これからの勉強を効率的に行っていくために、過去の入試問題の傾向を知っておくことは重要です。
今回は、前年度(令和8年度)の公立入試問題(共通選抜)をふり返りながら、傾向と対策を考えてみることにします。

まず、各教科の大問数と小問数です。
国語 大問5小問30
数学 大問6小問24
英語 大問8小問31
社会 大問7小問34
理科 大問8小問33
大問数、小問数共に例年通りでほぼ変化はありませんでした。問題数が年度により大きく変わることはないと考えていいでしょう。
次に合格者平均点を見てみましょう。カッコ内は前々年(令和7年度)の平均点です。なお、「追検査」を含む平均点です。
国語64.1(73.8)
数学56.7(51.3)
英語56.0(51.4)
社会62.3(57.9)
理科60.0(51.7)
平均点が上がったのは数学・英語・社会・理科の4教科でした。一方、前年70点台と高かった国語は9.7点下がり、64.1点となりました。
全体として各教科が50点台後半から60点台前半に収まり、極端な偏りの少ない難易度となりました。
問一は漢字の「読み」などの小問で配点は20点でした。 漢字の「読み」に関する問題は「戒める(92.4%)」や「草履(91.3%)」など全体としてよくできていました。
一方、語句選択の「巻(巻末・圧巻)」は正答率3.5%と振るいませんでした。短歌の説明問題は正答率76.3%でした。
問二は文学的文章(小説)の読解でした。朗読の仕方は正答率82.5%と高かったものの、高野山と興福寺での撮影の違いから心情を比較する問題(オ)は正答率49.2%と差がつきました。登場人物の心情の変化や対比に注意しながら読むことが大切です。
問三は説明的な文章の読解でした。空欄補充は91.9%、文法(格助詞)は82.2%と正答率が高かったものの、筆者の主張や本文全体の理解を問う設問は(ク)が43.7%、(ケ)が37.2%と正答率が低くなっています。文章の構成や文脈を正確に把握することがカギになります。
問四の古典(古文)は4問中3問が正答率59%を超えています。「鬼どもみな逃げ散りぬ」の理由を選択する問題が正答率64.3%など、前年並みに標準的な難易度でした。動作の主語や文脈を補って読み進める力が必要です。
問五は複数の文章やメモの情報を整理して答える問題で、(イ)は全問中唯一の記述問題(条件付き論述)でした。正答率は全問中最低の21.0%でした。複数の情報を短時間で整理し、指定の条件に従ってまとめあげる記述対策が欠かせません。
合格者平均点は56.7点で、前年(51.3点)から5.4点上昇しました。
問1は基本的な計算問題です。毎年決まったパターンの出題で正答率も5問すべてが90%を超えています(最高は整数の減法で95.9%)。
問2は因数分解や方程式、2次関数の変化の割合(74.9%)、回転体の体積(70.7%)などの標準的な問題で、正答率は70.7%~89.7%でした。
配点は問1が15点、問2が24点で合計39点となります。問3(アⅰ)の相似の証明(90.0%以上)と合わせると、全体の4割以上が基本・標準レベルです。ここを短時間で確実に全問正解できるかが合格への第一歩となります。
問3~問6はやや難易度の高い問題が含まれます。 出題内容は次のとおりです。
問3 平面図形・データの活用等
問4 関数
問5 確率
問6 空間図形
これは例年ほぼ同じです。
問3では、(アⅱ)の三平方の定理や相似比を用いて線分の長さを求める問題が非常に難しく、正答率はわずか0.4%でした。また、(ウ)の三平方の定理や相似比などを用いて三角形の面積を求める平面図形問題も正答率1.6%と極めて低くなっています。(イ)の箱ひげ図を選択するデータの活用問題は正答率56.9%、(エ)の1次方程式を用いて解く問題は正答率23.9%でした。
問4は関数の問題で、(ア)の2乗に比例する関数(90.3%)や(イ)の直線の式(60.7%)は標準的でしたが、(ウ)の条件を満たす点のX座標を求める問題は正答率17.7%と低めです。
問5は確率の問題で、2つのさいころを投げる出題でした。正答率は(ア)が61.0%、(イ)が23.8%でした。問題文を素早く、かつ正確に読み取れるかどうかがポイントになります。
問6は空間図形の問題で、(ア)の表面積を求める問題は正答率61.8%でしたが、(イ)の3点を結ぶ三角形の面積を求める問題は19.8%と低くなっています。高難度問題に時間を残せるよう、前半を素早く解ききる計算力と時間配分の意識も不可欠です。
問1はリスニングテストで配点は21点です。対話文の応答を選択する問題は83.4%と高い正答率でしたが、まとまりのある英語を聞いて要点を選択する問題は(ウ1)が31.2%、(ウ2)が31.3%と正答率が低くなっています。
問2は対話の流れに合わせて適切な語を選択する問題で、3つの小問は正答率65.9%~76.4%と堅調でした。
問3は語句選択で正しい英文を作る問題でした。比較が84.8%、疑問代名詞が82.6%と高正答率でしたが、前置詞は56.0%、助動詞は59.6%でやや差がつきました。
問4は対話の流れを理解して単語を正しく並べ替える問題(整序問題)でした。小問5問のうち3問(アが36.5%、イが37.3%、ウが34.3%)が30%台となり、受験生が苦戦した様子がうかがえます。
問5は場面にふさわしい内容を考えて英文を作る記述問題で正答率は37.6%でした(前年の18.0%から上昇)。教科書に出てくる重要構文や慣用表現を正しく活用できるかがポイントです。
問6から問8までの3問は長文読解問題です。英文を読むだけでなく、資料や表から必要な情報を正確に読み取る力が必要です。特に問7(イ)の英文と資料から情報を読み取る問題は正答率が29.2%と低くなりました。日頃から時間配分を意識した読解練習を行いましょう。
■「理科・社会・まとめ」編は11月号に掲載予定です
(編集部補足)
過去問題は、数年分遡っていくと問題傾向がより分かりやすくなります。1年分だけでなくさらに前年度へ、比較分析していくことをお勧めします。
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<前々年度分析(2024年度/令和6年度入試):よみうり進学メディア
・〈2025年度〉神奈川県 公立高「入試問題 傾向と対策は?」【①全体傾向・数学・英語・国語】
・〈2025年度〉神奈川県 公立高「入試問題 傾向と対策は?」【②全体傾向・数学・英語・国語】
<前々々年度分析(2023年度/令和5年度入試):よみうり進学メディア>
・〈2024年度入試〉神奈川県 公立高「入試問題(共通選抜)その傾向と対策は?」【①全体傾向・数学・英語・国語】-令和6年度
・〈2024年度入試〉神奈川県 公立高「入試問題(共通選抜)その傾向と対策は?」【②理科・社会・まとめ】-令和6年度
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