よみうり進学メディア

〈2024年度入試〉神奈川入試情報 「県立高校改革Ⅱ期最終/再編統合校、校名決定」ほか-令和6年度

〈県立高校改革Ⅱ期最終/再編統合校、校名決定〉
高校改革Ⅱ期最後の再編統合校である厚木東と厚木商業が「厚木王子高校」として来年度開校となる。使用されるのは、旧厚木東の敷地・校舎。普通科と総合ビジネス科を併設した高校となる。両校とも伝統の長い高校で、違う学科が統合された学校になる。
来年度の1年生が厚木王子高校の一期生となるが、両校の先輩たちはいるので部活動等も心配はない。

 

〈公立高校入試「選考基準」発表される〉
神奈川県教育委員会は、来春の公立高校各校の選考基準を発表した。
今までの選考基準が「調査書・学力検査・面接」であったのに対して、来年度から第一次選考が「調査書と学力検査」となる最初の入試となる。

「調査書と学力検査」の比率の組み合わせを各校の学科・コースでみると、
5:5が96(学科・コース、以下略)、4:6が44、6:4が41、3:7が10、7:3が6、
となっており、全体の約半数が5:5に落ち着いた。

特色検査で面接を導入したのは、
舞岡・上矢部(普通/美術)・横浜旭陵・市立川崎(福祉)・市立橘(普通/国際)・麻生総合・愛川・中央農業・吉田島(農業/生活科学)・商工(総合技術/総合ビジネス)・藤沢工科・市立川崎(生活科学/福祉)・横須賀南(福祉)・厚木北(スポーツ科学)・横浜商業(国際学)の各校。
自己表現検査を導入したのは、
神奈川総合(国際文化)・川崎総合科学(建設工学)・海洋科学・津久井(福祉)の各校。
第二次選考では、資料に調査書の「主体的に学習に取り組む態度(評価)」が導入される。

第一次・第二次選考ともに調査書と学力検査の2つで重点化を行えるようになった。
『評定の高い1教科×2(倍)』 などの導入が行われる高校が18校あるので、「令和6年度神奈川県公立高等学校入学者選抜募集案内」は、熟読。
志望校選択後、学力検査に向かっての学習で重点化も意識してほしい。

新制度では、面接の取り扱いが変わったが、学校を知る、自分が納得する受験校を決めていく際の調査の必要性は変わらない。公表されている「入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)」は、確実に読み込んでおこう。

■選抜基準/特色検査に関して詳しくは:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉神奈川県 公立高校「入学者選抜選考基準・特色検査の概要」発表-令和6年度

 

〈令和6年度公立高校入学者選抜日程〉
公立高校入試は全日制・定時制・通信制で同日程の「共通選抜」が2月14日(水)に学力検査、14日(水)・15日(木)・16日(金)に特色検査、20日(火)追検査、2月28日(水)合格発表。
定時制と通信制の一部で「共通選抜」の後に行われる「定通分割選抜」が3月14日(木)に学力検査、14日(木)・15日(金)に特色検査、21日(木)合格発表。
※追検査…インフルエンザ等のやむを得ない事情で学力検査を受検できなかった者に対する措置。

■日程をはじめ、こちらのページで学力検査までの流れが分かります:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉神奈川県 公立高校「入学者選抜募集案内」発表※私立高校案内含む-令和6年度

 


〈学力検査はマークシート方式だが…〉
学力検査は思考力・判断力・表現力を見る内容で、全国の入試問題の中でも良問だ。もちろん、教科による平均点の差などは出るし、年度ごとの各教科の平均点の上下等は必ず出る。そういったことに一喜一憂せず、過去問の研究や練習も行ってほしい。
解答方法は記号式選択問題でマークシート方式(記述問題はあり)。問題の作成は年ごとに工夫されている。

 

〈インターネット出願が導入される〉
7月3日付けでリーフレット「インターネット出願を導入します」が配布されたと思う。コロナ禍で合格発表がWebサイトで行われていたが、来年度はインターネット出願が導入される。もちろん資料の提出などは学校を通してとなるが、願書の提出などでインターネットを使うようになる。パソコン、スマホ、タブレットでのアクセスとなるが、通信環境のない場合は、学校に相談すればよい。

県教委に聞いてきました

〈ネット出願について〉
「リーフレットを公表し、そのあと中学校にも郵送した。令和6年度の入試については、調査書は中学校でとりまとめて一括で各高校に郵送する。願書については担任が写真等の確認をし校長が最終確認を行って『承認ボタン』を押すと、高校の側にデータとして飛んでいく形になっている。中学校側でも高校側でも調査書と願書の数に違いなどがあれば把握できるようになっており、救済措置は設けていない。9月以降に中学校を通して保護者の皆様には丁寧に説明していく予定」
との回答。

〈出願期間の出願人数の発表、掲示をネット掲示に?〉
「今回のインターネット出願の導入に伴い検討している。決まりましたらお知らせしたいと思う」との回答。

〈観点別評価についての県教委の考えは?〉
「いろいろな場面で信頼性・妥当性の評価が進むように、令和3年の学習指導要領が変わってから継続して行っている。評価の信頼性・妥当性という部分については入学者選抜にも直結してくる評価なので間違いがあってはいけないし、そういう疑念を持たれるようなことがあってはいけないということは当然意識をしてやっている。そして、そのことを市教委を通して各学校に降ろすという形で、慎重かつ丁寧に取り組んでいる。スタンスとしては、その観点別の評価自体がいい加減なものであるという認識に立ってはこのような制度は作れないので、そこにおいては担保されているという前提の下で制度が作られていることは理解いただききたい。評価のプロセスの部分、評価の基準とか方法を保護者や生徒に説明をして、どのような資料でどういった場面で評価をしているかを説明できることが大切で、各学校ができるように指導と評価の一体化、各学校側の指導も評価の結果から評価の説明ができるということを大切にしたい」
との回答。

〈選考基準について?〉
「重点化については必要に応じて各学校が設定するものであり、調査書においては最大3教科まで、学力検査は最大2教科まで1を超えて最大2以下の係数をかけることができる。調査書の重点化については、第一次選考では2年生および3年生の評定、第二次選考では3年生の評定が対象となっている。第一次選考においては2年・3年の成績の合計が一番高い教科×2(同一教科)で30点満点となる」
との回答。

〈学校再編について?〉
「Ⅲ期計画の発表の時にも、終わりではなく、もう少し後ろまで可能性があるという含みを持たせているかと思う。これから先の中学生の生徒数の動向、卒業予定者数の動向は、他県からの流入など当初の想定からだいぶ変化があり、その辺を慎重に見極めながら判断することになる」
との回答。

〈旧学区のようなものの復活はあるか?〉
「学区を復活させることは正直やりにくい。現状の中で定員や特色作りなど、どんな手が打てるかは引き続き検討していく。義務教育の立場からすると受検があるから勉強するとか、ないから勉強しないではなく学び自体が楽しくて良いものだ、やるべきものだと子供が理解できるように努力していきたい」
との回答。

〈専門学科に定員割れが多いが…〉
「県の産業教育フェアや専門学科の実践活動発表会など、いろいろなイベントを行ってきた。さらにものづくりなどのイベントと協力しPRしたり、専門学科のリーフレットを各学校に配布したり、HPの拡充をはかっているが、コロナ禍で見学がなかなかできなかったことが大きい。すべての中学校で実施しているわけではないが、先輩の話を聞こうという形で専門学校生や卒業している先輩の話を聞いて見学や体験を促す活動もしている」
との回答。

(かながわ民間教育協会・掛川忠良)

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