昭和鉄道高校はその名の通り、鉄道の事を専門的に学べる学校だ。
同校の3年生、Wさん(江戸川区立鹿本中学校出身)とNさん(武蔵野市立第一中学校出身)に話を聞いた。
Wさんが同校を知ったのは小学校低学年の頃。「テレビ番組で『全国でも鉄道が付く高校はひとつだけ』と紹介されていて、それが印象的でよく覚えています」と話してくれた。四国出身のWさんは小学6年で、東京へ転居。その際に「これで昭和鉄道に行ける」と思ったそうだ。将来の夢は鉄道員。「駅員からキャリアアップを重ね、車掌、運転士を経て、最終的には駅長になりたいです」とかなり具体的なプランを教えてくれた。
Nさんは、鉄道好きのお母さんの影響で小さいころから鉄道に興味をもったそうだ。本格的に進路を決めたのは中学2年生の時。西武鉄道保谷駅での職場体験がきっかけだった。「駅員さんがどのようなお客さんにも、素早く的確に対応している姿を見てあこがれました」と話す。
しかし、Nさんの今の進路希望は入国警備官。もともと得意の外国語を生かせる職業に就きたいと考えていたそうだが「海外から来た人が最初に接する、日本の窓口になりたいという想いと、不法な入国を取り締まる事が、日本の安全につながると考えました」と志望理由を話してくれた。
二人とも自分の言葉で適切な答えを返してくれる。こうした受け答えは、1年次から自己分析や面談を繰り返すことで身に付けたそうだ。幅広い視野を持つよう、指導されてきたことも紹介してくれた。資格講座、公務員試験対策講座なども各種開講している。
こうした独自のキャリア教育が鉄道関係の企業をはじめ、一般企業、公務員への就職や、近年増えてきた大学への進学など、人材を幅広い進路に送り出す源となっているようだ。