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埼玉 高校レポ
2021.10.21

さいたま市立大宮北高校(さいたま市北区) 進学強化へ、文理融合型カリキュラムを導入

ⅠCT先進校の変身

来たる令和4年度入試で学校選択問題採用校となり、注目を集めている市立大宮北高校。
同校は理数科を擁する学校であり、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)指定校でもあり、また県下トップレベルのICT教育先進校でもあるので、当然のこととして受け止めた人が多かったようです。
学校選択問題採用校は、大学進学面で実績を残している学校が多く、今後はICT教育のみならず、優れた進学実績を出すことが同校に期待されています。

まず国公立50人超えから

今春の国公立合格者は32人でした。見方はさまざまですが、進学校としてはギリギリのラインと言えそうです。そこで、次年度はまず50人以上を目指します。これは比較的容易にクリアできるでしょう。
そして、現在の受験生の皆さんが大学受験期を迎える3年後には100人超を目指しています。公立学校の特性として、こうした点はあまり強くアピールしませんが、同校の新しい教育課程を見ると、その意気込みが伝わってきます。

これからは文理融合型の時代

同校は新しく編成された教育課程を文理融合型と称しています。分かりやすく言うと、1・2年までは文系と理系を分けないということです。
これは、原則5教科を必要とする国公立大学入試を視野に入れた対応です。中には3教科型入試の私立大を希望する人もいるはずですが、それは3年になってからの文理分けで充分間に合うという考え方です。
さらにここで重要なのは、目前の大学入試のことだけでのことではないということです。グローバル化が叫ばれている今日、日本だけでしか通用しない「文系・理系」という分け方からそろそろ脱皮すべきである、と同校では考えています。「文系と言われる経済学部でも、数学や統計を知らないでは済まされない時代になっています」と新川健二教頭。文系だから理数は苦手、理系だから国社は苦手というのでは、これからの時代は通用しないという考え方が、文理融合型を進めていくもっとも大きな理由です。
理数科の入試で、あえて傾斜配点(数学・理科の配点を2倍にすること)を採用しないのも、総合的な力と幅広い興味を持った生徒に来てもらいたいと願っているからです。

さいたま市立大宮北高校ホームページはこちら

※取材後に衣料品メーカ、ユニクロ製品の制服採用を検討していることが発表され、大きな話題となりました。