よみうり進学メディア

東京 入試情報
2023.11.13

〈2024年度入試〉東京入試情報 「都立入試(全日制)の注目点」-令和6年度

城東など4校で定員増、三田、向丘など14校で定員減。倍率変化に注意

・都教育庁は、9月に入選抜実施要綱・同細目を、10月26日に令和6年度入試の都立高校の募集定員を発表した。
・来春の公立中学校卒業予定者は340人余り増加する。これに対して、都立高校の募集人員は全日制で10学級395人減少する。
・令和6年度の都立入試では、全校で男女合同選抜が実施されるなどの変化がある。

5類に移行したとはいえコロナ禍のため、学校説明会の実施が定員制や予約制となり、実際に高校へ行く機会も少なくなっているが、志望校決定の時期が近づいてきた。


都立の6年度入試の主な留意点は3点

9月に都教育委員会の入試検討委員会の方針が発表された。この方針に基づき都立高校の入試の改善が実施されている。
①前年から出願方法は、推薦による選抜(以下推薦とする)及び分割前期(以下一般とする)では原則としてインターネットによる出願とする。その他出願に要する書類は郵送とする。
②東京都中学校英語スピーキングテスト(ESAT-J)の結果を活用し、英語4技能のうち「話すこと」の能力を見る。6年度の実施は11月26日となる。
③6年度から、男女別定員制は全廃となり、対象となる全校で推薦・一般とも男女合同選抜が実施される。
などの3点に留意しておきたい。

■①「インターネット出願」②「スピーキングテスト(ESAT-J)」について詳しくは:
よみうり進学メディア ※前年度(2023年度)の資料です※
〈2023年度入試〉東京都 「都立高校募集案内」発表、都立高受験まとめ-令和5年度

■③「男女合同選抜」について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉東京都 都立高「男女合同選抜への移行について」-令和6年度

 

都立高校の募集人員増減は、19校に

都内公立中学校の令和6年春の卒業予定数は、7万8,025人となっており、前年と比較すると338人増加する。(都内公立一貫校を含まず、公私連絡協議会資料より)
在籍は増加したが、都立高校の全日制の6年度募集人員は、167校で4万635人と前年より10学級395人減少した。
9月号で報告したように、工業高校の再編により、中野工科、杉並工科、北豊島工科の学科再編と科学技術の創造理数科の新設が発表された。
また、城東など4校で学級増が実施され、三田、本所など14校で1学級減となる。
また、男女合同選抜への移行で、全校で募集人員は男女合計の人数となった。
学科の改編が4校、募集学級の増減は19校に及ぶ。
募集の変更や定員の増減、更には男女合同選抜の実施等は、各校の入試倍率を変化させるだけでなく、競合する学校の受験動向にも影響する場合が多いようだ。
なお、定時制課程では、学年制は36校、1,320人の募集で前年と同じ、単位制では、小台橋で1学級増となり、30人増の2,865人となる。

■都立高校の募集定員について詳しくは:よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉東京都 都立高「第一学年生徒の募集人員等」を発表-令和6年度


工科系の学科改編と普通科の募集学級の増減

工科系学科の改編
中野工科→キャリア技術科を食品サイエンス科へ。
杉並工科→機械科、電子科、理工環境科からIT・環境科へ。
北豊島工科→総合技術科を都市防災技術科へ。
科学技術→創造理数科の新設。科学技術科は1学級減。

普通科1学級増
城東、足立、小平、狛江

普通科1学級減
三田、向丘、日本橋、本所、松原、板橋、井草、石神井、淵江、江戸川、紅葉川、富士森、日野、清瀬


6年度入試は、推薦・一般とも高倍率が続く模様

今春の推薦入試では、全体で2・47倍、同普通科では2・86倍。
一般入試では、全体で1・35倍、同普通科では1・39倍と、前年度入試と比較すると、推薦・一般とも倍率はやや下降したが、一定の高倍率が続いている。
また、これまでは卒業予定者の増減に対して、募集人員の増減が実施されたが、6年度入試では、在籍の微増に対し、募集人員は、減少している。
入試全体としては、やや高めの倍率になる可能性がある。
5年度入試で、推薦・一般の選抜の倍率がやや低下した理由は、通信制高校への進学者の増加、大学入試改革の実施により、現役進学率の高い私学志向になったこと、私学進学者に対する都の助成金の充実、コロナ禍の中、早めに私学に進路を決めた受験生が多かったことなどが挙げられる。

■前年度の都立高校最終倍率は:よみうり進学メディア
推薦:〈2023年度入試〉東京都 「都立高推薦 合格発表!」-令和5年度
一般:〈2023年度入試〉東京都 都立高校一般合格おめでとう「合格者数・各校倍率(本年度総括)」-令和5年度


志望校の決定時期は、12月中旬が目安

12月中旬に中学校で、都立高校への希望状況の調査が実施される。
結果は1月上旬に新聞発表されるが、これは、受験生の動向を知るための、精度の高い資料として注目される。
都立の受験校の決定は、この資料を見てから決めることもできそうだ。
志望校の決定には、一人ひとりの将来への夢や、それに関する情報の収集が必要となる。
各高校の説明会は、定員制や予約制となる事が多いようだ。
予約が取れなかったり、説明会が既に終了していた場合には、希望校に資料請求をしたり、インターネットを利用して調べることが重要となる。
学校の特色、入試の仕組み、私立では入試制度やコースごとの基準を調べておきたい。
いろいろな高校を見て、調べ、第一志望の高校に巡り合って欲しい。

(岩佐教育研究所 岩佐桂一)

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