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2024.3.13

東京都 都立高入試(一般)『数学』-「家庭教師のトライ」解説&勉強法-2024年度高校入試

都立高校の入試問題ってどんなもの?先輩たちが受けた試験問題を実際に見てみましょう。
「家庭教師のトライ」の先生による、解答付きです。
『都立高「数学」の全体傾向と対策』『数学の勉強法』もあります。

試しにチャレンジ、今は正解でなくても大丈夫です。
「都立高校の学力検査問題」のイメージをつかみ、今後の勉強に生かしていきましょう。

■都立高校の入試問題と解答・採点表(全教科)はこちらから:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉東京都 2024年度 都立高校入学者選抜「学力検査問題・正答表」-令和6年度


2024年度「都立高校一般・分割前期 数学問題 大問2問2」

■解答(考え方・解き方)


2024年度「都立高校一般・分割前期 数学問題 大問5問2」

■解答(考え方・解き方)


都立数学「解き方のポイント」

【全体的な傾向】=======================
問題の量や形式は例年通りでした。教科書の学習内容から派生した比較的取り組みやすい問題が中心で、昨年度よりやや易しくなったと言えます。日頃から、基礎~標準レベルの問題に慣れ、正確に早く解けるように練習しておくことが、都立入試で得点する上で重要です。
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【大問1】 小問集合(小問9題・46点)〔基本〕
問1~問6は基本的な計算問題、問7は箱ひげ図の問題、問8は図形問題、問9は作図問題でした。
これらはすべて教科書に沿った問題で、授業をしっかり理解していればすべて解ける内容です。しかし、箱ひげ図は正しい文章を選ぶという慣れない出題形式であったこと、図形問題と作図問題は条件がやや難しかったことで、それぞれ戸惑ったかもしれません。

【大問2】 文字の利用・規則性(小問2題・12点)〔標準〕
例年通り「先生や生徒が問題を考えた」という設定で、図形を使った計算問題と証明問題が出題されました。
問1は、台形の面積が三角形の面積の何倍にあたるかを求める問題ですが、計算せずとも図形的特徴を使えば容易に求められました。
問2は2つの台形の面積が等しいことを示すために、因数分解を利用して式を変形することがポイントでした。

【大問3】 2次関数(小問3題・15点)〔標準~応用〕
問1は変域を求める問題、問2は直線の式を求める問題、問3はグラフ中の2つの三角形の面積を文字で表すことで解く問題でした。
自分で座標を設定して三角形の面積を適切に表せるかが問われましたが、座標の設定さえうまく行うことができれば基本的な計算で対応できました。

 

【大問4】 平面図形(小問2題・17点)〔標準~応用〕
問1は図形の性質を利用して角度を求める基本的な問題でした。
問2の①は昨年と同様に相似条件を使った証明が出題され、正しく記述できるかが問われました。
問2の②は相似条件を使って線分の長さの比を求める問題で、複数の相似な三角形の関係を活用して正しく求められるかがポイントでした。

 

【大問5】 空間図形(小問2題・10点)〔標準〕
図形の性質を利用して角度と体積を求める問題でした。
問1は二等辺三角形の性質から角度を求める問題でした。
問2は例年通り体積を求める問題でしたが、求めるべき高さがわかれば比較的簡単に解くことができました。いずれも図形の性質を立体の中でうまく活用できるかが問われました。


都立入試数学の対策

都立入試の数学は、中学範囲の様々な分野から出題されます。そのため、苦手分野から目を背けることなく、入試に向けて基礎固めを怠らないことが肝心です。
大問1の小問集合は安定した得点源となり得るので、基礎~標準レベルの問題を正確に早く解けるように練習しておきましょう。難しい問題が出ることもありますが、基礎力があれば解ける内容がほとんどです。
さらに点を伸ばすためには、完答が難しく本番でも差がつきやすい図形問題の証明や応用レベルにチャレンジしてみるとよいでしょう。

数学の勉強法

今年度の数学は中学3年生で学習する単元を中心に、教科書に沿った基本問題が多く出題されました。
中学3年生で学習する単元の多くは、中学1年生~中学2年生で習った範囲がベースとなります。この春は、中学1年生~中学2年生で取りこぼした内容や苦手分野の総復習を行い、基礎力を高めておきましょう。

【計算問題】
計算力は、「速さ」と「正確さ」から構成されます。都立入試の数学では、特に「正確さ」が求められます。
計算ミスをなくすために、「途中式を省略しない」「似たような文字を見間違わないように丁寧に字を書く」「検算をする」の3つのポイントを、日頃から意識して問題を解くようにしましょう。

【方程式・関数の問題】
方程式や関数の問題では「問題文を正しく読み取り、正しく式を立てること」がカギとなります。問題文を正しく読み取るためには、問題で述べられている状況を表や図に書く練習をしましょう。
また、正しく式を立てるために、公式やその使い方を自分の言葉で説明できるようにしておきましょう。
関数の問題では特に、座標平面におけるラフと図形の関係に注意しながら解くことが正答するポイントです。

【図形の問題】
図形の性質を把握して問題を解くことが大切です。各図形の持つ性質を思い出し、それを図に書きこむ練習をするとよいでしょう。
また、補助線を必要とする問題が多く見られるのも特徴です。「正しい補助線の引き方」を理解し、実際に手を動かして線を引く練習をしましょう。
立体問題では、切断面や展開図を活用して問題を平面にして解くことがポイントです。演習を重ねて、解き方に慣れておきましょう。

【データの問題】
データの問題を解くには、用語の意味を理解していることが前提となります。そのうえで、図表やグラフを通して得られる情報を、自分の言葉で説明できるようにする必要があります。
特に、箱ひげ図は全国的にもよく出題されるため、その読み方や解釈方法をしっかりとマスターしておくことが重要です。

【応用問題】
応用問題は、基礎問題を複雑に組み合わせた問題です。そのため、応用問題で正答するには、基本をしっかり理解していることが前提になります。基礎力を確実につけた上で、応用問題特有の思考法や視点を養うことを目指しましょう。
応用問題は決まったパターンで出題されるのではないため、解き方を丸暗記するのではなく、学んだ考え方を自分のものにして、別の問題にも対応できるようにすることが大事です。

【勉強の進め方について】=================
日々の学習では、まずは基礎力をつけ、その後、教科書の章末問題に取り組みましょう。また、週末や長期休暇など余裕のある時には、苦手分野の復習を行うことが重要です。
数学は積み重ねの科目であるため、中学1年生~中学2年生で習う内容をしっかりと理解できていないと、中学3年生で習う単元に対応できません。受験に向けて基礎を固めるためにも、今から着実に苦手単元の克服しておきましょう。
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出題:東京都教育委員会 解説:家庭教師のトライ

(よみうり進学メディア編集部)

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