いよいよ令和4年度入試の志望校確定の時期が近づいてきた。
12月下旬から1月上旬に開始されるインターネット等を利用した私立高校の出願、2月10日から郵送で開始される公立高校への出願から、3月4日の合格発表まで、2か月に渡る高校入試の開始となる。
新型コロナの感染のリスクを考慮し三密を避け、健康に留意すること。志願校の高い倍率にくじけないこと、これからの日々に本気で勉強に取り組めるかなどが、受験に勝つための大きなポイントになるだろう。
今回は受験直前のアドバイスをまとめた。
1月に調査書内容が「通知書」として渡される
12月中旬には、県内公立中学校では皆さんの各教科の評定が確定する。
確定した段階から、受験生からの希望がある場合には、口頭等で伝えてもよいとされている。また、調査書の内容を生徒・保護者に開示する「通知書」を、12月の最終授業日から2月1日の間に発行することが決まっている。
受験する高校へ提出される調査書の内容は「通知書」で確認できるようになっているのだ。
ここで確認しておきたいことは、評定の数値や特別活動の記録だけではない。校外の活動であっても、選抜において「特別活動等の記録の得点」や「その他の項目の得点」で加点される可能性がある。
各種検定や舞踊、書道、華道、茶道、囲碁、将棋など、師範や段級位等を取得した特技などは、あらかじめ担任の先生に報告しておいて欲しい。
12月の進路希望調査が志願先決定の日程目安
9月末に来春の卒業予定者の進路希望調査が実施されたが、皆さんの志望高校の希望倍率はどうだったろうか。
進路希望調査はもう1回、12月第2週に実施され1月上旬に発表されることとなる。この調査は多くの私学の個別相談も終盤となり、志望校も固まってくる時期にあたるため、例年、受験生の動向を見る重要資料となる。
しかし、公立入試の入試日程が2月下旬になり、受験のタイムスケジュールも以前から変化を見せているようだ。
公立高校は2月10日から郵送による出願が始まるため、冬休み中の学習の成果や、通知書の内容を確認してから、受験校の最終決定をしても遅くはないということだ。
教科書は、最高の参考書 新たな分野は要チェック
公立高校の入試問題の出題範囲は「中学校の3年間で学習した内容」とされている。また、各学年の内容がまんべんなく出題されることも特徴となる。
前年度は、新型コロナの感染予防から、およそ3か月間、学校の臨時休校措置が採られた。
このため、公立高校の入試では、3学年後半の単元の多くが出題範囲から削除された。
前年の問題を紐解く際には、このことに注意が必要となる。
さらに、今年の中学3年生は、新しい学習指導要領の施行(移行期間を含め)にあわせ教科書が改訂されており、数学や英語などで、これまでにない単元を学んでいる。
数学では、中1の時に「累積度数・累積相対度数」、中2で「箱ひげ算」「四分位数・四分位範囲」「反例」などが加わった。
英語では、単語数の増加とともに、「感嘆文」「仮定法」「原形不定詞」「現在完了進行形」、理科では、「ダニエル電池の実験」が加わっている。
また、各教科の知識・理解は無論のこと、それに加えて思考力・判断力・表現力などの能力を問う出題がされることになっていることにも注意が必要だ。
このため、「資料文の提示」や「対話形式での出題」、「自分の言葉で説明する」といった形式が増えてくるかもしれない。
私立入試でも、県の出題範囲に準拠する学校が多いことにも要注意だ。
したがって今年度の受験生は特に、教科書を中心に中学1・2年生の内容から見直しておきたい。
また、公立・私立ともに過去数年の入試問題を繰り返し解いてみることは参考になる。
同じ問題は出題されないし、新しい分野が加わる可能性はあるが、入試の出題方法や難易度に変化はないはずだ。
冬休みは計画を立てて、無理なく実行しよう
私立高校の推薦の出願期間まで4週間、公立の郵送出願までも2か月余りとなった。
これから皆さんにやって欲しいことは、計画を立てて、それを実行することだ。
自分なりの勉強のスケジュールを作って欲しい。
計画が実行できたなら、それは将来にわたって皆さんの自信となることだろう。
コロナ禍の中での受験は、健康管理から
冬の兆しが強くなってきた。入試当日だけでなく、今日から受験日まで、毎日の皆さん自身の健康管理も、重要な入試の対策のひとつだ。
無駄を省き睡眠時間を確保すること。
外から帰ったら消毒液等で手を洗い、うがいを忘れないこと。外出時にはマスクを忘れず、三密を避けること。注意することはたくさんある。
新型コロナだけではなく、インフルエンザが流行する時期でもある。風邪の症状や腹痛、発熱などがあった場合には、早めにお医者さんに行っておこう。担任の先生への報告も忘れずに。