結論を先に言うと「大逆転は可能です」。
埼玉県公立入試は、調査書点(内申点)が足りなくても、学力検査での逆転が十分可能な仕組みになっています。
受験直前、調査書点について悩む受験生が多いのですが、今さら上りも下がりもしない調査書点のことを考えるのはやめにしましょう。
このページでは学力検査の得点について詳しく説明していきます。
埼玉県公立入試の選抜では、選抜資料の合計点しか見ていません。
選抜資料とは基本的には学力検査得点と調査書得点の2つです。学校によってはこれに実技検査、面接などの得点が加わります。
まず、このことから、調査書点でリードされていても学力検査の得点力をアップし、両者の合計点を上げさえすれば、逆転の可能性があると分かります。
もう一度、志望校の「選抜の基本方針」を確認してみましょう。
学校によって文言には多少の違いがありますが、代表的なのは次の2つです。
「学力検査と調査書の記録については、学力検査を重視して選抜する」。
「学力検査と調査書の記録に大きな差を設けずに選抜する」。
学校選択問題を実施するような難易度が高い普通科校をはじめ、中堅校の多くもやはり学力検査重視としています。
■基本方針参考ページ:よみうり進学メディア
〈2023年度入試〉埼玉県 公立高「各高校の選抜基準」を発表-令和5年度
次に、各校の選抜基準のうち「一般募集」の欄を見てみましょう。
選抜は2回に分けて行われます。第一次選抜と第二次選抜です。
まず、第一次選抜ですが、学力検査点はどの学校も500点となっています(傾斜配点を実施する学校を除く)。
調査書点は学校ごとに異なりますが、上位校の多くが335点前後となっています。この場合、学力検査と調査書の比重は6対4となります。
調査書点の点数が大きくなればなるほど学力重視の傾向は弱まっていき、調査書点が500点となったとき、両者の比重は同じとなります。そして調査書点が500点以上であれば、その学校は調査書点重視ということになります。
※画像は市立浦和高校普通科の例
次に第二次選抜です。
第一次選抜における学力検査点と調査書点との比重は約6対4から約4対6までの間と決められています。ですから学力検査点重視、また逆に調査書点重視といっても、五分五分よりはややどちらかを重視するといった形となります。
しかし第二次選抜においては、両者の比重を約7対3または約3対7まで拡大することができます。
ですから上位校の多くは、学力検査点500点に対して、調査書点を215点前後に設定しています。これでちょうど学力検査点と調査書点の比重が約7対3となります。
第一次選抜では調査書点が低いため合格に届かなかった人も、学力検査点をさらに重視する第二次選抜では合格ラインをクリアできる可能性が高まります。
「一般募集」の欄でもうひとつ注目してほしいのが第一次選抜、第二次選抜、それぞれの合格者の割合です。
上位校の多くは第一次選抜での合格者を60%としています(これ以上低くすることはできません)。これは、学力検査点の比重を高く設定できる第二次選抜により多くの合格枠を残しておくためだと考えられます。ここにも学力検査点重視の姿勢がよく現れています。
ここまで、調査書点が低くても学力検査点での逆転が可能という視点から見てきました。
しかし、中には調査書点には自信があるという人もいるでしょう。
合計点で合否が決まる以上、このリードは貴重です。しかし、学力検査点が低ければこのアドバンテージが帳消しになりかねません。
ですから、リードを保つためには学力検査点をより高めなければなりません。結局のところ、今後は学力検査で1点でも多く取れるようにすることが受験生の課題となるのです。
(よみうり進学メディア編集部)
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