よみうり進学メディア

埼玉 入試情報
2023.5.23

〈2024年度入試〉埼玉入試情報「令和5年度入試の検証から6年度入試を探る」前編

入試を知って、計画を立てて、実行していこう

連休があけ、中3生はいよいよ令和6年度入試に向け本格的に始動する時節が来た。

5類になったとはいえ新型コロナに対しては引き続き、感染を避けるための細心の注意が必要となろう。

令和3年4月から中学校で、前年から高等学校で、新しい学習指導要領が施行された。皆さんは中・高の6年間で、新しい学びを履修していく初めての学年ということになる。

これに伴い、入試にも変化が起こっている。
今月号と次月号の2回に渡って、5年度の公立高校入試を振り返りながら、6年度入試への変化を予測していく。

令和5年度の公立入試は、やや厳しくなった

令和5年度の公立高校(全日制)の入試では、3万6002人(転編入枠240人、伊奈学園中、市立浦和中の159人を除く)の募集人員に対し、4万70人が出願した。
2022年12月での進路希望調査における公立高校希望者4万528人のうち、98・9%が出願したことになる。出願倍率(出願者÷募集人員)は1・11倍で、前年より0・01倍増加した。

出願日は2月9日・10日・13日(9日は郵送)。県内私立高校の入試は終了しているが、都内私立高校の入試期中にあたる。
志願先変更を経て、受験当日の欠席者が89人、当日までの志願取り消し者が215人出て、受検倍率は前年より上昇し1・10倍になった。

合格発表では転編入枠を含め、募集人員を上回る合格者を出す学校もあったが、実質倍率は、1・14倍(実受験者数÷合格者数)となっていた。
5年度入試の不合格者は、5,009人だった。前年の4,758の不合格者より多くなっており、人気校の入試の厳しさは継続している。

なお、入試の欠席者で新型コロナ罹患者が23人出ていた。再受験のチャンスはあるが、体調管理が強く求められる。

7月には公立の要項、募集人員が発表される

令和6年度の入試は、ほぼ前年に準じた日程で実施される予定だ。
また、入試選抜についての方針に変化はないとみられる。

例年、募集定員は6月に、各学校の入試選抜基準や、選抜要綱などは7月中旬頃に発表される。
来春の入試に臨む公立中学校卒業予定者は、およそ5万8650人,前年から700人程度減少する見込みだ。(令和4年度学校便覧より)
全日制の募集人員はそれに伴い、10 学級程度減少すると見られる。

また「魅力ある県立高校づくり」の第一期計画において、令和5年度から飯能と飯能南の統合により「飯能高校」が開校。児玉白楊と児玉の統合により「児玉高校」が開校した。
8年度には、和光国際と和光、岩槻と岩槻北陵、秩父と皆野、越生と鳩山、八潮南と八潮、大宮工業と浦和工業、12校の統合再編が実施されることが発表されている。
このため、和光、岩槻北陵、皆野、鳩山、八潮、浦和工業の6校では、6年度の募集は停止となる。

選択問題は、難問が続く 事前の研究は不可欠に

入試選抜は、調査書と学力検査の得点の総合評価(合計得点)で行われる。
受験生には、得点力を高めるための自ら学ぶ力と、評定を確保するための努力(中間・期末考査のがんばりや授業への集中力)が求められる。
数学・英語の学校選択問題は、5年度においては

浦和、浦和第一女子、浦和西、大宮、蕨、川口北、川越、川越女子、川越南、所沢、所沢北、和光国際、熊谷、熊谷女子、熊谷西、不動岡、越ケ谷、越谷北、春日部、市立浦和、私立大宮北、川口市立の22校で実施された。

学校選択問題には難問が多いとされるが、志望校が選択問題採用校ではないから、難しい内容の勉強をしなくてよいということではない。
難問まで含めて、中学校での学習範囲であり、高校での学習はそこからの積み重ねとなっていくからだ。
令和6年度入試の選択問題採用校は、まもなく発表される予定だ。

2回の進路希望調査が、志望校を決めるタイミング

埼玉県では例年、10月1日と12月15日日付けで、国・公・私立中学3年生の進路希望調査を実施している。
1人1校第一志望校を中学校に提出した結果が集計される。

皆さんが公式に志望校を明らかにするのは、この時点となる。10月1日付けは11月初旬、12月15日付けは1月中旬に発表される。

2回目の調査は、私学の個別相談が終了し、調査書の評定も確定する時期にあたる。第一志望の高校が決まる人が多くなるため、その年度の入試の動向を知る重要な資料だ。

令和4年12月15日付けの高校等進学希望者は98・6%、県内公立希望者は、63・9%となっており、公立希望者は、前年から733人減少していた。

■昨年度の先輩たちの「進路希望調査(12月15日付け)」を見てみましょう:よみうり進学メディア
〈2023年度入試〉埼玉県「進路希望調査結果(12月15日現在)」発表-公立校では市立浦和2.85倍、 川口市立2.69倍

連休があけ、いよいよ受験期が開始される

令和6年度入試に臨む際のポイントは、各教科の評定の扱いだ。
令和3年4月から中学校の新学習指導要領(※注)が施行され、思考力、判断力、表現力を伸ばすための工夫された授業が開始されている。

同時に、各教科の評定の基となる観点別評価が、全教科「知識・技能」、「思考・判断・表現」、「主体的に学習に取り組む態度」の3観点となった。

すべての観点がA~Cで評価され、それを基に評定が決まることになる。
定期考査の結果はもちろんだが、日々の授業態度や積極的に授業に臨む姿勢、考えて発表する内容、提出物などが大きなウエイトを占める。さらに、授業への集中や緊張感などが求められている。
連休があけ、いよいよ受験を意識する時期となった。早めのスタートでワンランクアップを目指そう。

※注 どの地域でも一定の水準の教育を受けられるようにするために、国が学校教育法等に基づいて定める。

(岩佐教育研究所 岩佐桂一)

「後編」は2023年度6月号(6月9日配布開始)に掲載予定です。

 

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