よみうり進学メディア

埼玉 高校レポ
2026.10.13

正智深谷高校(埼玉県深谷市) 「一人ひとりに寄り添い成長を支える」-進路指導

「この子には何が必要か」を考える
信頼関係と個別指導で進路をひらく

 正智深谷高校は、硬式野球、サッカー、バスケットボール、バレーボール、卓球など全国・関東レベルで活躍する運動部が多く、スポーツの強豪校という印象を持つ人も多いでしょう。

しかし、今回「進路指導と進学実績」という視点で取材すると、もうひとつの大きな特色が見えてきました。それは、生徒と教員の距離の近さを生かした、きめ細かな個別指導です。

募集定員は360人。私立高校として特別に大規模ではなく、公立上位校とほぼ同じ規模です。この規模感が、一人ひとりをよく見て、必要な支援をすぐに届ける教育につながっています。

 

◆合格者数より「3年間の伸び」を見る

大学進学実績だけを見れば、国公立大学や早慶などの合格者が何十人、何百人と並ぶタイプの学校ではありません。学校説明会でも、単年度の数字を強調するより、生徒が高校3年間でどのように成長したかを具体的な事例で伝えています。

特別進学系には「特別選抜コース」と「特別進学コース」、総合進学系には「選抜進学コース」と「総合進学コース」があります。
それぞれ目標は異なりますが、共通しているのは、入学時の学力だけで生徒の可能性を決めないことです。

 

◆特進部を新設、個別支援をさらに強化

令和7年度からは「特進部」を新設しました。従来、進路指導部と兼務していた特進指導を独立させ、7名の教員を配置。特別進学系の生徒に対する支援をさらに強化しています。

特進部では、高頻度の個別面談や添削、国公立大学の二次試験対策、面接、志望理由書の指導などを行います。全学年共通の月例英語テストでは学内順位も示し、自分の現在地を確認しながら次の目標を設定します。

一方、進路指導部はガイダンスや模擬試験の準備など学校全体の進路支援を担当します。役割を分けることで、それぞれの専門性を高めています。

 

◆まず「毎日勉強する」習慣を

放課後学習の大きな目的は、難関大学対策だけではありません。希望すれば特進系以外の生徒も参加でき、まず毎日学習する習慣を身につけることを重視しています。

高校入学時に力があっても、学習習慣が定着しなければ秋ごろから伸び悩むことがあります。逆に、入学時の成績が目立たなくても、日々の積み重ねを続ければ大きく伸びます。

全生徒がiPadを持ち、英単語などのミニテストも日常的に実施しています。ICTは特別な学習のためというより、短時間でも繰り返し学ぶための道具として活用されています。

 

◆総合進学系にも届く「面倒見」

個別指導は特進系だけのものではありません。

総合進学系では、大学のほか、医療・看護、専門学校、就職など進路が多様です。志望理由書の添削や面接練習は、担当教員だけに任せるのではなく、多くの教員が横断的に関わります。休み時間や放課後に相談する姿も日常的です。

土曜日には、埼玉工業大学とのプログラミングや科学実験、企業と連携したプレゼン講座、大学によるデザイン講座、看護・医療現場の見学なども行われています。まだ将来像が固まっていない生徒にとって、実際に見て、聞いて、体験することが進路を考えるきっかけになります。

 

◆「人の役に立ちたい」が進路につながる

同校は浄土宗の宗門校で、宗教教育を「心の教育」と位置づけています。

3年生との面談では、医療や介護、公務員、消防、警察、自衛隊など、人の役に立つ仕事を目指す生徒が目立つといいます。進路指導は単に大学名や職業名を決めることではありません。「自分は何のために学び、将来どう社会と関わるか」を考えることも、その一部です。

 

◆スポーツだけではない全国レベルの活動

正智深谷高校といえばスポーツです。トップアスリートクラブに指定されている各部は、全国・関東大会で実績を残しています。

しかし、文化系の活動にも注目したいところです。特に生物研究会は全国レベルの研究活動を続け、2026年にはマレーシアで行われた「サイエンスキャッスルアジア」で真水クラゲの研究を英語で発表しました。将棋部も全国大会に出場しています。学校通信でも、生物研究会、将棋部、男子バスケットボール部、女子卓球部などが全国大会出場・受賞クラブとして紹介されています。

学習、スポーツ、科学研究。取り組む分野は違っても、それぞれの生徒に合わせて教員が伴走する姿勢は共通しています。

 

◆資格学校の強みは「関係性」

学校説明会では、授業そのものだけでなく、生徒と先生が自然に会話する姿に好感を持つ保護者が多いといいます。入学理由として「先輩が良かった」という声が出るのも、学校の日常がそのまま魅力になっているからでしょう。

進学実績はもちろん重要です。しかし、その数字を生み出すのは日々の教育です。
「この子には今、何が必要なのか」を考え、面倒をいとわず、一人ひとりに手をかける。生徒と教員の信頼関係を土台にした個別指導こそ、正智深谷高校の進路指導を支える最大の強みと言えそうです。

正智深谷高校ホームページはこちら

 

(よみうり進学メディア編集部)

 

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