2023.11.14

〈2024年度入試〉神奈川県公立高「入試問題（共通選抜）その傾向と対策は？」【②理科・社会・まとめ】-令和６年度

これからの勉強を効率的に行っていくために、過去の入試問題の特徴をつかんでおきましょう。
前年度（令和5年度）の公立入試問題（共通選抜）をふり返りながら、傾向と対策を考えてみることにします。今回は【②理科・社会・まとめ】です。

■【①全体傾向・数学・英語・国語】はこちら：よみうり進学メディア
〈2024年度入試〉神奈川県公立高「入試問題（共通選抜）その傾向と対策は？」【①全体傾向・数学・英語・国語】-令和６年度

◆理科
複数の情報から判断し、答えを導く力が必要

問１から問８までありますが、前半は各分野の基礎知識を問う問題です。
問１　物理
問２　化学
問３　生物
問４　地学
各３題計12題、配点は各３点なので、ここまでで36点です。化学・物理はやや出来が悪く、生物・地学は比較的よくできています。

後半も分野ごとですが、実験や観察を元にした応用的問題も含まれます。各４題計16題、配点は各４点なので、後半の合計は64点です。
問５　物理
問６　化学
問７　生物
問８　地学
正答率50％を下回った問題が物理、生物、地学の各分野に２題ずつ、化学分野が３題でした。正答率がもっとも低かったのは化学分野・大問６のアで18・0％、次いで大問６イの24・０％でした。

前述したように理科の後半問題はすべて実験や観察に基づく問題です。教科書を何度も見返して、手順や経過、結果などをしっかり理解しておきましょう。実験や観察から得られた複数の情報を元に、思考し判断する力が問われています。用語など基礎的知識を覚えておくことも大事ですが、それだけでは高得点を得られません。
極端に不得意な分野や単元がある人は非常に不利なので、早めに補強しておきましょう。

◆社会
平均点低下歴史分野の強化が必要か

全体の構成は次のとおりです。
大問１　地理（世界）
大問２　地理（日本）
大問３　歴史（古代から近代の日本と世界）
大問４　歴史（近代～現代の日本と世界）
大問５　公民
大問６　公民
大問７　三分野融合等
地理・歴史・公民の３分野からまんべんなく出題されています。
平均点は58・４点（追検査含む）で、前年の62・４点から４点下がりました。
正答率が50％を下回る問題が小問33題中11題ありましたが、そのうち６題は大問３・４の歴史分野の問題でした。
もっとも正答率が低かったのは環境問題に関する国際社会の取り組みを扱った大問６（公民）の問アで、30・１％でした。歴史分野の大問３問ア（36・３％）、大問３オ（38・４％）なども非常に低くなっています。

全体としては歴史分野を苦手としている人が多いようです。歴史用語や人名などの丸暗記では対応できません。原因や結果、影響など、「流れ」の理解を中心とした勉強法が求められます。
問題には表やグラフなどが多用されており、それらの情報を的確に処理する力も必要です。
公民分野は問題演習が不足しがちなので注意しましょう。