A 私は高校教員として実際に面接官をやったことがありますが、「家から近い」という理由を挙げる人はいますよ。決してめずらしくないです。また、それが悪い答えだとは思いません。
大人だって勤め先を選ぶ時、通勤時間を考えますからね。先生方だって、できることなら家から近い学校に配属になればいいと思っているはずです。
大事なのは、家から近いというだけにとどまらず、さらにもう一つ先の理由が言えるかどうかです。
たとえば、「両親とも働いているので、早く帰って幼い弟や妹の面倒をみなければならない。だからできるだけ近い学校にした」という人もいましたよ。これをけしからんと言う人はいないですよね。
また、部活で疲れたり、やや帰りが遅くなっても、近い分だけ家での勉強時間が確保できるからと言った人もいました。これも、もっともな理由です。
あなたは高校に入って何をやりたいのかが自分の中ではっきりしていないように思われます。これは面接で聞かれようが聞かれまいが、必ず考えてほしいことです。
家から学校までが近いことにより時間が生み出されます。体力的にも余裕が生まれます。あなたは、その時間や体力で何をしたいのですか、どんな高校生活を過ごそうとしているのですか。面接官が聞きたいのはそこです。
ですから、実際の面接の場面においては、「何々したいので、そのために家から近いこの学校を選びました」という形で答えてください。回答としてはこれでほぼ完全です。
■「面接」を調べたい場合、まとめページがあります:よみうり進学メディア
「面接試験どうすれば?」高校入試直前アドバイス-面接まとめ
A 解き続けてください。この先、本番まで解き続けて下さい。
あなたは、「最近…解き始めたのですが」と書いていますね。もうちょっと早くてもと思いますが、そこはまあいいでしょう。
それで、解こうとしたら、「全く解法がわかりませんでした」ということですが、そうだと思いますよ。いきなりスラスラ解けるわけがありません。もしも全部の問題が楽々解けたら、その時点で受験勉強は終了です。慣れないうちは誰でも手こずるものです。
過去問を解くことは、受験勉強の仕上げではないです。むしろ受験勉強の始まりです。そう考えれば、解けない問題があってもそれほど心配は要らないということになります。
それに、あなたは「解説を読めば理解はできる」と書いています。ということは、頭の中には基礎的知識は入っているわけです。ただ、それを短時間に引き出してきて、組み合わせて、解答としてまとめる、という練習が不足しているんだろうと思います。
要するに、あなたのような人こそ過去問練習が必要だということなのです。
過去問は繰り返しやる。そういう考え方に立ちましょう。
1回目は解説に頼った。2回目は自力で解けた。念のため3回目をやったら、やはり自力で、しかも短時間でできた。こういうやり方でいいんですね。こうした繰り返しの中で徐々に応用力もついてくるわけです。
せっかく始めた過去問練習を、ちょっと出来ないからといって止めてしまうのはとても、もったいないことだと思います。
A 受験生が勉強以外にやるべきことって、何かあるんですか?
もう少し前の時期だったら、学校選びのための説明会・相談会参加があったわけですが、それらはすでに終わった人も多いでしょう。
ただ、今年はさまざまな理由で学校選びが遅れている人も多いと思われますし、願書提出期間ギリギリまで説明会・相談会を継続する公立学校もたくさんあります。そういう意味で、冬休み期間中に、志望校を調べたり、絞り込んだりという作業をやっておく必要があるでしょう。年が明けると、本番まではあっという間なので、志望校を決めたり、絞り込んだりという作業は冬休み期間中にやっておきましょう。
あと、勉強以外に何か、と言われたら体力強化ですかね。学校が休みで、当然部活もとうの昔に引退していて、体育の授業など体を動かす機会がないとなると、体力「ダダ下がり」でしょう。
ちなみに、「ダダ下がり」なんていう言葉を入試の作文や面接で使ってはいけません。
ただでさえ冬場は活動量が減りますから、コロナやインフルエンザには細心の注意を払いつつ、体力の維持、強化に努めるというのも冬休み期間中の課題と言えるかもしれません。
読書が苦にならない人は、気分転換を兼ねて冬休み中に1冊か2冊読むのもいいと思います。面接がある場合、最近読んだ本とか印象に残った本を聞かれる場合がないとは言えません。気晴らしのつもりで読んだ本が、結果的に受験に役立つことだってないとは言えません。
A 私は昔、高校の先生をしていました。ですから、勉強の仕方は死ぬほど尋ねられました。でも、答えません。教えません。なぜかと言うと、いきなり「勉強の仕方が分かりません」とか「勉強の仕方を教えてください」と言ってくる子が本気になって勉強するはずがないことを知っているからです。要するに、楽をして点数を上げる方法を聞こうとしているわけですね。でも、そんなものあるはずないでしょう。
しかし、あなたの場合は、「勉強はしているのですが」ということなので答えます。
まず、今のやり方を無理に変える必要はありません。
より良い勉強の仕方を考える時に、常に「自分にとって」という言葉を付け加えることを忘れてはいけません。あなたは無意識のうちに、すでに自分に一番合った勉強の仕方を選び、実行しています。だから今さら変える必要はありません。ただし、近くの友達のやり方を見て、これは良さそうだとか面白そうだと思ったものは取り入れていいでしょう。そう思えたものは、自分にも合っている可能性が高く、実行できます。あの子は成績がいいから同じことをやってみようというのでは良い結果は得られません。
今言ったように、やり方は様々ですが、時期的に考えれば、過去問練習を計画の中に組み込むべきでしょう。実際の入試問題を解いていると、自分の弱点に気づきます。また、「こういう勉強もしておくべきだったのか」といった発見があります。それが「勉強の仕方」の転換につながります。
(回答者 教育ジャーナリスト 梅野弘之)
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