明治31年、京北学園の前身となる京北尋常中学が東洋大学の学祖井上円了によって創立された。平成24年に東洋大学と法人合併し、平成27年に大学附属となった。同時に新校舎が竣工、共学化とし再スタートした。
戦前では、都内有数の進学校であり、多くの文化人や実業家を輩出した学校として知られる。
今年で創立から126年目、生まれ変わって9年目を迎える東洋大学京北高等学校の教育目標は、これまでの伝統を生かし、その上で『本当の教養を身に付けた国際人を育成する』こと。
教養主義に基づく授業で、次のステップを目指す!
校長の星野純一郎先生は「来春の大学入試から新課程の科目となります。情報のプログラミングでは、工学部出身の教員がパイソンのプログラムを使用し本格的な授業を実施しています」と話す。
同校の教育方針は、教養主義。2年次から文系・理系の教科選択はあるが、国立大学受験型の6教科8科目型システムとなっている。大学入学共通テストに加わる『情報』には、強い覚悟で取り組んでいる。
同校のカリキュラムは2学期制を採用、45分7コマの授業を実施、1週間で39コマの授業を行う。都立・県立の上位校よりも圧倒的に授業時間は多く、その分、より深い知識が得られる。
加えて、日々の到達度テストで学力の定着を図るCycle4システムを導入、放課後に平日講習を行う「ASP(アフタースクールプログラム)」で授業よりも高みを目指す生徒への学びもしっかりと保障している。
「本校と東洋大学は『諸学の基礎は哲学にあり』を建学の精神としています。哲学は、人としての道や、生き方の道しるべであり文理共通です。色々な科目を学ぶことで、偏らない知識を身に付け、実践教育・体験活動を重視する教育は、文系理系を問わず将来にわたって役に立つはずです」。星野校長の視野は、生徒たちの将来にまで広がっている。
学校の建学の精神にある「哲学」とは、中学生には、なじみのない学問かもしれない。
何のために人は生きるのか、向上心をもつのか、善悪の感情を持てるかなど、実験では検証できない分野の学問であり、我々の生活のあらゆる面で存在する諸問題を考える学問ともいえる。
哲学的な思考を養うためには、教養、体験、創造力、論述、発表の5つの要素がある。
同校では、これらの要素の伸長のために、3月の学祖生誕の日に「哲学の日」を設け、識者による記念講演や生徒による哲学エッセーコンテストを実施している。自分の考えをまとめる機会、あるいは他人の意見を聞く機会として切磋琢磨する「哲学の日」には大きな意義があるようだ。
「哲学で心を鍛えることで高校3年生で成人になった時、大人の視点を持った人になれると確信しています」と星野校長は断言した。
「迷惑をかけなければ何をしてもいいのか?」「人の命と蚊の命の価値の違いは?」、生徒たちの自由な思索「哲学する心」は今日も続いている。
同校の教育活動は「授業が一番」とし、その上で3本の柱によって支えられる。
哲学教育ー物事の本質を深く考え、自ら判断し行動するなどの心を育てることを目指す。体験活動として哲学ゼミ、哲学エッセーコンテストなど6テーマで「生き方教育」を実践。さらに、創造力育成プログラム(哲学ラボ)では、文部科学省や特許庁等が主催するパテントコンテストへ応募。このコンテストは500を超える参加校があり、審査員の前で英語によるプレゼンへの参加が求められる。5年度には優秀賞を獲得し、意匠登録もしている。
国際教育ー国際社会に対応できる人材育成を目指す。各種海外研修の他にも英語スピーチコンテスト、英検を推奨する。
星野校長は続ける。「英検では、高校3年生の62%が2級を取得しました。そのうえで現在は国際教育を全力で推進しています。オランダのライデン大学と連携し学生と哲学対話をすることが決まりました。希望制ですが、アイルランドへの1年間の留学やオレゴンでのサマープログラム、河口湖セミナーハウスでの英語キャンプなどを実施しています。生徒たちにチャレンジするチャンスをたくさん与えたい」。
キャリア教育ー講演会等を通じて、自らの進路を考えると同時に、生徒手帳『今⇔未来』を利用した学習計画の習慣化を目指す。進路希望実現のために、先輩たちの受験報告会、著名人によるキャリア講演会、チューターによる放課後自主学習のサポートなどを実施。
また、大学との連携でアチーブイングリッシュ講座の履修や、未来の科学者育成プロジェクトを実施している。
それぞれの柱に、星野校長の目指す実践教育、体験学習が寄り添う。
さまざまなイベントを通じて、目指すのはスケールの大きな国際人や視野の広い科学者の育成だ。
同校の部活動は週4日の活動を原則とする。また入学に際しての部活動優遇はない。しかし部活への加入者はおよそ7割と多い。ダンス部は世界でも活躍、フットサル部、軟式野球部、競走部、華道部等は、都内で入賞・入選するなどの実績がある。
中学時代より大幅に増える授業時間、より専門的になった内容、限られた時間の中で活動する部活など、自主性を求められる学校生活の中で、生徒たちは強い緊張を強いられる。
しかし本気になってそれを支え、熱心に生徒一人ひとりに向き合う教師陣がいることが星野校長の自慢だ。
東洋大学との高大連携、英語教育ではイングリッシュ・カンバセーション・ルームの設置やネイティブ講師の活用、新課程の教科への工夫・実践には、現在も、全教職員のたゆまぬ努力が続けられている。
今春の大学合格実績では、国公立19人、早慶上理ICU25人、GMARCH同立151人 、東洋大学113人など、9割を超える生徒が現役で進学を果たした。大学の入試改革の最中だが、実績に揺るぎはない。特に東京理科大、芝浦工大、東京電気大など、理数系への伸びが顕著だ。
しかし学校が掲げる進路目標はさらに高く、国公立40人、 難関私大60人などを目指す。
7割の生徒は系列の東洋大学への進学することも可能だが、目標はあくまでも国公立大学や難関私立大学への進学である。(PR)