よみうり進学メディア

埼玉 入試情報
2023.9.20

〈2024年度入試〉埼玉入試情報 「夏休みが終わった、さあ受験本番へ」-令和6年度

過去にないほどの酷暑だった夏が過ぎ、これからは1日ごとに秋の気配が深まってくる。

そんな中、今春の中学校卒業生の進路状況が発表された。不安を克服し見事に進路を確定させた先輩たちの姿が数字の中に垣間見える。
次は、君たちが本気で受験に挑戦する番だ。

令和6年度公立高校入試の各校募集人員、各校選抜基準、入試選抜要項が発表されている。入試全体については、前年から大きな変更はない。

夏休みが過ぎて、いよいよ秋の陣。志望校の選択の時期が来た。

先輩たちの頑張りが見える中学卒業生の進路状況

令和5年3月の公立中学校卒業生の進路状況が発表された。
昨年度の受験生は、新型コロナ感染症予防のため、相談会や学校説明会が予約制や定員制になり、志望校にめぐり合う機会が限られていた。このため志望校の選定においては、大きな影響があったようだ。

卒業生は62,813人と前年より53人増加。公立高校の募集人員は前年から720人減少したが、実質倍率は1・14倍と、4年度と変わらなかった。また高校等への進学者は99・0%と前年より0・1%減少した。

全日制進学者は89・7%、公立高校が54・9%、県内私立が27・0%、県外私立が7・4%だった。

また、県内外の通信制高校への進学者が452人増加し、5・5%になっていた。

来春の国・公・私立中学の卒業予定者は、今春より約790人減少する見込みだ(埼玉県学校便覧より)。一方、公立高校の募集人員は800人の減少となる。公立高校の倍率は、やや上昇すると考えられる。

■中学校卒業生の進路状況について詳しく知りたい場合は:よみうり進学メディア
埼玉県 「令和5年3月高等学校卒業者の進路状況調査」を発表

一昨年からの新単元に注目、英単語の量は増加に

令和3年に教科書改訂があり、数学では、中1の単元で「累積度数・累積相対度数」、中2で「箱ひげ算」「四分位数・四分位範囲」「反例」などが加わった。
英語では単語数が増加するとともに、「感嘆文」「仮定法」、「原形不定詞」「現在完了進行形」、理科では、「ダニエル電池の実験」が加わるなどの変化があった。

6年度入試で新たに加わる単元はないが、英単語はさらに増加する。

4年度入試以降、過去の入試問題を確認するとこれらの内容の一部が出題されていることも要チェックだ。

■埼玉県公立高校の過去問題を調べたい場合はこちらにリンクがあります:よみうり進学メディア
・〈2023年度入試〉埼玉県 2023年度 公立高学力検査「入試問題&正答」-令和5年度
・〈2022年度入試〉埼玉県 2022年度 公立高学力検査「入試問題&正答」-令和4年度

5類になったとはいえコロナの対応は継続

5類になったとはいえコロナの影響は大きい。入試での変化としては
・入試日程は、追検査を含めて中学校の卒業式までの日程に収まるように配慮されている。
・出願は、原則として各中学校がまとめて郵送するものとなる。なお、春日部市5校、深谷市3校、本庄市2校、寄居町1校の県立校とさいたま市立3校、川口市立1校の計15校では、WEB出願となる。
・合格発表は、WEBによるものと各校の掲示との併用になる。
・インフルエンザ(コロナ)などの罹患者については、追試験の受験を認める。
などとなっている。

志望校の選抜基準を読み取っておこう

公立の入試では、入試得点だけでなく、各学年の調査書の各教科の評定合計が、各校ごとに定めた一定の比率で得点化され、入試得点と合計して選抜に利用される。

評定の学年ごとの比率や、入試得点との合算の仕方は「入試選抜の基準」に記載され、発表されている。

選抜基準を調べると、各学年の評定を平均的に取り扱う場合や、3年次の評定を重視する学校もある。また、学力検査の得点を重視している学校と、各学年の評定を大切にしている学校もあるなど、基準の違いがあると分かる。
志望する高校の選抜の基準を入手し、調べ、対策をとるようにしてほしい。

