ふじみ野高校には普通科と、全国に2校しかないというスポーツサイエンス科(以下SS科)がある。
県内には大宮東の体育科、埼玉栄の保健体育科といった同系統の体育系専門学科があるが、あえて「サイエンス」と名付けたところに、この学校が目指すこれからのスポーツの世界が見える。
近くに「富士見高校(富士見市)」があり時々間違う人もいるようだが、あちらには同名の駅はなく、こちらは東武東上線「ふじみ野駅」が最寄りの「ふじみ野高校」である。
SS科には、理論・実技を含め週10時間以上の体育科目がある。入学後はいずれかの運動部に所属することが想定されているので、学校生活の大半はスポーツと共にあると言っていいだろう。
SS科の特色と言えるのは各学年での野外活動だ。
1年生ではOBなどの協力も得て「遠泳実習(2泊3日)」が行われる。2年生では国際ライセンス取得をめざし「ダイビング実習(4泊5日)」が行われる。そして3年生では検定合格をめざし「スキー実習(3泊4日)」が行われる。
授業の一環であるから、それなりの厳しさはあるが、仲間たちと寝食を共にしての数日間は高校生活の良い思い出にもなっているようだ。
SS科の進路はどうなるのか。
今日、様々なスポーツがビジネスとして成立している。また、人々の健康や体力づくりへの関心が一層高まっている。こうした中、スポーツリーダー(指導者)や、スポーツビジネスの担い手がこれまで以上に求められているのが現状で、多方面の進学・就職先が確保されている。
中にはスポーツとは直接関係しない進路を選ぶ人もいるが、授業や部活で身につけたリーダー性や科学的なスポーツ知識は、大学や企業でも歓迎されているというから、心配は要らない。