よみうり進学メディア

東京 入試情報
2023.7.12

〈2024年度入試〉東京入試情報 「計画を立て、悔いのない夏を過ごそう」-令和6年度

説明会に参加し志望校とめぐり合おう

1学期も後半、受験生の夏が到来した。
都立・私立高校のホームページなどでは、学校説明会・体験入学等の日程が発表され始めている。
5類になったとはいえ新型コロナの感染予防から、相談会や学校説明会などは申し込み制や定員制になるなど制約は多いが、積極的に参加しておきたい。

多くの3年生は、夏の大会で部活を卒業する。それまで力いっぱい戦い抜いて欲しい。多忙な日々が続くが、そんな中でもいろいろな機会を生かし、情報を集め、高校生活を体験し、自分を伸ばしてくれる学校とめぐり合ってほしい。

入試問題の研究を始めることも夏の課題

6月末に都立高校の一般入試・学力検査、昨年度の結果が発表された。
国語は34,817人、数学は34,818人、英語は34,578人、社会と理科は38,623人の平均となっている。(学校独自問題での実施を除く)
国語80,8点(68,8)
数学57,6点(59,0)
英語62,8点(61,1)
社会55,6点(49,2)
理科59,4点(61,4)
( )は前年度の平均

5教科合計では、前年度より16,7点上昇し316,2点となった。
各教科をみると、国語が12,0点、英語が1,7点、社会が6,4点上昇し、数学が1,4点、理科が2,0点下降していた。

3年度からの学習指導要領の改訂に伴って、新たに「課題を考えること」「気づくこと」「自分の言葉で説明すること」などの問題が増える傾向があるが、入試問題は、多少解きやすくなっているようだ。
学力検査問題の平均点は、これまで国語は65~70点、他教科は55~60点になることが多く、作問の目標点はこのあたりと考えられる。

 

■昨年、令和5年度の「都立高校 学力検査(令和5年2月21日実施)」調査の結果を詳しく知りたい場合はこちら:よみうり進学メディア
東京都 都立高「2023年度/令和5年度 都立高校入学者選抜学力検査結果調査について」発表

 

 

入試制度の理解は高校入試の第一歩

都立全日制の第一次・分割前期(以下一般入試)の学力検査では、共通問題で実施する学校ではマークシート方式となる。
また、学力検査と調査書の比率は7対3(分割後期、二次募集は6対4)となり、実技系教科の調査書点は2倍にされる。

進学指導重点校グループと進学重視型単位制高校グループでは、国語・数学・英語の3教科の入試問題は自校作成の形(一部共通テスト問題も可)となっている。

5年度入試での自校作成問題採用校は、日比谷、戸山、青山、西、八王子東、国分寺、国立、新宿、墨田川、立川(普通・理数)、国際の11校。国際が英語のみ自校作成、他の10校では国語・数学・英語を自校作成とし、他の教科は共通問題を実施した。
6年度については、入学者選抜実施要綱として、9月下旬に発表される。

本紙6月号で既報だが、5月に発表された都立高校の6年度の入試日程を、改めて確認しておこう。推薦、一般入試の出願については、前年から全校インターネット出願となっている。(第一次の都立国際・IBコースの出願は持参)

日程はすべて令和6年(2024年)
推薦
出願 1月12日~18日
受験 1月26・27日
合格発表 2月2日
一般
出願 1月31日~2月6日
受験 2月21日
合格発表 3月1日

私立高校は、推薦の解禁が1月22日、一般が2月10日となっている。入試日程、推薦や併願優遇などの制度の具体的な内容、その基準などは、説明会などで告知が開始されている。

都立高校の選抜基準や私立高校の入試制度を研究すること。各教科の評定や学力は「自分なりの目標」を定めること。それを達成するための努力することなどが、今後の皆さんの夏の努力目標となるだろう。

■都立高の日程を詳しく知りたい場合はこちら:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉東京都 都立高「2024年度(令和6年度)入学者選抜の日程決まる」‐令和6年度

■この記事にある「カレンダー」には、都立と私立の両方が記載されており、使いやすくお勧めです:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉東京都 「都立高・私立高 進学カレンダー」公開-令和6年度

 

一昨年からの新単元に注目、英単語の量は増加

一昨年に教科書改訂があり、数学では中1の単元で「累積度数・累積相対度数」、中2で「箱ひげ算」「四分位数・四分位範囲」「反例」などが加わった。英語では単語数が増加するとともに、「感嘆文」「仮定法」「原形不定詞」「現在完了進行形」、理科では「ダニエル電池の実験」が加わるなどの変化があった。

6年度入試で新たに加わる単元はないが、英単語は増加する。
新たに加わった単元を見直しておくとともに、私立高校の入試で、SDGs(エスディジーズ―国連で決められた持続可能な17の開発目標)に関連した問題が出題され始めていることにも注意が必要だ。

今から夏休み期間中に、入試を意識した1・2年生の復習に取り掛かっておきたい。計画を立てて家庭学習を進める時期に差し掛かっている。

私立学校展に参加して情報収集も

7月9日に東京経済大学で私立中学・高等学校79校が参加する西地区の進学相談会が実施される。(西地区実行委員会主催・事務局 大学通信)

また、8月19・20日に東京国際フォーラムで都内私立全校が参加する進学相談会が予定されている。(東京都私立中学高等学校協会主催)

それぞれ予約制ではあるが、出来るだけ参加し私学の情報をゲットしておきたい。
あらかじめ気になる学校をリストアップし、知りたいことをまとめておくことをお勧めしたい。 有意義な一日が過ごせるはずだ。
受験生の夏といわれるが、受験生のもうひとつの課題は、自分に合った、伸ばしてくれると確信が持てる志望高校とめぐり合うことだ。

課題は4つ、計画を立てて、夏に伸びよう

夏休みを境に、受験で最も重要な時期に突入していく。9月になれば、私立高校の推薦入試が開始される1月22日まで140日余りとなる。

また、実力養成をしながら、定期テストや会場テスト、校内実力テスト、各種検定などに挑戦し、さらに各高校の体験入学や説明会に参加し、志望校を見つけるなど重要な事項が次々と控えている。

3年生の夏は忙しい。

さらに健康管理も皆さんのもうひとつの受験対策になる。5類になったとはいえ新型コロナ感染症はまだ治まっていない。、普段からの生活や健康に留意して、これからの日々を過ごしていってほしい。学力の向上、調査書対策、志望校の選択、健康管理が夏の課題だ。

工業高校は工科高校へ、今後の技術革新に備える

今春から都立工業高校15校は「技術革新やICTを活用して起こす変革」を視野に、全日制・定時制ともに工科高校と名称変更した。
今後の技術革新に備え、企業との連携を深めたり、IT系の新しい学びを推進していくとされている。

(岩佐教育研究所 岩佐桂一)

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