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神奈川 入試情報
2024.10.16

〈2025年度〉神奈川県 公立高「入試問題 傾向と対策は?」【①全体傾向・数学・英語・国語】

神奈川公立高校入試問題(共通選抜)
必見!!その傾向と対策は?

これからの勉強を効率的に行っていくために、過去の入試問題の傾向をつかんでおきましょう。
今回は、前年度(令和6年度)の公立入試問題(共通選抜)をふり返りながら、傾向と対策を考えてみることにします。

【全体傾向】
平均点、数学・理科は上昇、国語は大幅低下

まず、各教科の大問数と小問数です。
国語/大問5小問30
数学/大問6小問25
英語/大問8小問27
社会/大問7小問34
理科/大問8小問34
国語、数学、英語は大問数、小問数共に前年と同じでした。社会は小問が1問増え、理科は小問が6問増えました。

次に合格者平均点を見てみましょう。カッコ内は前々年(令和5年度)の平均点です。なお、「追検査」を含む平均点です。
国語/64.0(75.1)
数学/55.6(53.0)
英語/47.0(55.3)
社会/54.8(58.4)
理科/57.3(51.0)
平均点が上がったのは数学と理科の2教科です。数学は2.6点、理科は6.3点の上昇です。
他の3教科は下がりました。国語は約11点下がり前々年並みとなりました。英語は8.3点、社会は3.6点下がりました。

【国 語】
記述問題では複数の情報を整理し理解する力も必要

問一は漢字の「読み」などの小問で配点は20点でした
漢字の「読み」に関する問題は正答率がもっとも低かった「固唾(かたず)」でも79.9%に達しており、非常によくできていました。同じ漢字が使われている熟語を選択する問題では4問中2問が正答率50%と低くなっていました。単純に知識を問うだけの問題なので確実に得点にしたいところです。

問二は文学的文章(小説)の読解でした。小問が6問ありましたが、そのうち3問は正答率が80%を超えていました。「心情(気持ち)」やその変化などを問われることが多いので、主人公や登場人物の心の動きに注目しながら読むことが大事です。

問三は説明的文章の読解でした。問二の文学的文章の読解に比べると全体的に正答率が低くなっています。抽象的な内容なので文意をいかに把握するかがカギになります。

問四の古文の読解は4問中3問が正答率50%以下の難問でした。問題文の要所にある現代語訳や登場人物間の敬語関係などから内容を読み取っていくことが必要でした。

問五はグラフと資料を読み取ったうえで答える問題で、(イ)は全問中唯一の記述問題でした。文字数の条件は「25字以上35字以内」と前年と同じでした。正答率は前年よりさらに下がり11.7%でした。「偶(ぐう)有性(ゆう せい)」など普段目にすることがない言葉が使われていたり、ふたつの文章の関係性を理解することが求められたりなど非常に難しい問題でした。

【数 学】
処理の早さ正確さと論理的思考力

問1は基本的な計算問題です。毎年決まったパターンの出題で正答率も概ね90%を超えています。
問2は連立方程式や二次方程式の解を求める問題などで標準的な問題です。
配点は問1が15点、問2が24点で合計39点となります。全体の4割近くを占めますから、ここまでで着実に点数を積み重ねておきたいところです。また、後半の問題に余裕を持って臨(のぞ)めるよう、短時間で解けることを目指しましょう。

問3~問6はやや難易度の高い問題が含まれます。
6年度の出題内容は次のとおりです。
問3/平面図形・データの活用など
問4/関数
問5/確率
問6/空間図形
以上の構成は前年とほぼ同じです。
問3では、(アⅱ)の円や三角形の性質を利用して角度を求める問題が難しく、正答率は12.8%でした。また、(ウ)の三平方の定理などを用いて線分の長さを求める問題も正答率は僅(わず)か3.4%でした。3年生の後半に習う内容は問題練習が不足しがちなので意識して増やすようにしましょう。(イ)はヒストグラムや箱ひげ図などデータ活用に関する基本的な問題でした。問1問2と同様に短時間で処理することにより後半のための時間を確保したいところです。(エ)も正答率18.6%とできがよくありませんでした。方程式を用いて解を求めますが立式に手間取った人が多かった可能性があります。

問4は関数の問題でした。(ウ)の座標を求める問題のできが悪く、正答率は6.0%でした。問3(ウ)と同様、補助線を引くなどの工夫が必要でした。

問5は確率の問題で、2つの小問はいずれも正答率が40%台後半でした。問題文をていねいに読み、条件等を正確に読み取れば点数が取れる問題でした。

問6は空間図形の問題でした。(ア)の三角すいの体積を求める問題は正答率51.3%とまずまずでしたが、(イ)は4.8%と非常に低くなっています。正答にたどり着くまでに展開図を正確に描いたり相似な三角形を作ったりなど、いくつかのステップを踏む必要がある難しい問題でした。
数学では数多くの問題を解くと同時に、様々なパターンの問題に取り組む必要があるでしょう。

【英 語】
後半の長文読解にどれだけ時間を残せるか

問1はリスニングテストで配点は21点です。7つの小問の正答率は43%~86%で他の大問に比べれば相対的に高いものの、確実に点数を取りたいところなので対策が望まれます。

問2と問3は単語を補充し英文を完成させる問題でしたが正答率は概(おおむ)ね50%~60%前後でした。

問4は対話の流れを理解して単語を正しく並べ替える問題(整序問題)でした。不要な単語が一語混ざっているので、その分やや難易度が高くなっています。構文や文法に関する確かな知識が試されています。

問5は英作文です。条件作文と呼ばれるもので語数(6語以上)や必ず用いなければならない単語(2語)などが決められています。これらの条件は書くためのヒントにもなっています。教科書に出てくる重要構文や慣用表現などを覚えておくといいでしょう。

問6から問8までの3問は長文読解問題です。ここまでの大問に比べると正答率はかなり低く、問6~問8までの小問8問のうち正答率50%を超えたのは問8(ア)だけでした。
問題文がかなり長く、グラフや資料なども読み取らなくてはなりません。前半の問題に時間がかかると後半の長文にかけられる時間がなくなります。時間配分も意識した対策が必要でしょう。

「理科・社会・まとめ」編は11月号に掲載予定です

 

(編集部補足)
過去問題は、数年分遡っていくと問題傾向がより分かりやすくなります。1年分だけでなくさらに前年度へ、比較分析していくことをお勧めします。

 

<前々年度分析(2023年度/令和5年度入試):よみうり進学メディア>
・〈2024年度入試〉神奈川県 公立高「入試問題(共通選抜)その傾向と対策は?」【①全体傾向・数学・英語・国語】-令和6年度
・〈2024年度入試〉神奈川県 公立高「入試問題(共通選抜)その傾向と対策は?」【②理科・社会・まとめ】-令和6年度

<前々年度分析(2022年度/令和4年度入試):よみうり進学メディア>
・〈2023年度入試〉神奈川県 公立高「入試問題(共通選抜)その傾向と対策は?」【①全体傾向・数学・英語・国語】
・〈2023年度入試〉神奈川県 公立高「入試問題(共通選抜)その傾向と対策は?」【①理科・社会・まとめ】

<前々々年度分析(2021年度/令和3年度入試):よみうり進学メディア>

 

(よみうり進学メディア編集部)

 

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