進路希望を100パーセントかなえた実績を誇る
創立95年目を迎えた昭和鉄道高等学校は、名称の通り数多くの人材を鉄道・交通業界に送り込んできた。
共学化、学科再編、新校舎の建設と、兄弟校豊島学院高等学校と歩調を合わせた学校改革は、ラーニングセンターの竣工で完成年度を迎えた。
生徒たちの鉄道関係、公務員、一般企業への就職、大学への進学など多彩な進路実現のために、キャリア教育先進校は次のステップを目指す。
キャリア教育先進校の挑戦
日本でも珍しい鉄道専科の高校だが、昭和鉄道高等学校の卒業生の進路は実に多彩だ。
今春の進路実績では、卒業生181人の進路希望を100%達成した。
就職83%、進学17%。就職では、84%の生徒がJR、私鉄の鉄道関係となっている。また鉄道関係を第一志望としながら、同時に公務員一次試験への挑戦者が増加しているとのこと。
共学化以来19年、男女共同参画の中で、鉄道関係に憧れ、女子で新幹線を運行する先輩もいるそうだ。現在13人の女子生徒が同校で学ぶ。
鉄道科は2年次に駅務・乗務員を目指す運輸サービスコースと、車両設計・整備・運転を目指す運輸システムコースに分かれる。
就職に大学進学に、生徒たちの希望を実現させる。それが同校の目指すキャリア教育だ。
人生を豊かにするためにあらゆることに挑戦を
桑田達也校長は
「社会は大きく変容し、鉄道業界もAIやIoT(※)が大きな変化をもたらしています。そんな中でもコミュニケーション力や、ホスピタリティマインドがますます重要視されるものと思います。本校では、これらを備えた、思いやりを持てる生徒を育ていきます」
と教育方針を語る。
※IoTとは、インターネットと「もの」を結ぶ最新の技術のこと。
授業は週6日制、大学への進学希望に対応できるように、3年間で102単位習得と公立の進学校並みだ。
さらに、補講や資格取得のための講習を実施。
主な取得可能な資格や検定としては、旅行業務取扱管理者、第二種電気工事士、ビジネス実務マナー検定、サービス接待検定、アーク溶接他と多岐にわたる。
勉強は大変だが、同校では生徒が、自分の目標を決めて取り組んでいく。目的意識を持って学校生活が送れている状況がうかがえよう。
■昭和鉄道高等学校の主な進路先(過去 5 年間)
東日本旅客鉄道、東海旅客鉄道、北海道旅客鉄道、九州旅客鉄道、日本貨物鉄道、西武鉄道、東急電鉄、東京地下鉄、小田急電鉄、名古屋鉄道、阪急電鉄、近畿日本鉄道、総合車両製作所、
新幹線エンジニアリング、日産自動車、西武プリンストラベルズワールドワイド、羽田空港グランドサービス、京王バス、外務省、防衛省、東京都、自衛隊 他
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