都立高校は男女合同選抜へ
令和6年度入試に向けて、私立高校の入試要項が出揃った。
今春に大学入試改革の3回目が実行され、高校では新学習指導要領での2年目となり、中学3年生は中学・高校を通して新課程となった完成学年となる。
新しい教育に対して、多くの学校で研究・対策を進めている。また、校名変更、共学化、コースの新設や改編が相次ぐ。
また、都立高校では、6年度入試から、男女合同選抜となることが発表された。
高校の説明会や相談会には申し込み制や定員制など制約はあるが、できるだけ参加して情報収集をしておきたい。
■東京都私立高校の入試要項が発表されています、詳しくは:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉東京都 「私立高入試要項一覧」発表-令和6年度
急ピッチで進む、社会の変化への対応
前年4月からの学習指導要領の改訂を機に、高等学校では新しい教科に加え、思考力・判断力・表現力を育む教育を視野に、改革を推し進める学校が増加している。
グローバルな視野、探求型授業、コミュニケーション能力の育成、プレゼンテーション能力の育成、英語力の育成、ICT教育などだ。
また、ネット社会の進歩や自動運転システム、人工知能(AI)やロボットの発達などによる社会の変化も激しい。
そんな時代の学校選択は、希望する学校を調べ、入試制度や基準だけでなく、施設や教育の特色、授業内容などを知ることが必要となるだろう。
令和6年度都内私立高校の主な変更点は次のとおりだ。
まだ調査中のため、必ず該当する学校の入試情報を確認してほしい。
志望校の入試変化に注意
(岩佐教育研究所調べ9月10日現在判明分)
■校名変更・共学化等
○羽田国際(大田区)→旧校名/蒲田女子、共学化、グローバルキャリア・アドバンスドキャリア・幼児教育の3コースから、特別進学、総合進学、幼児教育の3コースに再編。幼児教育は女子のみ。
○小石川淑徳学園(文京区)→旧校名/淑徳SC 、特別選抜コースにデジタル教養クラス新設。選抜コースと併せ2コース3クラスに再編。
○広尾学園小石川(文京区)→募集停止
○明治大学付属八王子(八王子市)→旧校名/明治大学付属中野八王子
■ 学科・コースの変更
○ 神田女学園(千代田区)→総合教養・高度教養・国際教養の3コースから、キャリアデザイン・アドバンスト・グローバルの3コースに改編。
○ 芝国際(港区)→難関選抜・特別進学・国際生COREコースを募集停止。国際生ADBANCEコースを国際コースに改編し、最難関選抜と国際コースの2コース制に改編。
○ 朋優学院(品川区)→国公立コースを国公立AGコースに、特進コースを特進SGコースに再編。国公立TGコースと併せ3コース制。
○ 目黒日本大学(目黒区)→スポーツコース・芸能コースを募集停止。進学コースは、選抜とN進学の2クラス制に。
○ 日本学園(世田谷区)→スポーツコースを募集停止。特別進学と進学の2コース制に改編。
○ 日本女子体育大学附属二階堂(世田谷区)→ヒューマンケアコースを募集停止。キャリアデザイン・特別進学・ダンス・スポーツの4コース制に改編。
○ 城西大学附属城西(豊島区)→普通クラスをAC(アカデミック・クリエイティブ)クラスに改編。CS(カルチャー・スポーツ)の2クラス制。
○ 郁文館(文京区)→東大クラスはiPクラス(東大専科)に改編。e特進クラスは募集停止、国立選抜・特進・進学・iPの4クラス制に。
○ 郁文館グローバル(文京区)→Global Science Trackコース募集停止。Honorsクラスを新設。Liberal Artsクラスと併せ2コース制に改編。
○ 関東国際(渋谷区)→外国語科にフランス語コース新設。外国語科は10コース制に。
○ 新渡戸文化(中野区)→音楽コース募集停止。探究進学・フードデザイン・美術の3コース制に再編。
○ 安田学園(墨田区)→進学コース募集停止。S特、特進の2コース制に再編。
○ 北豊島(荒川区)→特進コースをI・P(インスパイアリングプログラム)コースへ、総合コースをV・P(バリアブルプログラム)コースへ、国際英語コースをG・P(グローバルプログラム)コースへ改編。
○ 共栄学園(葛飾区)→特進・進学の2コース制から、未来探究・国際共生・理数創造・探究特進・探究進学の5コースへ再編。
○ 駒沢学園女子(稲城市)→英語クラスを新設。特進、進学コースと併せ3コース制に再編。
○ 聖徳学園(武蔵野市)→データサイエンスコースを新設。文理進学、難関国公立の2コースと併せ、3コース制に再編。
○ 昭和第一学園(立川市)→デザインコースを新設。特別選抜、選抜進学、総合進学の各コースと併せ4コース制に改編。
○東海大学菅生(あきる野市)→特進コースを特進PBLコース(仮称 Project Based Learning)に改編。進学コースと併せ2コース制に。
私学独特の入試制度を研究しておこう
都内外の私立高校の学校説明会や個別相談会が佳境に入った。
説明会に参加することで、各コースの内容、教育課程、進学実績、入試の種類や基準などの詳細な情報を得ること、学校での開催では校舎施設の見学もできる。
個別相談ではいろいろな質問に答えてくれるだけでなく、「合格の可能性」を聞くことができる。
私立高校では各学科に、多様なコース、類型などを設けている学校も多く、自分に適したコースの選択も重要な要件だ。
また、第一志望者を対象とする入試と、公立との併願を前提としての入試を設けている学校が多い。さらに、ほとんどの学校で、第一志望者と併願での受験生に対して、独自の優遇制度がある。
これらの優遇制度の利用が、私立受験で合格を勝ち取るカギとなる。
都内生対象の推薦入試は、1月22日から、一般・併願入試は2月10日から開始される。
出願日や入試日程、手続き締切日などを調べ、受験カレンダーを作っておきたい。
都内の在籍はやや増加、都立の募集定員は減に
9月上旬に、東京都の教育庁と私立中学高等学校協会の定員分担の会議が開催された。
都内公立中学校の3年生は、前年より約340人増加する(東京都就学計画より)。
また、都立高校の募集定員は、前年より300人程度減少となる見込みだ。
前年は、推薦で2・52倍、第一次・選抜前期で1・29倍となった都立入試だが、6年度ではやや上昇する可能性がある。
都立は、男女別定員制から男女合同選抜へ
都教育委員会は令和6年度入試から、推薦に基づく選抜を含め、全選抜で男女合同選抜に移行することを発表した。
5年度入試で男女別定員を定めていた都立108校での20%の定員緩和措置の結果、三田、鷺宮など9校で合格最低点が51点から7点の男女差、人数的には23人から1人までの男女差があった。
いずれも女子が不利となっていたが、6年度入試からの男女合同選抜では、これが解消される。
■男女合同選抜への移行について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉東京都 都立高「男女合同選抜への移行について」-令和6年度
(岩佐教育研究所 岩佐桂一)
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