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東京 入試情報
2024.6.6

〈2025年度入試〉東京入試情報「都立高校 令和6年度入試の検証から7年度入試を探る」後編

※前後編の記事です:前編はこちら
〈2025年度入試〉東京入試情報「都立高校 令和6年度入試の検証から7年度入試を探る」前編

 

説明会・相談会へ参加して、志望校と出会おう

気が付けば夏休みまで2か月を切り、高校入試期間まであと8か月あまりとなった。勉強、部活、学校行事に、今こそ頑張る時だ。

君たちに今必要なことは「悔いを残さない志望校の選定」「学力の向上のための努力」「調査書対策」だ。

今から夏休み期間にかけて、学校ごとの説明会や体験入学、多くの学校が参加する大規模な進学フェアが開催される。
志望高との出会いのチャンスだ。こんな機会をぜひ活用してほしい。

3年生の夏は忙しい。健康管理に注意し、計画を立てて梅雨時期を乗り切れ。

 

在籍の増加、男女別定員の緩和などで倍率変化が

令和6年度入試では、普通科の推薦選抜と第一次・分割前期(全日制)‐以下一般入試と呼ぶ‐ともに男女合同選抜に移行した。

推薦は、受験が2万3349人、合格倍率は、前年の2.47倍と変わらなかった。

一般入試の学力検査の受験者は、前年より554人減少し3万9054人となった。
受験倍率は、1.29倍(受験者数÷募集人員)、実質倍率(受験数÷合格者数)は、前年の1.35倍と同じだった。

全日制全体では、推薦で約1万3900人、一般で約1万4100人が不合格になる厳しい状況が続いている。

都立入試の倍率変化の要因には、『男女合同選抜への移行』や、公私の高校生に対する『学費全額助成』、『段階的な大学入試改革』などがあると思われる。

 

■昨年度(2024年度/令和6年度)の都立高校推薦・一般の状況を見てみましょう。
・「推薦」合格発表時の詳細はこちら:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉東京都 「都立高推薦 合格発表!」-令和6年度
「一般」合格発表時の詳細はこちら:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉東京都 都立高校一般合格おめでとう「合格者数・各校倍率」-令和6年度

評定の仕組みを理解して授業に集中しよう

都教育庁が調査した令和5年3月卒業生の2学期の評定調査では、評定「5」が12.4%、「4」は23.3%、「3」は46.6%、「2」は13.5%、「1」は4.2%となっていた。
前年より「4」が0.4%減少し、「3」以下が増加していた。ただし、評定「3」以上が82.3%となっており、「3」は評価の平均とは言えなくなっている。

評定は「観点に基づく評価」とされる。
全教科で「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点になり、調査書や通知表もこれを基に算定される。

観点は、それぞれA・B・Cの3段階で評価される。
観点別評価の結果を評定に換算する仕組みは、各学校で定められる。

つまり、中間・期末テストの結果だけでは評定は決まらないということだ。平素の授業態度や宿題の提出などは、学習に取り組む態度となり、テスト結果は「知識・技能」として評価される。考え方や発表する姿勢なども重要な評価項目となる。

既に令和7年度入試は開始されている
調査書の評定は、都立受験(全日制)の推薦では無論のこと、第一次分割前期)においても学力検査7に対し、3割の得点換算が行われる。また、実技4教科は評定が2倍となる。

各教科の評定は、私立高校の単願や併願の優遇制度でも目安や基準として扱われることも多い。
また多くの私学の個別相談では、1学期の通知表の評定を参考に合格の可能性を教えてくれる。

テストで頑張るのは無論だが、積極的に授業に参加すること、積極的に考え、自分の意見を発表すること、宿題を忘れない、提出期限を守ることなどを心がけてほしい。
既に、入試は始まっているのだ。

 

■「観点別評価」について、昨年度(2024年度/令和6年度)の状況を見てみましょう。
以下のページの項目7と8です。
〈2024年度入試〉東京都 「都立高校募集案内」発表、都立高受験まとめ-令和6年度

英語スピーキングテスト(ESAT‐J)が全学年に拡大

7年度入試の注目点としてあげられる、英語スピーキングテスト(ESAT‐J)は、英語4技能(読む・書く・聞く・話す)のうち「話す」を評価して都立の入試選抜に活用されているものだ。中学3年生の都立希望者は、原則として全員受検することになる。

前年度は11月26日に都立高校を中心に227会場で実施(予備日12月17日)。参加者は71,205人で在籍の91%を超える数値だった。平均スコアは65.2点、ストーリーを英語で話す出題の難度が高いようだ。

1月中旬に個人・中学校へ返却。A~Fの6段階で評価され、各高校では評価を0点から20点に換算。入試得点と調査書得点の合計値に加算される。

なお前年度から、ブレテストとして中学校1・2年生も通う中学校で、全員受検していた。
6年度の実施は、11月24日(予備日12月15日)、1・2年生は1月から3月の間に実施される。

■「英語スピーキングテスト(ESAT-J)」について詳しくは:よみうり進学メディア
※令和5年度の記事です
〈2024年度入試〉東京都 都立高「スピーキングテスト(ESAT-J)」令和5年度実施について

 

(岩佐教育研究所 岩佐桂一)

 

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