埼玉県教育局は、5月末に令和5年度公立高校の選択問題実施校と学力検査出題の基本方針、出題の範囲、6月に入試募集人員とリーフレット、7月に入試実施要項、各校の選抜基準を発表した。これにより、5年度入試の全容が出揃ったことになる。
中学3年生の、第一回目の進路希望調査結果が発表され、いよいよ志望校選定の時期が到来した。
学校説明会や個別相談の実施が定員制や予約制となり、実際に高校へ行く機会も少なくなっているが、インターネット等を利用して各校の状況を調べ、志望高校を決定していってほしい。
10月31日に「令和5年3月の中学校卒業予定者の進路希望調査10月1日付」が発表された。
この結果の見方、考え方については、既報のとおりなので説明は省略するが、いよいよ、志望校決定の期間に突入したことになる。
また、10月上旬には、「受検生心得」が告知された。
入試日程、当日の時間割、携行品、実技検査(実施の場合)の日程・時間、面接(実施の場合)日程・時間、受検当日の集合に関する注意、合格者発表の時間・方法、感染防止対策などが記載されている。
合格発表は、ウェブによるものが9時、掲示によるものが10時からとなる。
入試当日の携行品では、受検票、鉛筆(シャープペンシル可)、消しゴム、三角定規(直定規可)、コンパス、時計(計時機能のみ)、弁当、上履きなどとなっており、学力検査に必要ないものの携行は禁じられていることに注意しよう。『下敷き、分度器、色鉛筆、ボールペン、携帯電話、計算機等』は携行禁止だ。
また感染防止対策では、入試当日のマスク着用はもちろんのこと、入試期間までのマスク着用、こまめな手洗いや検温など、細部にわたる注意事項が記載されている。
健康に留意し万全の体調で入試に臨んでほしいという、高校の先生方の心が込められている。
■「進路希望調査10月1日付」について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2023年度入試〉埼玉県「進路希望調査結果(10月1日現在)」発表-公立校では市立川口3.66倍、市立浦和3.30倍
埼玉県公立中学校、校長先生方の会では進路指導の指針として、
①1・2年生の各教科の評定について、生徒・保護者から希望があれば伝えても良いこと。
②12月の中旬以降、本人からの3年次の調査書の評定の問い合わせには、口頭で伝えても良いこと。
③12月の最終授業日から2月1日の間に、調査書と同じ内容の「成績及び諸活動等の記録通知書」を保護者に通知すること。
などが各中学校に連絡されている。
受験する高等学校へ提出される調査書の内容は「通知書」で確認できるようになっているのだ。
確認しておきたいことは、評定の数値や特別活動の記録だけではない。
校外の活動でも、選抜において「特別活動等の記録の得点」や「その他の項目の得点」で加点される可能性がある。
各種検定や舞踊、書道、華道、茶道、囲碁、将棋など、師範や段級位等の特技等はあらかじめ担任の先生に報告しておいてほしい。
入試で大きなウエイトを占める調査書の「各教科の評定」の確定時期が迫ってきた。
定期テスト対策は無論だが、宿題の提出を忘れないこと、積極的に日々の授業に参加することを心がけて日々を過ごそう。
■「調査書」や各校の選抜基準にについて詳しくは:よみうり進学メディア
〈2023年度入試〉埼玉県 公立高「各高校の選抜基準」を発表-令和5年度
8月末に発表された、今春の県内高等学校卒業生の進路状況(速報)では、国・公・私立高校の全日制課程卒業生53,057人のうち、大学64・2%、短期大学3・9%、専修学校21・Ⅰ%、就職10・7%などとなっていた。また、専修学校(予備校)を含め進学準備(いわゆる浪人)が5・5%となっている。
過年度卒業生の進学者を含めると、大学への進学者は卒業生の68%を超える。短期大学を含めた大学等への進学者は、7割を超え、専修学校を含めた進学者は約9割にもなる。
一方、大学入試では前年春から大きな入試改革が実行され、さらに首都圏の大学では、定員の超過に対してペナルティが課される定員の厳格化が実施されていた。
そんな中で、過去に例を見ない大学進学率が出現したことになる。
中学生の皆さんに高校の卒業生の進路をお知らせするのは、少し早いかもしれないが、3年後の進路を意識しながら、自分の志望校を考えることは必要だと思う。
今春の全日制の入試では、出願1・10倍、志願確定1・10倍で推移し、実質倍率は、1・14倍となった。
受験生の約12%、4,758人の不合格者が出ていた。
公立高校の入試には、一定の倍率がある。このため公立希望者は、併願で同等の教育を受けられる私立高校を受験しておく必要があるだろう。
5年度に臨む中学3年生は、前年より約60人減少し62,787人、うち私立中学校は3,292人で130人増となっている(令和4年度学校基本調査より)。
在籍数の変化は少なかったが、公立高校の募集人員は720人減少した。
埼玉県公立高校では、これまで卒業予定者の増減に合わせて募集人員を増減させているため、入試の平均倍率は変化が少なかったが、5年度入試では卒業予定者の減少より募集人員減が多いため、平均倍率は少し高くなると考えられる。定員が減少した15校、及び募集停止となった飯能南、児玉柏楊を中心に、倍率の変化に注意しておきたい。
■昨年度(令和4年度)の「志願者」確定数について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2022年度入試〉埼玉県 公立高校「志願者確定数(2月21日)」発表 全日制1.10倍-令和4年度
新型コロナウィルス感染症の影響で、県内だけではなく東京都内などでも大規模な入試相談会が定員制・申し込み制になり、受験生の学校選択に影響が出ているようだ。
インターネット等を駆使して各学校の情報を収集し、自分に合った学校選びを行って欲しい。
一方、中学校では実力テストや校長会テスト等での入試分析が進み、確実な進路指導が受けられるようになってきている。
中学校でのこれらのテストは、公立入試に準拠しているケースが多いようで、受験の模試の意味合いも強い。
また、個人成績表に記載される偏差値などの指標は、私学の単願や併願の基準となることも多いようだ。しっかり準備して、全力で受験に臨んでいって欲しい。
計画をたてて、無理なく実行しよう
公立高校の出願まであと3か月弱、これから皆さんにやってほしいことは計画を立てて、それを実行することだ。
自分なりの勉強のスケジュールを作ってみよう。
そして、強い意志で実行して行ってほしい。
学校や塾での勉強とは別に、自学・自習の必要があるということだ。
計画が実行できたなら、それは受験だけに限らず、今後の皆さんの自信につながることになるだろう。
(岩佐教育研究所 岩佐桂一)
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