よみうり進学メディア

埼玉 入試情報
2023.12.1

〈2024年度入試〉埼玉入試情報 「過去問で最終チェックだ」-令和6年度

いよいよ令和6年度入試本番、志望校決定の時期となった。
12月下旬から1月上旬にかけて開始されるインターネット等を利用した私立高校の出願、2月7日から郵送やネット等で開始される公立高校への出願。そこから3月1日の合格発表まで、2か月を超える高校入試が開始される。

5類になったとはいえ新型コロナの脅威が続き、インフルエンザの流行もある。健康に留意すること、強い気持ちで志望校に挑戦すること、本気で勉強に集中できるかなどが、受験期を乗り越えるためのポイントになるだろう。

今月号では、既報もあるが、現時点のチェックポイントをまとめた。

12月の進路希望調査が志願先決定の目安

9月末に来春の卒業予定者の進路希望調査が実施されたが、公立高校志望の皆さんの希望高校の倍率はどうだったろうか。思いもかけない高倍率に驚いている人もいるかもしれない。
しかし、まだ漠然とした時点での調査のため驚く必要はない。
進路希望調査はもう1回、12月第2週に実施される。結果は1月上旬に新聞発表される予定だ。
この時期には多くの私学の個別相談も終盤となり、志望校も固まってくる時期でもあるため、12月の進路希望調査の内容は、受験生の動向を見る重要な資料となる。

前年度では、この時点で公立を志望した人の、公立を受験した割合は、およそ99%になっていた。
ただし、公立高校は、2月7日から郵送による出願(公立15校はインターネット出願)が始まるため、冬休み中の学習の成果や、通知書の内容を確認してから受験校の最終決定ができることに留意しておきたい。

「進路希望調査(10月1日付)」について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉埼玉県「進路希望調査結果(10月1日現在)」発表-公立校では市立川越3.79倍、市立浦和2.82倍

過去問に挑戦してみよう 新たな分野は要チェック

公立高校の入試問題の出題範囲は「中学校の3年間で学習した内容」とされている。また、各学年の内容がまんべんなく出題されることも特徴となる。

これから冬休み期間中に、過去の入試問題(過去問)に挑戦してみよう。

ただし令和3年度入試の問題は、令和2年のコロナ禍による休校があったため公・私立とも試験では3学年後半の単元の多くが出題範囲から削除された。
令和3年度入試の問題を紐解く場合には、この範囲が入っていないことに注意しよう。

また、皆さんが中学1年生になった時から、新しい学習指導要領が施行された。教科書が改訂され、数学や英語などで、これまでにない単元を学んでいる。4年度入試以降の入試問題は、少し単元内容や出題方法が変わっていることにも注意が必要だ。
数学では、中1の時に「累積度数・累積相対度数」、中2で「箱ひげ算」、「四分位数・四分位範囲」、「反例」などが加わった。英語では単語数が増加するとともに、「感嘆文」「仮定法」「原形不定詞」「現在完了進行形」が、理科では「ダニエル電池の実験」が加わった。
中学1年次の教科書からこれらの内容を確認しておいてほしい。

新たに、問題発見や解決を求める出題も

各教科の知識・理解は無論だが、それに加えて思考力・判断力・表現力などの力を見る出題がされることにも注意が必要だ。
このため出題では「資料文の提示」や「対話形式での出題」「自分の言葉で説明する」といった形式が増えてくるかもしれない。

私立入試においても県の出題範囲に準拠する学校が多いことにも要注意だ。

したがって、中学3年次に学んだ内容の復習は無論だが、教科書を中心に中学1・2年生の内容も見直しておきたい。

また、公立・私立ともに過去数年の入試問題を繰り返し解いてみることは参考になる。
同じ問題は出題されないし、新しい分野が加わる可能性はあるが、入試の出題方法や難易度に変化はないはずだ。

通知書で調査書内容を確認。さあ得点力強化だ

埼玉県の公立中学校の校長先生方の会が進路指導の指針として、

①1・2年生の各教科の評定について、生徒・保護者から希望があれば伝えても良いこと。
②12月の中旬以降、本人からの3年次の調査書の評定の問い合わせには、口頭で伝えても良いこと。
③12月の最終授業日から2月1日の間に、調査書と同じ内容の「成績及び諸活動等の記録通知書」を保護者に通知すること。

などを各中学校に連絡した。受験する高等学校へ提出される調査書の内容は「通知書」で確認できるようになっているのだ。
公立を志望する場合は、評定を確認したうえで、最終志願先を決めことができる。
調査書の「各教科の評定」は入試で大きなウェイトを占めるが、高校ごとに発表される選抜の基準では、評定による得点のウェイトは高校によって異なっている。
さらに入試得点との合算に、特別活動などの得点が加算され、総合得点で合否が決定される。
このため、各教科の評定合計の多少の差は、入試得点でカバーすることができる。
皆さんがこれから心掛けることは、5教科の実力アップ、得点力の強化だ。

公立各校の選抜基準について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉埼玉県 公立高「各高校の選抜基準」を発表-令和6年度

計画を立て、実行しよう 健康管理も重要

私立高校の推薦の出願まで6週間、公立の出願まで2か月余りとなった。
これから、冬休み期間中を含めて皆さんにやってほしいことは、計画を立てて、それを実行することと、皆さん自身の健康管理だ。
無駄を省いて睡眠時間を確保すること。外から帰ったら消毒液で手を洗い、うがいを忘れないこと。外出時では、3密を避けること。注意することはたくさんある。
風邪の症状や腹痛、発熱などがあったら、早めにお医者さんに行っておこう。担任の先生への報告も忘れずに。

(岩佐教育研究所 岩佐桂一)

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