2022年度(令和4年度)の高校入試も前年度に引き続き、コロナ禍の中で行われました。しかも感染者数は前年度以上となり、十代の若者にも広がりました。そのため私立高各校は検査の変更や追検査の設定などの対応に追われました。しかしコロナ対策も2年目ということで、学校側も受験生・保護者も比較的冷静に対応し、大きな混乱はありませんでした。
こうした状況下で、私立高入試がどのように行われたのでしょうか。その特徴を挙げてみましょう。
難関校に受験生が戻る
前年度(2021年度・令和3年度)はコロナの影響で慎重な志望校選択が行われ、難関校の応募者が軒並み減少しました。しかし今年度は揺り戻しがおこり多くの難関校で応募者増となりました。
男子の難関校である開成、巣鴨、城北、桐朋、学習院、早稲田高等学院、明治大学付属中野では、前年度に応募増となった城北を除き応募者が増え、6校合わせて約500人増となり前々年度の水準に戻りました。
共学の難関大学附属校である中央大学附属、中央大学、中央大学杉並の中大系3校では、前年度並みだった中央大学杉並以外応募者増。
国際基督教大学、青山学院(男子)、明治大学付属明治(女子)も増えています。
ただ豊島岡女子学園募集停止の影響を受けると見込まれた慶應義塾女子は前年度並み、毎年実質倍率が4~5倍の激戦になる明治大学中野八王子は微減、前年度に実質倍率4倍台になった法政大学も減少するなど、難関校でも応募減になった学校もあります。
日大系は応募減
日本大学第二、日本大学鶴ケ丘、日本大学櫻丘、日本大学豊山、日本大学豊山女子、目黒日本大学といった日本大学系の応募者が減少しました。日大系で増加したのは、安田学園の進学コースで併願優遇がなくなった影響を受けた日本大学第一、併願優遇を新設した日本大学第三の2校だけでした。
前年度の応募増の揺り戻しと捉えられる学校もありますが、大学の問題の影響も否定できないところです。
募集要項の変更で増減が激しく他校にも影響
コース改編や推薦、一般併願優遇の出願基準を変更することで応募者が増減するというのはこれまでもよく見られましたが、今年度は特に激しく動いた学校が目立ちました。
品川翔英は前年度に大幅な定員超過になったことから、今年度は基準などのハードルを上げたため応募者は4分の1に減。その影響を大森学園や神奈川の橘学苑などが受けました。
東洋は総合進学コースを募集停止し他コースの基準をアップ。その結果応募者は4割減、影響は東洋大学京北などが受けています。
桜美林も基準を厳しくして応募者は半減、影響は八王子学園八王子や桐蔭学園などに及びました。
「併願ドットコム」から見た検索校
昨年度16万ユーザーが利用した検索サイト「併願ドットコム」のデータから都内私立高校のエリア別検索ランキングを見てみると、次のような学校が上位にきています。
【23区エリア】
駒場学園・淑徳巣鴨・目黒学院・明治大学付属明治・東京農業大学第一・日本大学鶴ヶ丘・日本大学櫻丘・専修大学付属・目黒日本大学・二松学舎大学附属・朋優学院・豊島学院
【多摩エリア】
八王子学園八王子・八王子実践・錦城・拓殖大学第一・昭和第一学園・桜美林
例年以上に受験生が多様な学校を検索し、志望校選択をしていたことがうかがえます。
今年も可能な限り多くの学校に足を運び、自分にあった志望校選びをしていきましょう。
監修:高校入試活性化委員会(株式会社 リヴィジョン)
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