1月に発表された私立高の中間応募状況によると、1月12日時点での応募者総数は61,086人で前年度より820人の増。生徒数が680人増えているので、その分増えた形です。
応募倍率は4.20倍で、前年度(4.16倍)とほとんど変わらない結果に。
コロナ禍の中での入試も2年目を迎えましたが、全体的な応募状況に大きな変化はありませんでした。
しかしそんな中でもいくつかの特徴がみられました。
前年度は誰も経験したことのないコロナ禍の中での入試になったことで、慎重な志望校選択が行われ、難関校の応募者が軒並み減少しました。しかし今年度はそれらの高校に応募者が戻ってきています。
慶應義塾志木は約50人、4%増でとどまりましたが、早稲田大学本庄が450人、20%増、立教新座が230人、18%増になりました。
栄東は特待入試の応募者が前年度から2.5倍増え650人になりました。これは検査科目に国数英3科目を追加したためですが、特待生へと果敢に挑戦する生徒が増加したのは今年度の特徴をよく表しているといえます。
ところがこれら難関校では単願・推薦での応募者は減少しています。
立教新座は42人から40人と前年度並みでしたが、慶應義塾志木は40人と人と27%の減、早稲田大学本庄が30人と11%の減、栄東は11人と29%の減でした。また淑徳与野、川越東なども単願の応募者が減少しています。
一方で春日部共栄、開智未来、城西大学川越、東京成徳大学深谷、東野、秀明英光などでは、併願応募者は前年度並みか減っていますが、単願は増。獨協埼玉、大宮開成、武南、栄北、山村学園、浦和麗明、本庄第一、浦和実業、浦和学院などは単願も併願も増えました。
難関校の単願・推薦応募者が減少したのは、成績上位者の他校併願が増えたためで、複数の高校を受験し、合格した中から選んで進学するという従来からの受験パターンが復活したことを示します。
単願応募者の増加は前年度から急に目立ち始めました。コロナ禍によって安全志向となり、早めに進学する学校を決めたいという心理によるものと考えられます。今年度はその傾向が上位中堅の学力層でさらに進行したようです。
従来から選抜方法の変更で応募者が増減することがありましたが、それはコロナ禍の中でも変わっていません。
叡明はもっとも利用しやすい進学Ⅲコースを停止したため単願で約10%、併願で15%の減、細田学園も進学βを停止したため単願・併願ともに約4割の応募減になりました。
浦和ルーテル学院は併願受検を廃止し、それまで3回実施していた入試を1月22日1回のみにしたことで応募者は3分の1になりました。
秋草学園はコース改編し、さらに各コースの出願基準を上げたことから30%の応募減、星野(共学部)や東京農業大学第三、正智深谷でも出願基準をアップしたため、応募者は単願・併願ともに減少しています。
応募者が減少しても出願基準が上がれば学力レベルもアップするので、これらの学校に単願・併願で受験する場合は注意が必要です。出願基準や選抜方法については説明会に参加し、個別相談を受けるなど必ず確認しておきましょう。
昨年度16万ユーザーが利用した検索サイト「併願ドットコム」のデータから、県内私立高校の検索ランキングを見てみると、次の様な学校が上位にきています。
浦和実業・浦和学院・埼玉栄・浦和麗明・武南・春日部共栄・山村学園
今年も可能な限り多くの学校に足を運び、自分にあった志望校選びをしていきましょう。
監修:高校入試活性化委員会(株式会社 リヴィジョン)
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