これからの勉強を効率的に行っていくために、過去の入試問題の傾向を知っておくことは重要です。前年度(令和7年度)の公立入試問題(共通選抜)をふり返りながら、傾向と対策を考えてみることにします。
今回は「後編 理科・社会・まとめ」編です。
「前編 全体傾向・数学・英語・国語」編はこちら
■〈2026年度〉神奈川県 公立高「入試問題 傾向と対策は?」【前編 全体傾向・数学・英語・国語】

全体の構成は次のとおりです。
問1 地理(世界)
問2 地理(日本)
問3 歴史(古代から近代の日本と世界)
問4 歴史(近代~現代の日本と世界)
問5 公民
問6 公民
問7 三分野
地理・歴史・公民の3分野からまんべんなく出題されています。
平均点は57.9点(追検査含む)で、前年の54.8点から3.1点上がりました。
正答率が50%を下回る問題が小問34題中8題ありました。
このうち、半分の4題は歴史分野(問3・問4)でした。
もっとも正答率が低かったのは問5(公民分野)の問イで21,9%でした。金額や物価について述べた文の正誤の組み合わせを選択する問題でしたが、選択肢が8つあるので、独占禁止法や為替変動(円高・円安)、公共料金についての正確な知識がないと正解しにくい問題でした。
3年で習う公民分野は問題演習が不足しがちなので注意しましょう。
昨年急増した複数分野にまたがる融合問題は今年も出題されました。大問1・大問2・大問6で各1題、大問7で2題、計5題出されました。用語や人名等の暗記だけでは高得点は狙えません。
問1から問8までありますが前半は各分野の基礎知識を問う問題です。
問1 物理
問2 化学
問3 生物
問4 地学
各3~4題で合計14題、配点は全部で36点です。
問1は比較的良く出来ていますが、問2以降はあまり出来が良くありませんでした。
特に問4は正答率50%を超える問題がありませんでした。
後半も分野ごとの出題ですが、実験や観察を元にした応用的問題も含まれます。各4~6題で計20題、合計64点です。
出題分野は次のとおりです。
問5 物理
問6 化学
問7 生物
問8 地学
問5は6題中4題、問8は5題中3題が正答率40%台でした。問6は正答率20%台、30%台の問題があるなど受験生がもっとも苦戦しました。問7は比較的よくできていました。
前述のように理科の後半問題はすべて実験や観察に基づく問題です。手順や経過、結果などをしっかり理解しておきましょう。
また、実験や観察などから得られた複数の情報を元に思考し判断する力が求められています。用語など基礎的知識を覚えておくことも重要ですが、それだけでは高得点を得られません。
不得意な分野・単元がある人は早めに補強しておきましょう。
各教科とも出題形式、出題内容は少しずつ変化し、新しい傾向も見られます。
ただ、全体として見れば基礎基本的問題が多く、形式、内容ともに従来の出題が踏襲されています。その意味で、過去問学習が最強の対策と言えるでしょう。
覚えることは大事ですが、入試で問われているのは思考力や判断力なので、問題集などでそれらを強化しましょう。
(編集部補足)
過去問題は、数年分遡っていくと問題傾向がより分かりやすくなります。1年分だけでなくさらに前年度へ、比較分析していくことをお勧めします。
<前年度分析(2024年度/令和6年度入試):よみうり進学メディア>
・〈2025年度〉神奈川県 公立高「入試問題 傾向と対策は?」【①全体傾向・数学・英語・国語】
・〈2025年度〉神奈川県 公立高「入試問題 傾向と対策は?」【②全体傾向・数学・英語・国語】
<前々年度分析(2023年度/令和5年度入試):よみうり進学メディア>
・〈2024年度入試〉神奈川県 公立高「入試問題(共通選抜)その傾向と対策は?」【①全体傾向・数学・英語・国語】-令和6年度
・〈2024年度入試〉神奈川県 公立高「入試問題(共通選抜)その傾向と対策は?」【②理科・社会・まとめ】-令和6年度
<前々年度分析(2022年度/令和4年度入試):よみうり進学メディア>
・〈2023年度入試〉神奈川県 公立高「入試問題(共通選抜)その傾向と対策は?」【①全体傾向・数学・英語・国語】
・〈2023年度入試〉神奈川県 公立高「入試問題(共通選抜)その傾向と対策は?」【①理科・社会・まとめ】
(よみうり進学メディア編集部)
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