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埼玉 入試情報
2023.1.5

〈2023年度入試〉埼玉県公立校「2022年度の入試問題を解剖!③-後編」通過率・正答率データを活用した勉強法【社会・理科・英語】

【前編】に続き、昨年度の入試問題分析から、小問ごとの通過率・正答率データを活用した勉強法をお伝えします。後編は社会、理科、英語です。
■前編はこちら:
〈2023年度入試〉埼玉県公立校「2022年度の入試問題を解剖!③」通過率・正答率データを活用した勉強法・前編【国語・数学】

【社会】 複数の資料を見た上で答える問題が増加

令和4年度平均点(全日制)は52.9点で、前年の62.6点から10点近く下がりました。

小問ごとの通過率を見て行くと、大問1・大問2の地理分野には通過率が50%を下回る問題は9題中1題しかありません(大問1問4が49.8点)。
それに対し、大問3・大問4の歴史分野は10題中8題が通過率50%以下で、20%台も3題ありました。歴史分野を不得意とする人が多いことがうかがえます。

社会は暗記だけでは対応できませんが、覚えるべき用語や人名などが多いのも事実です。
特に歴史分野にその傾向が見られます。もう一度基礎知識の見直しを図りましょう。

通過率がもっとも低かったのは大問6の問2で17.0%でした。年代の並べ替え問題です。
大問4の問2も並べ替えでしたが、こちらも通過率は29.1%でした。
これらは年号を暗記しているかどうかではなく、それぞれの事項の関連を理解しているかどうかを問うものです。原因・経過・結果・影響をしっかり理解しておきましょう。

どの教科にも言えることですが、思考力や判断力が試される問題が増えています。
これらの問題の特徴は、文書・グラフ・図表・地図・写真などを見た上で答えを導かなければならない点です。
この傾向がもっともよく現れているのが大問6の三分野総合問題なので、まだの人はすぐに過去問題集で確認してください。

【理科】 計算が必要な問題、文章で説明する問題が課題

令和4年度平均点(全日制)は前年の56.2点からやや下がり52.5点でした。
地学、生物、化学、物理の各分野からほぼ均等に出題されています。
出題単元によって平均点が変動する傾向があります。

大問1は四分野からの独立小問8題で構成されており配点は24点です。
基礎基本的な知識があれば出来るはずの問題ですが、通過率50%以上と50%以下が半分ずつとなっており、決して易しいとは言えません。

大問2は地学分野です。令和4年度は「地球と宇宙」からの出題でした。通過率ワースト5のうち4題はこの分野の問題であり、受験生は大苦戦しました。

大問3は生物分野です。「生物の体のつくりとはたらき」からの出題でした。全体的にはよく出来ていましたが、問6の指定された3語を用いて文章で答える問題が出来ていませんでした。

大問4は化学分野です。「物質のすがた」からの出題でした。この分野も全体的にはよく出来ていましたが、問3の指定された語を用いて文章で答える問題が出来ていません。

大問5は物理分野です。「身近な物理現象、運動とエネルギー」からの出題でした。5題中3題は通過率50%以下ということから受験生が苦戦した様子がうかがえます。特に、計算を必要とする問4の出来がよくありませんでした。
理由などを文章で説明する問題や、計算により答える問題の対策が必要です。

【英語】 英文の要点をしっかり読み取る練習が必要

令和4年度学力検査問題の平均点(全日制)は前年の51.4点からやや上がり52.6点でした。
学校選択問題は前年の61.6点からやや下がり58.3点でした。
英語では冒頭の10数分がリスニング問題にあてられるため、残りは40分弱しかありません。時間をどう割り振るかも高得点を取るための課題となります。

【学力検査問題】
大問1はリスニングで配点が28点です。11題中4題は通過率50%を下回っていました。

大問2は基本的な語い力(単語力)を試す問題でしたが、通過率30%台が2題ありました。

大問3と大問4は長文読解です。大問3は比較的出来ていますが、大問4は8題中4題が通過率50%以下でした。

全体を通して言えるのは、英語での解答が求められる問題の出来が悪いことです。

【学校選択問題】
大問1のリスニングは学力検査・学校選択共通問題なので、学校選択問題受験者にとっては易しかったようです。言い換えれば、ここでは点数を落とせないということです。

大問2、大問3は問題文の量が多いので、読むスピードと、要点を読み取る力が求められます。
大問3問6は、問題文を要約した英文を完成させる問題でしたが、通過率がきわめて低く、無答率も非常に高くなっています。時間が足りなかったせいもあるかもしれませんが、毎年出される形式なので十分な対策が必要です。

■【前編】はこちら:
〈2023年度入試〉埼玉県公立校2022年度の入試問題を解剖!」通過率・正答率データを活用した勉強法【前編】国語・数学

このシリーズは「埼玉県入試問題を解剖!」の<第3回>です
<第1回><第2回>も確認しておきましょう。

■<第1回>問題構成・配点と平均点の推移について:
〈2023年度入試〉埼玉県 公立高「2022年度の入試問題を解剖!①」問題構成と平均点から見えてくること
■<第2回>各問題の正答率(通過率)と問題傾向について:
〈2023年度入試〉埼玉県 公立高「2022年度の入試問題を解剖!②」 各問の正答率から見えてくること

(よみうり進学メディア編集部)

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