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2019.7.5
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この学校ここに注目 東洋大学京北高校(東京都文京区)

『より良く生きる』ための『哲学教育』

 

教育の基本は哲学

東洋大学京北高等学校は、文京区白山の地に移転し、5年目を迎えた。
東洋大学との合併から8年が経過、今年3月には、共学の2期生が卒業し、順調に躍進して新しい歴史を刻みつつある。
『急速に人気が上昇している』という評判を聞きつつ、同校を訪れた。
色あせない人工芝に覆われたグラウンドや、さりげなく植え込まれた花々が、落ち着いた雰囲気で我々を迎えてくれた。

教員の意識改革も哲学観から

「教師たちと面談をして、各人の教育に対する『哲学』を聞くようにしています。『偏見を持たずにたくましい子供たちを育てる』、『目的意識を持って社会人になれるよう導く』、『生徒たちを幸せにするために頑張る』など、子供たちのためにという哲学観を持った教員が増えてきたと思います」と学校長の石坂康倫先生は、開口1番に先生方の意識の変化を強調する。
「次の2年間はいろいろな面での地盤固めの期間だと考えています。自分で判断できる生徒の育成のために哲学観を共有し、真理を探究できる生徒を育てていきたい」
「国際人の育成を図るために海外への短期留学を充実する。進路実現については、今春の2倍も3倍もよい結果を出す」と石坂校長は断言する。
同高では、学校移転︱新校舎、共学化に伴って、授業面と生活面で大きな改革を実行した。
●2学期制‐授業時間の確保︱授業時間は、45分7コマを採用、土曜日も5時間の授業を実施
●ノーチャイム制︱授業の開始と終了にチャイムを鳴らさない
●一足制︱上履きに履き替えない
●部活動︱基本的には,週4日の活動
などだ。同校の教育面では、授業を中心に据え、哲学教育、国際教育、キャリア教育を柱として、
①大学進学実績の躍進。
②国際社会に対応した教育として、国際理解と国際英語の授業を設定。
③国際的視野を持つための短期留学体験の実施、海外での英語研修の充実。
④チューター制を取り入れた放課後自主学習の充実とキャリア教育の推進。
⑤行事や部活動、教科学習の両立。
これらは、学校活動の全領域にまたがるだけではなく、大学入試改革や教育のグローバル化にも対応していると言えよう。
教育の柱となる同校の授業は、全科目履修型、これは、国公立大学の5教科7科目型受験に対応するもので、幅の広い知識の習得を目指すことに繋がっているが、その分、日々の授業時間は増加するようだ。
中学時代より大幅に増えた授業時間、より専門的になった内容、自主性を求められる学校生活、部活など高校生活のスタートに生徒たちは、強い緊張を強いられる。
しかし、本気になってそれを支え、熱心に日々の授業に臨む教師陣がいることが石坂校長の自慢のようだ。
大学進学の躍進のため、東洋大学との高大連携‐大学での受講や単位取得、英語教育では、校内に英語ルームの設置や、ネイティブの先生の活用、国語教育での論理の充実など、その見直し、工夫、実践には、現在も、全教職員のたゆまぬ努力が続けられている。

2年後には、見違える実績を確信

今春の大学合格実績では、国公立4人、早慶上理9人、GMARCH23人、東洋大学77人などとなり、大学の定員の厳格化などの影響を受けたようだ。しかし、学校が掲げる進路目標は、国公立25人、難関私大40人、GMARCH80人などとなっている。
7割程度の生徒が系列の東洋大学への進学が可能となっているが、目標はあくまでも国公立大学や難関私立大学への進学である。

本当の教養を身に付けた国際人の育成を目指して

「私は、説明会などでグローバルやアクティブラーニングという言葉は使いません。生徒たちの将来を考えた時、そんな方向性や授業は当たり前だからです。我々の目指すところは、大学に合格させることだけではなく、本当の教養を身に付けた国際人の育成です」と石坂校長は断言する。
東洋大学は、国からスーパーグローバル大学(SGU)の指定を受けており、東洋大学京北高等学校は、それと連携したグローバル教育を実践する。
また、アメリカ、フィリピン等への語学研修やホームステイ、英語コンテストや数学オリンピックへの参加など多様な実体験を通して、スケールの大きな国際人を育成して行こうとしている。

哲学をすることは、より良く生きる基となる

建学の理念は、「諸学の基礎は哲学にあり」、また、「より良く生きる」が同校の哲学教育のテーマである。
生きるとは何か、向上心を持つことが大切なのはなぜか、善悪の感情についてなど、生活の中のあらゆる場面に存在する課題に対する解決探究でもある。
年間を通しての哲学の学びは、3月に実施する「哲学の日」によって全校生徒への共有が図られる。哲学ゼミや刑事裁判傍聴学習会の報告発表、哲学エッセーコンテストなどがそれだ。

自分の考えをまとめる機会、あるいは他人の意見を聞く機会としても哲学の日は意義があるようだ。
「子供の命は誰のものか」「自分一人しかいない場所・場面でマナー違反をしてもよいのか」、「血の繋がりは家族の必須条件か」など、生徒たちの自由な思索(哲学する)は続いている。
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