招く可能性もあるので、そこだけは注意してください。
A4
一口にIT(Information Technology=情報技術)系の仕事と言っても、その種類はたくさんあります。さしあたりもっとも一般的と考えられるSE(Systems Engineer=システムエンジニア)などを念頭に考えてみましょう。
その場合、ひとつの選択肢として工業(工科)高校の情報系学科があります。商業高校にも情報と名の付く学科がありますが、技術者を目指すなら工業(工科)高校です。
いま日本ではIT技術者が不足していますから高卒でも就職には困らないでしょう。学歴より実績の世界です。世の中には高卒や専門学校卒のエンジニアはいくらでもいます。ただ、先の先まで考えると、教授陣や施設設備の整った大学や大学院で高度な専門技術や知識を身につけてから社会に出ても遅くはないと思います。
仮に工業(工科)高校に進んだとして、そこから理工系大学に進む道もあります。ただし、最初から大学進学を想定しているのであれば普通科高校を推奨します。工業(工科)高校のカリキュラム(勉強内容)は就職向けに設計されており大学受験には向いていません。指定校制度や推薦制度を利用する手もありますが選択肢が限られます。ですから、現時点で大学進学まで考えているなら普通科高校のほうがいいでしょう。
スポーツの世界に高卒も大卒もありませんね。技術の世界はそれと似たところがあります。有利とか不利という話をするなら、人一倍勉強した人が有利ということです。
(編集部補足)
普通科と専門学科(工業高校、商業高校など)とのカリキュラムの違いやそれぞれの進路についてはこちらのページにまとまっていますのでご参照ください。
・よみうり進学メディア
・「学科やコースってなに?」志望校選びを開始しよう その1
・「学科やコースってなに?」志望校選びを開始しよう その2
・「専門学科ってなんだろう?」普通科と何が違うの?どこが魅力なの?専門学科まとめ
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子供の高校受験に親としてどのように関わったらいいか。皆さん悩まれているようです。
まず勉強の仕方などについてです。保護者の皆さんの時代とは教科書の内容も入試の傾向もまったく違うので、あまり有効な助言はできませんね。そこはプロである中学校や塾の先生にお任せしましょう。「勉強しなさい」も言わなくていいです。先生方から毎日聞かされていますから。
次に高校選びについてです。ここは積極的に関与していいところです。学校や塾の先生も熱心に指導してくれます。しかし、各ご家庭の方針や考え方もありますし、経済面なども顧慮しなければならないので、生徒と先生だけの相談で結論を出すのは難しいのです。
親として難しいのは、どれだけ子供の話を聞けるかでしょう。言いたいことは山ほどあると思いますが、聞き役に徹します。否定しません。批判しません。反論しません。「ふーん、そうなんだ」「そうか」「なるほど」「それで」と言う具合に。たまには「いいね」「おもしろいね」と合いの手を入れながら。
中学生が考えることなんて大人からみれば甘いです。幼いです。でも、みんなそうだったのではありませんか。努力して、苦しんで今の結論にたどり着いたのではありませんか。答えを押し付けるのではなく、自分で答えを見つけられる人になってもらいましょう。
話を聞いてくれる人がそばにいる。これはものすごく嬉しいし、心強いことだと思います。
(回答者 教育ジャーナリスト 梅野弘之)
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