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2023.10.17

〈2024年度入試〉神奈川県 公立高「入試問題(共通選抜)その傾向と対策は?」【①全体傾向・数学・英語・国語】-令和6年度

これからの勉強を効率的に行っていくために、過去の入試問題の特徴をつかんでおきましょう。
今回は、前年度(令和5年度)の公立入試問題(共通選抜)をふり返りながら、傾向と対策を考えてみることにします。

【全体傾向】
平均点、国語は急上昇、理科・社会は下がる

まず、各教科の大問数と小問数です。
国語/大問5小問30
数学/大問6小問25
英語/大問8小問27
社会/大問7小問33
理科/大問8小問28
数学と社会の小問数がそれぞれ1問増えた以外は変化がなく、大問数・小問数はほぼ例年通りでした。

次に合格者の平均点を見てみましょう。カッコ内は前々年度(令和4年度)の平均点です。なお、「追検査」を含む平均点です。
国語/75・1(61・3)
数学/53・0(52・9)
英語/55・3(52・1)
社会/58・4(62・4)
理科/51・0(58・9)

平均点が上がったのは国語・英語・数学の3教科です。
数学と英語は僅かの上昇ですが、国語は前年より約14点上がっています。
理科は前年より約8点、社会は4点、それぞれ下がりました。

 

【国 語】
読解と情報整理、記述問題への対応がカギ

問一は漢字の「読み」などの小問で配点は20点でした。
漢字の「読み」に関する問題では、正答率がもっとも低かった「頒布(はんぷ)」でも78・5%に達しており、非常によくできていました。
同じ漢字が使われている熟語を選択する問題もよくできていました。
ただ、俳句の説明を選ぶ問題は正答率48・8%で、記述を除いた全問の中で最低でした。

問二は文学的文章(小説)の読解でした。
小問が6問ありましたが、そのうち3問は正答率が85%を超えていました。主人公の「心情(気持ち)」やその変化などを問われることが多いので、主人公や登場人物の心の動きに注目しながら読むことが大事です。

問三は説明的文章の読解でした。
問二の文学的文章の読解に比べると全体的に正答率が低くなっています。(イ)は、熟語の構成を問うもので、いわゆる知識問題でしたが、正答率は55・1%にとどまりました。

問四の古文の読解は「平家物語」からの出題でした。
問題文の要所に現代語訳もついており、丹念に読んでいけば確実に点数が取れる問題でした。

問五はグラフと資料を読み取ったうえで答える問題で、(イ)は全問中唯一の記述問題でした。文字数の条件は25字以上35字以内と前年より多くなっていました。正答率は17・1%でした。
中間点(部分点)が与えられる問題なので、どのような場合に点数が与えられるか、点数が減じられるかを県教委発表の資料で確認しておきましょう。

 

【数 学】
与えられた条件を正しく理解する力が必要

問1は基本的な計算問題です。毎年決まったパターンの出題で、正答率も概ね90%を超えています。

問2は因数分解や二次方程式の解を求める問題など、標準的な問題です。
(エ)は一次方程式を用いて解ける問題でしたが36%以上の人が間違えました。文章で表された問題文を正しく読み取ることができなかったと考えられます。

配点は問1が15点、問2が20点で合計35点となります。全体の3割以上を占めますから、ここまでで着実に点数を積み重ねておきたいところです。高得点を狙う人は、後半の問題に余裕を持って臨めるよう、短時間で解けることを目指しましょう。

問3以降はやや難易度の高い問題が含まれます。
5年度の出題内容は次のとおりです。
問3/平面図形・データの分布など
問4/関数
問5/確率
問6/空間図形
それぞれ2~7題の小問で構成されています。

問3では、(エ)の中点連結定理などを用いて図形の面積比を求める問題が難しく、正答率は僅か8%でした。また、(ア)ⅱの平面図形の角度を求める問題や、(ウ)の一次関数を用いて解く問題も正答率は共に20%台と振るいませんでした。
箱ひげ図に関する問題は比較的よくできていましたが、資料の読み取りに関する問題は半数以上の人が間違えました。

問4は関数の問題でした。(ウ)の座標を求める問題の出来が悪く、正答率は5・9%でした。

問5は確率の問題で、小問2題はいずれも正答率が30%台でした。問題文をていねいに読み、条件等を正確に読み取れるかどうかがカギとなります。

問6は空間図形の問題でした。(ア)はまずまずでしたが、(イ)は正答率19・3%、(ウ)は4%と非常に低くなっています。問3から問6までの小問15題中9題は正答率が50%を下回っており、ここでかなりの点差がついたと考えられます。

数学では多くの問題を解くのはもちろんですが、いろいろなパターンの問題に取り組む必要があります。覚えた定理などを自在に使いこなせるようにしておかないと高得点が望めません。
3年生後半に習う内容は問題練習が不足しがちなので、意識して増やすようにしましょう。

 

【英 語】
差がつく長文問題、時間配分考えて

問1はリスニングテストで配点は21点です。前年とはやや出題形式が異なっていましたが、正答率60%~75%の問題が多く、よく対応できているようです。

問2は単語を補充し英文を完成させる問題でしたが、非常によくできていました。

問3も単語を補充する問題でした。対話文を完成させる形式でしたが、問2よりはやや難しかったようです。

問4は対話の流れを理解して単語を正しく並べ替える問題(整序問題)でした。不要な単語が一語混ざっているので、その分やや難易度が高まっています。

問5は英作文です。条件作文と呼ばれるもので、語数(7語以上)や必ず用いなければならない単語などが決められています。これらの条件は書くためのヒントにもなっています。教科書に出てくる重要構文や慣用表現などを押えておくといいでしょう。

問6から問8までの3問は長文読解問題です。問題文がかなり長いことに加え、グラフや資料なども読み取らなくてはなりません。問6~問8までの小問8題中、正答率が50%を超えたのは2題しかありませんでした。
問5までに時間がかかり過ぎると長文問題にかけられる時間が足りなくなります。時間配分も含めた対策が重要になってきます。


■つづきの【②理科・社会】編はこちら
〈2024年度入試〉神奈川県 公立高「入試問題(共通選抜)その傾向と対策は?」【②理科・社会・まとめ】-令和6年度

 

■参考:過去問題は、数年分遡っていくと問題傾向がより分かりやすくなります。1年分だけでなくさらに前年度へ、比較分析していくことをお勧めします。

<前々年度分析(2022年度/令和4年度入試):よみうり進学メディア>
・〈2023年度入試〉神奈川県 公立高「入試問題(共通選抜)その傾向と対策は?」【①全体傾向・数学・英語・国語】
・〈2023年度入試〉神奈川県 公立高「入試問題(共通選抜)その傾向と対策は?」【①理科・社会・まとめ】

<前々々年度分析(2021年度/令和3年度入試):よみうり進学メディア>
・〈2022年度入試〉神奈川県 公立校「必見!!共通選抜問題 その傾向と対策は?【①全体傾向】
・〈2022年度入試〉神奈川県 公立校「必見!!共通選抜問題 その傾向と対策は? 【②英語】
・〈2022年度入試〉神奈川県 公立校「必見!!共通選抜問題 その傾向と対策は? 【③数学】
・〈2022年度入試〉神奈川県 公立校「必見!!共通選抜問題 その傾向と対策は? 【④国語】
・〈2022年度入試〉神奈川県 公立校「必見!!共通選抜問題 その傾向と対策は? 【⑤理科】
・〈2022年度入試〉神奈川県 公立校「必見!!共通選抜問題 その傾向と対策は?【⑥社会・まとめ】

(よみうり進学メディア編集部)

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