【特集 これが高校の授業だ】
哲学科出身、異色の国語教師
深谷第一高校では3年生現代文(国語)の授業を見学しました。担当は今年教員4年目の吉永恒輝先生です。
吉永先生は大学(院)まで哲学を学んできました。国語の先生としては異色の経歴です。
大昔、哲学とは学問全般を指す言葉でした。いま皆さんが中学校で学んでいる教科も元をたどれば全て哲学です。ちなみに数学者として知られるピタゴラス(三平方の定理を発見)も哲学者でした。
難解な論説文が平易な文章に見えてくる
中学生の皆さんに分かりやすく言うと今日の授業は論説文の長文読解でした。難しい語句や表現がたくさん登場する、あの論説文です。
皆さんは、説明を聞けば聞くほど分からなくなったという経験がありませんか。でも、吉永先生の説明にはそれがありません。難解な論説文も吉永先生の手にかかると、とても簡単な文章に見えてくるから不思議です。
例(例え話)が分かりやすいです。回りくどい説明はしません。短い言葉でスパッと言い切ります。この分かりやすい説明力は持って生まれた才能なのか、哲学という超難解な学問を研究する中で身につけた技なのか、そのあたりは記者にはよく分かりません。
誤答を恐れない積極性はどこから?
生徒たちは先生の質問によく答えます。たまたま担任クラスだったということもあるかもしれませんが、それを差し引いても、生徒たちの積極性が目立ちます。
先生は言葉が豊かです。国語の先生なので当然と言えば当然ですが、生徒たちのどんな発言に対しても、即座にコメントを返します。
時々大きくはずした答えを言う生徒がいますが、先生はまずそれを受け入れます。頭から否定することはありません。その安心感が生徒の積極性を生み出しているようです。
ワンランク上を目指す進学指導
授業後のインタビューで先生の滑舌の良さと声の心地良さに感心したことを伝えると、「一応、放送部副顧問ですから」と、さりげなく同校が誇る強豪部活の存在をアピールされました。同部は全国総文祭に7年連続出場しています。
近隣中学校からの評価が高い同校ですが、ワンランク上を目指そうと進学指導にも力を入れています。
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