■選抜基準に関して詳しくは:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉埼玉県 公立高「各高校の選抜基準」を発表-令和6年度

入試問題は、中学校での授業が基本

県教育局から、5月に出題の基本方針と選択問題実施校※1が、7月に各校の募集人員※2募集要項※3各高校の入試選抜基準※4が発表された。

令和6年度の公立高校の入試内容が、出揃ったことになる。

学力検査問題の出題の基本方針では、「基礎的な知識及び技能をみる問題とともに、思考力、判断力、表現力をみる問題の出題に配慮する」「出題の内容、出題数に配慮するとともに、記述による解答を求めるよう配慮する」とされており、前年度の方針と同一だった。

学力検査では、数学と英語で学校選択問題が採用されているが、6年度入試では、前年度と同様に採用校は22校だった。

選択問題は、『問題の一部に応用的な問題を含む』とされるが、出題の基本となるのは「中学校での学習内容」であることは変わらない。
出題の基本方針には「学校の授業を大切にして欲しい」というメッセージが込められている。

■※1について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉埼玉県 公立高校「学力検査問題の出題の基本方針」「学校選択問題実施校」を発表-令和6年度
■※2について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2024年入試〉埼玉県 公立高校「募集人員発表 合計800人減」-令和6年度
■※3について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉埼玉県 公立高校「入学者選抜実施要項」-令和6年度

■※4について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉埼玉県 公立高「各高校の選抜基準」を発表-令和6年度

9月末の進路希望調査が志望校決定の第一歩

9月末には、全県の国立・公立・私立の中学校で進路希望調査が実施される。
これは、1人1校、行きたい高校を書いて提出するもので、結果は10月末に10月1日現在の調査として発表される。

ただし、9月末の調査ではまだ漠然としている人も多く、必ずしも受験生の志望動向を表したものではないことや、おおよその人気動向であることに注意が必要だ。

12月には、2回目の志望校調査が行なわれる。結果は冬休み後に発表されるが、こちらは調査書が確定している時点の調査であることと、私学の個別相談がほとんど終了している時期にあたるため、信頼できる資料となるようだ。
これまで漠然としていた志望高校が、2回の志望校調査で急速に現実味を帯びたものになってくることになる。

■参考に、昨年度(2023年度/令和5年度)の「進路希望調査(9月&12月)」結果を見てみましょう:よみうり進学メディア
・9月分
〈2023年度入試〉埼玉県「進路希望調査結果(10月1日現在)」発表-公立校では市立川口3.66倍、市立浦和3.30倍
・12月分
〈2023年度入試〉埼玉県「進路希望調査結果(12月15日現在)」発表-公立校では市立浦和2.85倍、 川口市立2.69倍

色々な機会をとらえ説明会や相談会に参加を

9月以降も公・私立高校のほとんどの高校が学校説明会や入試説明会・体験入学などを実施している。申し込み制や密を避ける工夫がされており、定員制になるなどの制約はあるが、受験生に学校の雰囲気や施設、部活などをみてもらい、学校選択の参考にしてもらおうという目的だ。
こうした機会をとらえること、インターネットなどを上手に利用し、学校調べを進めていって欲しい。

私立高校では12月下旬頃までに、学校説明会に加えて生徒・保護者対象の個別相談を実施している学校が多い。

個別相談では、通知表や各種検定、ボランティア、その他の実績をもとに「合格の可能性を判定する機会」とする学校と、「個人的な質問に答える場」とする高校がある。

説明会や相談会は、学校との相性や、高校生活を垣間見る機会としても利用しておきたい。

私立高校には、学校ごとに異なるコース(類型)や入試制度があり、希望するコースや入試制度、出願基準などを聞き取っておくことも必要だ。

個別相談も予約制をとるケースが多いが、定員を超えても別日で受付けをしてくれるため安心して申し込もう。

また、説明会や相談会に参加したら、その結果を担任の先生に報告しておこう。きっと有効なアドバイスがもらえるはずだ。

2023年彩の国進学フェア(公立・私立)の様子

(岩佐桂一 岩佐教育研究所)

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