よみうり進学メディア

東京 入試情報
2023.9.8

〈2024年度入試〉東京入試情報 「夏休みが終わった、さあ受験本番へ」-令和6年度

今は全力で志望校を探し、出会おう

酷暑の夏が過ぎ、これからは1日ごとに秋の気配が深まってくる。
そんな中、今春の中学校卒業生の進路状況が発表された。不安を克服し、見事に進路を確定させた先輩たちの姿が数字の中に垣間見える。

次は、君たちが本気で受験に挑戦する番だ。

間もなく、令和6年度都立高校入試の、各校の募集人員、入試選抜要項が発表される。
入試全体については、推薦からの男女合同定員制への移行が注目される。
いよいよ秋の陣、志望校の選択の時期が来た。

 

先輩たちの努力の跡が見える、今春の中学卒業生の進路

東京都教育庁から、令和5年3月の公立中学校卒業生の進路状況※1が発表された。
昨年度の受験生は、新型コロナ禍中だったことで、相談会や学校説明会が予約制や定員制になり、志望校の選択では著しく制約を受けていた。
また、中学校の新学習指導要領の施行によって、入試の出題範囲が増えていた※2(本紙7・8月合併号参照)。
調査書の観点別評価※3における観点が4年度に変わり、評定にも変化が見られていた。
などの変化要因があった。
また、男女別定員の更なる緩和措置※4が採られたことなど、入試制度の変更もあった。

卒業生は78,493人で、前年より1,305人増加した。都立全日制では16学級640人の募集人員増を実施した。
高校等への進学者は98・4%になり、前年より0・1%低下していた。
全日制進学者は87・6%。内訳は、都立高校が約58%、都内私立が約36%、都外が5%などとなった。

来春の卒業予定者は、今春より200人程度増加する(東京都教育人口推計値より)。
都立高校の募集人員も更に増加されると見られるため、今後の変化から目を離せない。

■※1「令和5年3月の公立中学校卒業生の進路状況」を詳しく知りたい場合はこちら:
よみうり進学メディア
東京都 令和4年度公立中学校等卒業者(令和5年3月卒業)の進路状況調査の結果(速報値)について

■※2「7・8月合併号記事」はこちら:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉東京入試情報 「計画を立て、悔いのない夏を過ごそう」-令和6年度
■※3「観点別評価」についてはこちら:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉東京入試情報「令和5年度入試の検証から6年度入試を探る」後編
■※4「男女別定員の更なる緩和措置」についてはこちら:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉東京入試情報「令和5年度入試の検証から6年度入試を探る」前編

 

都立工業系高校の学科改編が発表された

まもなく6年度入試に向けて各校の募集人員が発表されるが、それに先立ち工業系高校の6年度からの学科改編が発表された。社会の変化やIT化などに発展的に参画できる人材の育成のためとされている。
・都立科学技術→科学技術科の一部を創造理数科に改編
・中野工科→キャリア技術科を食品サイエンス科に改編
・杉並工科→機械・電子・理工環境の各科を統合しIT・環境科に再編
・北豊島工科→総合技術科を都市防災技術科に改編

■都立工科高校の魅力がよく分かるイベントが東京都主催で開催されます。
詳しくは:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉東京都 「都立工科高校ドリーム・フェスタ」開催・2023年9月30日(土)


新型コロナウイルス感染症の動向に注意

夏休みが明け、いよいよ受験に向けて重要な期間に突入した。
例年、都の有識者による「入学者選抜検討委員会」から発表された報告内容を基に、都教育庁が入試要綱を作成、9月下旬までには入試要綱や各校の選抜方法などが発表される。

これまでに実施されたコロナ感染症対策は
・推薦・一般選抜の出願は、原則WEB出願とする。
・推薦・一般選抜の検査は、原則1日で実施する。
・合格発表は、掲示とウェブサイト掲載とする。
・不合格者への得点開示は、入学手続き翌日からとする。
・推薦の検査では、集団討論は実施しない。
・インフルエンザ、新型コロナの罹患者・濃厚接触者も追試験の対象とする。
などとされていた。

5類になったとはいえ、新型コロナは収束したわけではない。罹患に注意することも重要な入試対策となる。


説明会・相談会にインターネットを駆使しよう

9月以降も多くの公・私立高校で学校説明会や入試説明会・体験入学などが実施される。
申し込み制や密を避ける工夫がされており、受験生に学校の雰囲気や施設、部活などを見てもらい、学校選択の参考にして欲しいという願いが込められている。

また私立高校では12月中旬まで、生徒・保護者を対象に個別相談を実施している学校が多い。
個別相談では、通知表や各種検定、その他の資料などの実績をもとに「合格の可能性を判定する機会」とする学校と、「個人的な質問に答える場」とする高校がある。
高校の先生方と接する機会としての個別の相談は重要だ。

また説明会や相談会への参加は合否の予測だけでなく、学校と自分の相性や、高校生活の実態を垣間見る機会としても利用しておきたい。私立志望者だけではなく、併願での受験者も個別相談に参加することが必須となる。

説明会や相談会に参加したら、担任の先生に報告しておこう。
私立高校には、学校ごとに異なるコース(類型)や入試制度がある。希望するコースや利用したい制度、出願基準などを調べておくことも必要だ。

 

学費を気にせず、学校を選択できる時代

私立高校生に対して国から就学支援金という助成金が付く。5年度では、家庭の年収の目安590万~910万円未満が年11万8800円、590万未満が39万6千円となっている。

さらに、東京都にも私立高校進学者(他県への進学者も対象)に対して、授業料の助成金制度がある。令和5年度では、家庭の年収目安910万未満は、国とあわせ授業料47万5千円が支給されている。詳細は、東京都私学財団のホームページで確認できる。

私学入学者に対する公的な助成金の充実によって、学費にとらわれない、より自由に学校選択できる時代になっているのだ。

■「私学助成金」に関して詳しくは:東京都:東京都生活文化スポーツ局
私立高等学校等に係る東京都の学費負担軽減制度(一覧)|東京都生活文化スポーツ局 (tokyo.lg.jp)
■「私学助成金」について、こちらのページの「項目10」をご参照ください:
よみうり進学メディア
【特別版】高校入試・受験情報 「読んでおきたい『リンク集』」- 受験生の疑問や不安にこたえます!

 

いよいよ受験生は『志望校の選択』の時期に突入する。
折から、各高校の見学会や文化祭の最盛期。チャンスを見つけて、気になる高校や、目指す高校をぜひ訪問しておきたい。
高校を見て、触れて、感じて、志望校と出合ってほしい。

 

(岩佐教育研究所 岩佐桂一)

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