令和5年度の都内私立高入試では、コロナ禍によって昨年に引き続き、面接試験を取りやめる学校もありましたが、総じて混乱なく行われました。
志願状況では私立志向が見られたほか、挑戦志向がより高まり、コロナ前の状況に戻りつつある傾向も見られました。そのような私立高入試の特徴をみていきましょう。
大学附属校人気復活
明治大学系や中央大学系など、系列大学への進学率が高く併願優遇制度を導入していない難関大学附属校の人気が復活しました。
一般入試でみると、これらの附属校では、令和3年度にコロナ禍によって大幅な志願者減になりましたが、翌令和4年度から増加に転じ、今年度も増加、もしくは前年度並みを維持しました。
明治大学付属明治は3割強の増、明治学院も約2割の増、中央大学附属は2割弱増えました。立教池袋も入試日を変更して大幅増、明治大学付属中野八王子(令和6年度より明治大学付属八王子に校名変更予定)、慶應義塾女子、中央大学杉並などは微増、早稲田高等学院は3%の微減。早稲田実業は募集人員を減らした前年度では男子が減でしたが、今年度は女子が減ったものの男子は増加しています。
減少したのは入試日を変更した青山学院と、その青山学院と同じ入試日になった中央大学くらいでした。
入試日の分散と私立併願の増加
例年の一般入試は2月10日から始まり11日、12日の3日間で終わる学校が多かったのですが、今年度は2月12日が日曜日にあたったため13日に移動した学校が多く、入試日が分散しました。
私立高校の授業料支援制度の拡充によって私立志向が高まり、私立高を複数受験するケースが増え、さらに今年度はこの入試日の分散もあって、2回目以降の入試の志願者が増加する高校が目立ちました。
東洋大学京北は出願基準を緩和したことも影響しましたが、1回目の1・8倍に対し2回目は2・8倍に膨れ上がりました。広尾学園は1回目が3割増に対し2回目は5割増、東京成徳大学は1回目2割、2回目は約7割増えました。このほか国学院、日本大学櫻丘、日本学園、明星などで2回目入試の志願者が増加しています。
共学となった高校の動き
ここ数年、都内で共学になる高校があります。今年度は東京女子学園(新校名「芝国際」)、日本音楽(新校名「品川学藝」)、自由ヶ丘学園の3校が共学校になりました。
自由ヶ丘学園は推薦入試の志願者だけで学校全体の募集人員を上回り、芝国際も一般入試は600人を超えました。品川学藝は普通科を新設した分志願増となっています。
令和6年度は、蒲田女子が「羽田国際」として男女共学になる予定です。
「併願ドットコム」から見た検索校
昨年度16万ユーザーが利用した検索サイト「併願ドットコム」のデータから、都内私立高校のエリア別検索ランキングを見てみましょう。次のような学校が上位にきています。
【23区エリア】
専修大学附属・駒澤大学・青稜・自由ヶ丘学園・日本大学鶴ヶ丘・日本学園・東京農業大学第一・二松学舎大学附属・東洋・淑徳巣鴨
【多摩エリア】
錦城・拓殖大学第一・昭和第一学園・桜美林・八王子実践・明星
大学附属の学校を中心に受験生が興味を示していたことがうかがえます。
今年は、可能な限り多くの学校に足を運び、自分にあった志望校選びをしていきましょう。
監修:高校入試活性化委員会(株式会社 リヴィジョン)
■私立高校の動きについては過去の概況も確認しておきましょう。
・「東京都 私立高校 令和4年度」:よみうり進学メディア
〈2023年度入試〉東京都 私立高校 「2022年度(令和4年度) 東京都内私立高入試の概況」
・「東京都 私立高校 令和3年度」:よみうり進学メディア
東京都 「2021年度(令和3年度)都内私立高入試の概況」 大学附属高校の動向は・・・
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