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神奈川 高校レポ
2021.10.10

県立大船高校(神奈川県鎌倉市) 知的好奇心を喚起する進路学習を実践

キャッチフレーズに「授業も!部活も!イベントも!」とあるように、全ての課題に取り組むのが大船高校の生徒たちだ。「グランドデザインに『主体的に考え、行動力とコミュニケーション能力あふれる人間』とありますが、これらは行事や部活動で育まれます」と生徒支援グループの中田圭介先生は話す。

6月の白帆祭(文化祭)、9月の六国祭(体育祭)に全力投球し、所属する部活動で力を注ぐ。鎌倉の自然と文化を学ぶことも、大船高校ならではの取り組みだ。

進路指導については「自己理解・自己啓発・自己実現」をテーマに、学年に応じた指導を展開している。スタディサポートと呼ばれる学習到達度診断テストとその分析を1、2年で実施。実力テスト、インターンシップ、オープンキャンパスは各学年共通だが、1年では大学教員による進路希望別・分野別説明会に参加し、2年では、大学の模擬授業を1人2講座受講する。大学教員との交流を通して知的好奇心が刺激され、具体的に進路を考える機会になっている。3年では受験ガイダンス、志望理由書の書き方など、きめ細かな指導態勢が組まれ、実力テストを繰り返したうえで受験に臨む。
令和2年度の進路実績は、大学82%、短大0.5%。専修学校6.7%、就職1名、ほかは進学準備となっている。大学は7割弱が一般受験で、3割強が指定校や総合型の推薦入試だ。進路支援グループの柿野谷裕子先生は「教員はみな面倒見がよく、日常的に面談を重ねています。最近はWi-Fi環境の整備、クロームブックの活用で学びの幅も広がっています」と話す。

中田先生も柿野谷先生も「真面目にコツコツ努力する生徒が多い」と口を揃える。それは毎日、北鎌倉駅から山を登るように片道18分の坂道を上がってくることからも分かる。

日々の積み重ねが持続力、持久力の養成につながり、自ずと進路実績に反映しているのだ。

 

OLYMPUS DIGITAL CAMERA六国祭は応援、チア、仮装、パネル、競技で競い合う。    (写真は令和2年度の様子※令和3年度は中止)

          知的好奇心を目覚めさせ、思考力を育む授業