よみうり進学メディアでは2021年5月末、
学校の先生方へ向けてアンケートを実施しました。
その結果についてまとめると同時に、
対応が迫られている教育環境の変化についても説明していきます。
アンケートは現在「よみうり進学メディア(紙面)」を購読している中学校を対象に、
今後取り上げる特集の内容や改善点などの聞き取りを目的として実施したものです。
この図は文章、文脈を単語に切り分け、相関を表わしたものです。
頻度が高い言葉は大きく示され、関連性が高い言葉が近くに配置されます。
先生方の回答では中央に大きく「ICT」と「SDGs」が出ています。
周囲に感染予防、専門学科、勉強法などが並び、「立ち向かう」「考える」などの動詞が取り巻いていることが分かります。
■コロナ禍で加速した「ICT」と教育関連での動き
まず「紙上で取り上げて欲しいテーマ」の回答について。
第一に先生方から挙がったのが「ICT」です。これは新型コロナウィルス感染症対策として急速に促進されている、学校内のIT環境の設計、教育の充実にあたります。
「ICT」は『学校教育において「電子機器や通信機器を使って情報・知識の交流をする」こと、または「ICT機器を使った教育」』を意味する、とあります。
「家庭での学習支援(リモート授業)」「一人一台端末」も含まれますので、中学生の皆さんも変化を実感しているかもしれませんね。
先生方は「一人一台の端末を他の中学校ではどう活用しているか」など、他中学校や高校での具体的な事例を知り、運用方法を改善していきたいのだと思います。
ICTには、教育環境の整備だけにとどまらず、今年度から中学校でも開始される「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミング」授業スタートも含まれます。
さらに「ギガスクール構想」では、学習環境整備計画、高速大容量の通信ネットワークの構築など、学校ICT環境の整備を進める必要もあります。先生方や学校側の対応が急務となっているわけです。
編集部では今後、実際に活用している学校や先生への取材などを通じ、事例のご紹介を行っていく予定です。
■「SDGs」について
同様に大きく挙がったのが「SDGs」。
SDGsは「Sustainable Development Goals」の略で「持続可能な開発目標」を意味します。
教育の現場においても「Esd(持続可能な開発のための教育)」の推進が求められています。
まず「持続可能な開発目標(SDGs)」を生徒たちにどう教えていくか。
どう学校カリキュラムに落とし込んでいくか、いかに実践的につなげていくか、先生たちはその方法や実践事例を研究されているのだと思います。
■受験状況を知りたい、生徒たちをやる気にさせたい
第二グループとして「本年度の進路情報」「志望校の決め方」、「入試問題の傾向」など、高校受験に関する項目が並びました。
コロナ禍により昨年度(2021年度)のテストでは出題範囲の変更があったこと、高まる私立志向を受けてのことと推測します。また「学習指導要領の変更」も影響しているようです。
加えて「高校から大学へのつながり」「大学や将来への職業について」など、進路指導に関する具体的な項目が挙がりました。
最後に「先輩方の体験談」「スランプ脱出法」「勉強法」など、中学生の学習姿勢に関する項目が多く挙がりました。
■先生たちの「よみうり進学メディア」感想
アンケートでは問2として、先生方の感想をいただく欄を設けました。
「生徒の悩み等、共感できる内容をありがとうございます」「生徒の意識づけに活用できる内容がよい」「定期的に配ることで生徒には受験生としての実感を持たせることに役立つ」などのコメントを多数いただきました。
御礼申し上げますとともに、今後とも中学生と教育・学校の動きに沿った紙面づくりに取り組んでまいります。
最後に中学生と保護者の皆さまにお伝えしたいのは、急激に変化する社会環境の中で、教える側の先生たちも新しい課題へ取り組み、学ぶ努力を続けているということです。
教育は社会と密接な関係を持っています。
社会が変わるいま、未来へ向けて役立つ情報を先生と生徒、保護者の皆さんにお届けしていきたいと気持ちを新たにしています。
(編集部)