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東京 入試情報
2023.5.22

〈2024年度入試〉東京入試情報「令和5年度入試の検証から6年度入試を探る」前編

入試を知って、計画を立てて、実行していこう

連休があけ、中3生はいよいよ令和6年度入試に向け本格的に始動する時節が来た。

5類になったとはいえ新型コロナに対しては引き続き、感染を避けるための細心の注意が必要となろう。

令和3年4月から中学校で、前年から高等学校で、新しい学習指導要領が施行された。皆さんは中・高の6年間で、新しい学びを履修していく初めての学年ということになる。

これに伴い、入試にも変化が起こっている。
今月号と次月号の2回に渡って、5年度の都立高入試を振り返りながら、6年度入試への変化を予測していく。

 

在籍増に都立高は16学級640人の定員増で対応

令和5年度入試に臨んだ受験生は、前年より約1,200人増加した(令和4年教育人口等推計)。このため都立高全日制では、16学級分640人の募集人員増が実施された。

学校ごとでは三田、向丘、竹台など20校で20学級の増となり、竹早、広尾の2校が1学級の減、中高一貫校の白鷗が高校からの募集を停止している。 令和6年度入試では、公立中学校の卒業予定者が前年より210人程度増加する(同人口推計)。
都立高校の募集人員は、2〜3学級程度増加になると見られる。

志望校の選択では、前年の倍率、募集人員の増減が影響することも多いため、変更があった学校の動向に注意が必要だ。
入試の概要を提言する入学者選抜検討委員会の報告は、例年9月中旬に、募集人員は10月中旬にに発表される。

 

男女別定員の緩和措置は20%に拡大

令和5年度入試における大きな改善は、普通科(コース及び単位制を除く)全校で男女別定員の緩和が20%に拡大したことが挙げられる。さらに6年度においては、推薦に基づく選抜も含め男女合同選抜に移行する可能性が高い。

前年から実施された男女別定員の緩和措置は、
①4年度は、普通科全校で10%男女合同選抜とする。
②5年度に、20%とする。
③今後、男女合同定員に移行する。
となっていた。

この結果、第一次・分割前期(以下一般とする)の普通科の実質倍率は、男子1・42倍、女子1・39倍(前年は男子1・39倍、女子1・40倍)と、男女が逆転していた。

 

東京都中学校英語スピーキングテストの実施

英語4技能(読む・書く・聞く・話す)のうち「話す」ことを評価する英語スピーキングテスト(ESAT-J)が、5年度の入試選抜から本格的に実施された。

昨年は、11月27日に197の外部会場で試験が実施され、12月18日に13会場で追検査が行われた。参加者は71,197人、平均点は60・5点となっていた。

結果は1月中旬に個人・中学校へ返却。A〜Fの6段階で評価されている。
各高校では、調査書に記載された評価を20点から0点に換算し、入試得点と調査書得点の合計値に加算する。1,000点満点の合計得点への加算となるが、この加点は大きい。

なお、12月に実施された中学校長会の進路希望調査では、卒業予定者77,692人のうち全日制志望者が71,395人となっており、卒業予定者の92%、全日制志望者のほぼ全員がこのテストに参加したことになる。
6年度入試に向けて、ESAT-Jの受験を予定して欲しい。

■昨年度実施された「英語スピーキングテストESAT-J」について、概要がまとまっています:
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〈2024年度入試〉東京都 都立高「スピーキングテスト(ESAT-J)」令和5年度実施について

 

推薦・一般は、全校インターネット出願に

新型コロナウィルス感染症へのリスク回避の観点から、5年度入試では、全校インターネット出願となった。また、合格発表も8時30分に出願サイトで行われ、その後、9時30分に各校で掲示された。今後もこの方式が主力になりそうだ。

 

連休があけ、いよいよ受験期に突入

令和6年度入試に臨む際のポイントは、各教科の評定の扱いだ。
3年4月から中学校の新学習指導要領(※注)が施行され、思考力、判断力、表現力を伸ばすための工夫された授業が開始されている。
同時に、各教科の評定の基となる観点別評価が、全教科「知識・技能」、「思考・判断・表現」、「主体的に学習に取り組む態度」の3観点となった。

すべての観点がA〜Cで評価され、それを基に評定が決まることになる。定期考査の結果はもちろんだが、日々の授業態度や積極的に授業に臨む姿勢、考え、発表する内容、提出物などが大きなウエイトを占める。
この観点を基にして、各教科の評定が決まる。
さらに調査書は、1・2学期(前後期制の場合は前期と12月末まで)の評定を基に作成される。

受験生には、授業への集中力や緊張感などが求められている。
連休があけ、いよいよ受験を意識する時期となった。早めのスタートでワンランクアップを目指して欲しい。

※注 どの地域でも一定の水準の教育を受けられるようにするために、国が学校教育法等に基づいて定める。
(岩佐教育研究所 岩佐桂一)

「後編」はこちら
〈2024年度入試〉東京入試情報「令和5年度入試の検証から6年度入試を探る」後編

 

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